「謙虚さ」という自己欺瞞の罠 | 人生を変える『気づきの思考法』~アドラー心理学に学ぶ人生を成功に導く方法~

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マジで今の人生を変えたい、人生を成功に導きたい、そう思う人は、アドラー心理学をベースにした『気づきの思考法』を学んでください。
自らが演じている自己欺瞞に気づき、必ず変わることができます。

ご訪問いただき、ありがとうございます。


心理コンサルタントのしらたきです。


さて、先日、次のようなご質問を受けました。



私の知っている方にとても周囲に優しい人がいました。


自分の仕事以外にいつも他の人のことまで助けてあげて、


仕事も親切に教えてくれるし愚痴や悪口も一切言わない人でした。


忙しくてぴりぴりした職場を和やかな雰囲気にすることが出来る人でした。


それなのに、その人はいつも


「私は自己中心的な性格だから」


と言っていました。


どう見ても自己中心的には見えないのに、


どうして、その人はそんなことを言っていたのでしょうか?



他人に対してとても親切な行動をする人なのに、


自分のことをいつも


「自己中心的な性格」


だと言う。


この矛盾はどこから来るのか?


というご質問です。


やっていることと言っていることとの間に矛盾があるとき、


そこには常に『自己欺瞞』が隠されています。


そもそも自己欺瞞とは、


自分の持っている劣等感を克服する努力をせずに


他の不適切な方法によってその劣等感を補おうとする行動のことです


劣等感を補おうとうする不適切な方法で最もよく用いられるのは、


優越感に浸る』というものです。


そして、人が優越感に浸る典型的な方法は、


他人の悪口を言ったり、他人を非難したりして、相手を見下すという方法です。


これは、相手の人を見下すことによって


自分がさも相手よりも上の立場に立ったような感覚になり、


優越感に浸ろうとするものです。


一方、これとは逆に、


自分が他の人よりも『謙虚』に振る舞うことによって優越感に浸る、


という方法もあります。


謙虚な態度が、なぜ、優越感に浸る方法なのか、


と不思議に思われるかもしれませんが、


この場合は、謙虚な行動をすることによって、


「私は、あなたよりも道理をわきまえているのですよ」


「私は、他の人よりも良く出来た人間なのですよ」


という優越感に浸ろうとするわけです。


ご質問にある方も、


他の人に親切に振る舞うことによって優越感に浸ろうとしているわけです。


言うなれば、この親切は、相手のことを思っての親切ではなく、


自分のための親切なのです。


つまりは自分が優越感に浸るための自己欺瞞なのです。


もちろん、人のする親切な行動が、


必ずしも自分が優越感に浸るための自己欺瞞だというわけではありません。


本当に相手のためになされる親切も、当然ながらあります。


では、相手のための親切と自分のための親切とはどこが違うのか?


それは、自分のために行う親切には必ず、


その行動の前後に自分の親切を強調する言動が伴う、ということです。


ご質問にある方の場合、それが、


「私は自己中心的な性格だから」


という台詞です。


この言葉を聞けば、周囲の人たちは何と答えるでしょう。


おそらく、大抵の場合、


「そんなことはない。あなたはとても親切な人ですよ」


「いえいえ、あなたはとても良い人ですよ」


と言うのではないでしょうか。


そうです、この言葉こそが、この人を優越感に浸らせてくれるのです。


他の人に親切な行動をしていながら、


いつも自分のことを自己中心的だと卑下することによって、


この人は、


それを否定する周囲の人たちの言葉で優越感へと導かれているのです。


この『謙虚さによる自己欺瞞』は、何も特別なことではありません。


多くの方たちが、普段の生活の中で何気なく演じています。


それは、自分のことを褒めてもらったときなどに、


「私なんて、まだまだですよ」とか


「いえいえ、私なんて全然出来ていませんよ」


などと答えては、自分のことを謙遜します。


これは、褒められて本当はうれしいのですが、


そのことを認めると自分が自惚れているように思われるかもしれないので、


それを回避するために謙虚な態度を示すことによって


褒めてくれたことに対する相手の評価を下げないようにするのと同時に、


「いやいや、あなたは十分頑張っていますよ」とか


「そんなことはない。あなたは素晴らしいですよ」


という相手の返事によって優越感に浸ろうとしている行動なのです。


この行動は、特に、日本人に典型的な行動かもしれませんね。


最後まで読んで頂き、ありがとうございました。


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