KHK(日本経営発展研究会)のブログ
  • 15Sep
    • 【震災後の阪神間にビジネス成長と成功のヒント有り 】第29回<自分自身の強みの理解>の画像

      【震災後の阪神間にビジネス成長と成功のヒント有り 】第29回<自分自身の強みの理解>

      「他社もしくは同じ職種と比較した優位性は何ですか?」等と聞くと、たいていは自分自身のこだわりか、特に自信があることを言われることが多い。しかし、その人のこだわりやその人の商品を購入したりサービスの提供を受ける場合に、その提供側が思っているこだわりや自信のある部分ではなく、違う部分で選んだ基準を持たれている場合が多いケースをよく見かける。こんな例があった。水と食料の産地にこだわりをもって営業している飲食店があった。顧客に見えないところでも妥協せず素材の産地にはとことんこだわっていた。その店主はその素材の味と自分のこだわりが顧客に伝わり、顧客を満足させているのだと思っていたが、ある時に人に勧められてアンケートをとってみると、意外な結果が出たのだった。店主がこだわっていた水や素材の産地の事を知らない顧客が多く、味は及第点だが、店の雰囲気とお酒の種類の多さでその店を選んでいるという回答の方が多かったのだ。店主がこだわって、そこが店の売りだと思っていた部分と、お客がこの店を選んでいてくれた基準が大きく違ったのだ。店内には「地産地消」と大きく描かれているが、顧客にはあまり認識されていなかった。それよりも、店の雰囲気と仕入先に勧められて増やしていたお酒の種類が顧客に好評になっていたのだ。店主のこだわりは顧客には届かず、違う部分でお客さんを引き付けていたことに全く気付いていないのだ。このことは、自分の優位性の認識を間違っているということができ、せっかくの優位性を認識していないため、それを活かすこともできないままになってしまっていたのだ。きちんとした優位性を認識できて入れば、そこをさらに活かせばビジネスには大きなプラス要素になり易いし、逆に改善点も見えてくるからだ。顧客の視線を確認することなく、自分のこだわりを勝手に優位性と思い込んでいて、受け手側に何も響かない場合は、それは優位性ではなくなっている。にほんブログ村にほんブログ村

  • 11Sep
    • 【震災後の阪神間にビジネス成長と成功のヒント有り 】第28回<一方通行の情報取得>の画像

      【震災後の阪神間にビジネス成長と成功のヒント有り 】第28回<一方通行の情報取得>

      周囲から見てもブレていないようにも見えるし、自身のコンテンツをとことん愛していても、なかなか成果が出ない人もたくさん見かける。そういった人たちは、スペシャリストになる過程の状態の場合で、その過程を経てスペシャリストへ成長する場合もあるが、そうではなく情報の一方通行による偏った知識になっていることが成長に悪影響を及ぼしていることが多い。情報の一方通行とはどういうことか?情報や知識を得る時に一方向からしか得ず、その情報を発信する際も自身の得た情報しか正しいものはなく、それ以外は否定をし、決して聞く耳を持たない姿勢だ。この姿勢は特に美容・健康等のコンテンツを扱う人に特に良く見かけられる。自身の支持している会社や指導者の発信した情報やマニュアルを、そのコンテンツの事に関して勉強もせず、「本当に教えられていることが正しいのか」という理論も理解しないままで、与えられた情報を鵜呑みにしている場合もたくさん見かける。そういった人は大抵、自分が得た情報を何の疑いもなく全面的に信じ込み、その情報を検証もせず押し付けるように発信している。そうして一方的に正しいと思い込んで発信しているが、そのことを否定されたり、疑問を投げかけられてもその疑問にはきちんとした根拠を自身で確認しないまま、又聞きの知識で押し切ろうとし、否定的な疑問には聞く耳を持たないことが多い。この姿勢はブレていないと言えばブレてはいないかもしれないが、知識の偏りを生み、訂正が必要な情報や知識が訂正されないまま情報を押し付けているので、学ぶ姿勢はないと言え、スペシャリストとは程遠い存在になってしまうことが多い。特に美容や健康関係の分野では、一部の人に効果のあることがその一部の結果をもって「万能である」と理論や効果の根拠等を知らないままであっても、さも理解している様に発信していたり、効果に個人差があるにも拘わらず、他を否定し万能のように思ってしまって、そのように人に伝えている場合が特に成長していない人に見かけられる。自分のコンテンツを時には客観的に見ることができる姿勢や、その良さをきちんと説明できるほどの理論や根拠を調べたり、学ばないままで突っ走っているような姿勢では、やはりスペシャリストとは程遠い狭い範囲でしか仕事には結び付かないのだ。自分の商品やサービスなどのコンテンツを時には客観的に見れていて、様々なことを学ばなければ、あらゆる疑問にも対応できないし、それができなければ本当に自身の言っていることが正しいかもわからないのに、人にその知識を押し付けているのだ。情報は一方向からのみ得るのではなく、同業他社の正しい情報や知識を得ることは、他の商品やサービスとの差別化をきちんと伝えることが可能になり、自身のコンテンツの改善点を知ることでバージョンアップも可能であり、他社との優位性もきちんと伝えることが可能になる。情報が一方通行の状態での優位性を言っている場合は、根拠のないただの悪口にしかなっていない場合が多く、徹底的に他を否定する姿勢は好印象も持たれないので失敗に繋がりやすい。根拠のある優位性を知り、その優位性に更に磨きを掛けることができればスペシャリストに近づけるが、しかし本当の優位性を自身が理解しているか、そうでないかは成功と失敗の大きな分岐点にもなる。では、優位性の理解とは何なのか?にほんブログ村にほんブログ村「第29回<自分自身の強みの理解>」に続く・・・

