こんにちは。

 

 

 

ききです。

 

 

 

やっと最終回。

 

「1.先見の明(予知能力?)」

 

「2.物品調達」

「3.家具の組み立て、家電の設置」

 

「4.ショートスリーパー」

「5.体力」

 

「6.鋼メンタル」

「7.仕事のフォロー」

 

「8.パソコン技能」

「9.車の運転と地図」

 

 

 

ちょっと急ぎの大きな仕事が入ったため、

間が空いてしまいました。

 

肩こりが爆発しそうです。

 

焼けるように痛むのは初めての感覚。

 

 

 

日々、ドーピングです。合法です。

 

 

 

 

 

へこたれそうな毎日で、

自己肯定感を高めるために、

ピックアップしてきた私流の介護スキル、

最終回はとっておきのこれ。

 

 

10.生ピアノ

実は音大ピアノ科卒です。

 

今も細々と演奏活動もしています。

 

めっちゃ若いピアノ男子とデュオもやってます。

 

 

 

去年、新居に移るタイミングで、

白いピアノに買い替えました。

 

 

白くてオシャレですが、

中身は古いヤマハで、お値段なりの音なので、

お父上の代からお世話になっている「調律の匠」に、

関西からわざわざ来てもらってメンテナンス。

 

 

彼の手にかかれば、

魔法のように(2時間かかるけど)、

まろやかでツヤツヤで、シルキーな音に。

 

まあ、最初から、

彼に頼めばどんなピアノも何とかしてくれる、

と思って中古ピアノを買ったのでした。

 

 

 

さてある日、病床(在宅)の夫が、

「ピアノ弾いて」と言い出しました。

 

ステージでの本番は必ず聴きに来てくれて、

車椅子になってからは、

母や義弟が連れて来てくれてましたが、

練習を受動的に聴かされている以外、

家でピアノをリクエストされたのは初めてでした。

 

最初は夫のお気に入りの

「ユモレスク」(ドヴォルザーク)。

 

次にこれまたお気に入りの

「悲愴ソナタ第2楽章」(ベートーヴェン)。

 

お次は

「トロイメライ」(シューマン)。

 

そうか、ベッドで横になっている時には、

こういう感じの音楽が聴きたくなるのか。

 

ということで、

特に練習しなくても弾ける中級程度の、

癒し系を中心にピックアップ。

 

「弾いて」と言われたら、

すぐに順に弾けるようにプログラミング。

 

上記の3曲に続いて、

月光ソナタ第1楽章(ベートーヴェン)

アラベスク第1番(ドビュッシー)

月の光(ドビュッシー)

子犬のワルツ(ショパン)

ノクターン9の2(ショパン)

前奏曲「雨だれ」(ショパン)

ヴェニスの舟歌(メンデルスゾーン)

愛の夢第3番(リスト)

ワルツ第15番(ブラームス)

 

というラインナップです。

 

 

 

スキル10選の「1.先見の明」にも繋がるのですが、

新居を考える時に、

防音のピアノ室とか、

ちゃんとドアで区切られた寝室とかにせず、

全部が繋がったワンルームスタイルにしたことが、

 

「ああ、このためだったのか」

 

と腑に落ちました。

 

 

 

夫が転居1年で病に伏せるとは

予見できませんでしたが。

 

 

 

夫のベッドからの眺め。

 

(ピアノの屋根を開けているのは演出です。

猫と翔平ベアがいるのは私のベッド。

夫のベッドと足合わせの縦列配置です)

 

この格子が壁だったら、

聴こえ方も変わってしまうでしょう。

 

こんなところにも先見の明が。

 

 

 

葬儀のことも二人で決めています。

 

自宅での家族葬を考えています。

 

そうなったら、ずっと弾いてあげられます。

 

その時には、先述のプログラムに、

別れの曲(ショパン)

と、

同じくショパンの、

ショパンの葬儀にも演奏されたという、

前奏曲第20番と、

坂本龍一の「energy flow」を加えます。

 

 

 

まあ葬儀はさておき。

 

 

 

夫が聴きたがる曲を、

パッと弾いてあげられる腕前があるのは、

本当に良かったと思うのです。

 

ピアノ弾きの先輩には

 

スーパープレミアム緩和ケア!

 

と言われました。

 

大体いつも、このプログラムの途中で、

気持ち良さそうに眠ってしまうので、

緩和ケアとしての役割もちゃんとあるみたい。

 

観客ひとりのための生演奏。

 

右手は動かないから、

左手でベッドを叩いて拍手してくれるのも、

「うまいなあ」

「綺麗な音だなあ」

と褒めてくれるのも、

本当に嬉しいものです。

 

 

 

以上、実はスキル10選は、

この「生ピアノ」のことを自慢したいだけでした。

 

ほぼ24時間の在宅介護・看護に加え、

ピアノも弾いてあげられるなんて、

私凄い!私偉い!

 

と自分を褒めたいだけでした。

 

 

 

ドーピングしながら、

今日からまた頑張ります。

 

 

 

今朝、来てたクワガタくん。

 

 

 

長々とお読みいただき、ありがとうございました。