ご訪問いただき、ありがとうございます。
心理コンサルタントのしらたきです。
さて、以前、『アドバイスという名の意見の押し付け 』という記事で、人は、知らず知らずのうちに、相手の意見を否定して自分の意見を押し付けていることがある、ということを書きました。
この場合、意見を押し付けている側がよく陥ってしまうのが、
「これは、あなたのために言っているのだ」
という一見共感的でありながら、あくまでも主観的なものの見方による落とし穴です。
この落とし穴にはまり込んだ人間から意見を押し付けられる恐怖を描いたのが、スティーブン・キングの原作を映画化した『ミザリー』です。
主人公は、超ベストセラー『ミザリー』シリーズの人気作家であるポール・シェルダン。
彼は念願の私小説を書き上げ、こもっていたコロラド山中のロッジからニューヨークのエージェントのもとへ、猛吹雪の中を原稿を携えて車を運転していました。
ところが、途中で雪道から転落し、足を骨折するなど瀕死の重傷を負ってしまいます。
そんな彼を助けたのが、付近に住む看護士のアニー。
彼女は、彼の小説『ミザリー』の大ファンで、怪我をした彼を献身的に介護します。
折りしも、『ミザリー』の最新刊が発売され、アニーはいそいそと買いに出かけます。
『ミザリー』の最新刊では、主人公ミザリーの死によって物語に終止符が打たれていました。
それを知ったアニーは、今までの態度が一変して半狂乱となり、彼の書き上げた私小説の原稿を燃やすように強要します。
そして、タイプと車椅子を買い込んでくると、今度は一転して猫なで声となり、彼にミザリーを生き返らせて物語の続きを書くようにとアドバイスするのです。
ポールは、彼女の豹変に恐怖を感じ、とりあえずは言う通りにして彼女の機嫌を取りながら脱出する機会を窺うのですが、彼の脱出への試みは、悉く失敗してしまいます。
そんな中、彼は、彼女が出かけていなくなった隙に部屋を抜け出し、彼女をことを調べていくうちに、彼女のとんでもない正体を知ることになるのですが…・・・・。
困っている人に親切にするのは、人として当たり前の行為です。
しかし、親切心が高じると、過度のお節介になってしまいます。
お節介をやく人は、いつも、
「あなたのことを思ってやっているのだ」
と言われます。
もし本当に相手のためを思ってやっているのであれば、その親切を受け入れるか拒否するかは、あくまでも相手の自由です。
それゆえ、相手の人が断ったとしても腹は立たないはずです。
しかし、大抵の場合、相手の人が自分の親切を拒否すると、
「せっかくあなたのためにやってあげているのに」
と怒り出します。
これは、お節介を相手のためではなく、自分のためにやいているからです。
過度なお節介をやく人は、相手のためにやっていると思うことによって一種の優越感に浸っているのです。
それは、「自分は、なんて親切で優しい人なんでしょう」と無意識に思うことによる優越感です。
そのために、相手が自分の親切を拒否すると、その優越感に浸れないどころか、逆に自分が劣っているように感じてしまい、
「せっかくあなたのためにやっているのに」
と怒り出してしまうのです。
ここにも、人間の欺瞞が隠されているのです。
本来、他人に親切にするのに、優劣など関係ありません。
本当の親切とは、常に相手のためになされるものであり、もし断られたとしても、相手の判断を尊重して素直に引き下がることができ、その後に何のしこりも残さないものなのです。
- ミザリー(特別編) [DVD]/キャシー・ベイツ,ジェームズ・カーン,ローレン・バコール
- ¥2,990
- Amazon.co.jp
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
心理学教育の必要性と気づきの思考法を広める活動をしています。
↓ご協力のほど、よろしくお願いします。
にほんブログ村
幸せになりたい方は、
幸せになるための気づきの思考法テキスト
「気づきの思考法養成講座ー総論ー」を読んでください。
→コチラ
をクリックしてください。