  • 09Sep
    • 【震災後の阪神間にビジネス成長と成功のヒント有り 】第27回<即断即決>の画像

      【震災後の阪神間にビジネス成長と成功のヒント有り 】第27回<即断即決>

      「即断即決」ビジネスの場でこのことを実践している人は意外と少ない。様々な場面でビジネスをしていると、提案をされたり何かを勧められたりすることがあるが、即断即決する人の特徴は「気になるならやってみよう」という人が多い。では前項で述べたような「色んなことに飛びつく人」とはどう違うのか?即断即決をする人は、すると決めたからにはとことんそのことをやり切るのだ。なんでも飛びつく人はだいたい成果が思うように出なかったらすぐに気持ちが変わって辞めたり、中途半端な行動しかしない人で、そういう姿勢ではもちろん成果も出にくい。何をするにも大抵のことは本気で取り組まねば成果は出にくいのだが、ちょこっと活動しただけで成果が出なければ熱が冷め、「これはダメだった」となり、いつの間にかやめているケースがある。こういった人は気が多く目移りがしやすく、ブレまくっている。決断は早そうに見えて、実は本気で決断して「即断即決」しているわけではなく、移り気なだけなのである。即断即決、それはある意味で断る場合でも同じであり、「関わらないならとことん関わらない」と姿勢がはっきりしていることであり、ブレていないことである。色んな場面で「どうしようかな?」と迷い、なかなか決められない人は、もし行動するにしてもとことん向き合うという姿勢ではなく、少ない労力で利益を得ようとする姿勢のためか動きが悪くなり、もちろん結果も出ないため、すぐに移り気なところも見抜かれ、周囲からも信頼されにくいタイプが多い。人は、決めたからにはとことんやり抜く姿勢等を見て、その人を評価し信頼に値すると感じ、仕事を頼んだり、紹介したくなるのである。そして、そういったタイプの人はリーダーになるようなタイプが多い様にも思え、人や情報が集まりやすくなっている。何かをするにしても、人に勧められ、「どうしようかな?」と言いながらすぐに決断ができない人は、たいてい優柔不断な人の場合が多く、「ここで一歩を踏み出さねばならない」という時に躊躇してしまい、人が歩いた後しか歩けていないため、一番おいしい部分を逃して二番煎じの立場になっていることが多い。そういった人は「勧められたから」という姿勢もそうだが、自ら先頭に立って引っ張るような人にこのタイプは少なく、結果としてブレまくり、本人の成果を出しにくくしていることが多いのだ。慎重なタイプの人であっても、勧められても迷わずにしないと即座に決めるのも即断即決であり、それもブレない姿勢に繋がっているため、そういった人は失敗も少ない。「即断即決」これはすぐに意思を決めて、決めたならブレずにとことん実行する姿勢の人であり、こう言った人の方が移り気な人やブレる人よりも成果を出している人が多い。こう言った人はあまり考えずに行動しているわけではなく、冷静に自分と周辺環境が分析できているから決断できるのであり、冷静な状況判断ができているので、指示や行動が的確である。逆に移り気が多かったり、指示に迷うがあったりする経営者の指示は、朝に言っていた指示が夕方に変わるという意味の「朝令暮改」の傾向が多く、その部下たちはそういった経営者の資質を見抜いていたりして、「また新しいこと始めたけど、すぐ飽きるだろう」と思わせることが多く、部下も本気でその指示に取り組まないことが更に成果を出せないという悪循環になる。しかし、ブレない姿勢の経営者の支持は、従わねばならないという意識が浸透しやすく、経営者自ら先頭に立つ姿勢を日頃から見ているので、自然と成果が出やすい環境になる。決めたからには本気で取り組む。この姿勢は、お客にも部下にもともに伝えねばいい影響は与えないし、思うような成果への近道になるはずだ。「即断即決」それは、早く決めるだけでなく、冷静な状況判断と先読みができていることと、決めたからには本気で取り組むことである。しかし、ブレない姿勢で本気で取り組んでいるが、成果が出ていない人も良く見かけるが、その特徴は、自分のコンテンツを間違った方向で愛しすぎている人に失敗している人が多い。それでは間違った方向でのブレない姿勢と、その愛し方とは何か?次の記事で解説していく。にほんブログ村にほんブログ村「第28回<一方通行の情報取得>」に続く・・・

  • 05Sep
    • 【震災後の阪神間にビジネス成長と成功のヒント有り 】第26回<ブレている姿勢>の画像

      【震災後の阪神間にビジネス成長と成功のヒント有り 】第26回<ブレている姿勢>

      「ブレている姿勢の人」とはどういう人か?よくあるパターンとして、会うたびに違うビジネスの提案や違う商品などを提案してくる人に出会ったことは無いだろうか?自分自身のオリジナルのコンテンツを持ってはおらず、常に何かの代理店的な立場のようなことばかりをしているか、オリジナルのコンテンツを持っているにも関わらず、他の新しいビジネスなどにすぐ飛びついたり、複数の関連性のない仕事などに飛びつくような人もこのようなタイプと言える。こういった人の特徴として、いろんなお金儲けには興味があり、自分の仕事の質よりもお金儲けを優先しようとする考え方が勝っている人にこの傾向が強い。儲かりそうな話を聞くと自分の本業とは縁もないのに飛びついて、本業で関わっている人たちにそのビジネスや商材の提案をする人などがそうである。さらにひどいのは、様々な商品やサービスの代理店のような立場に複数なっていることなどもあり、そういった人たちは物を売りたい人の立場からすると便利なため、「ぜひ売ってください」と頼まれることが多い。しかし、あくまで売れたり利益が出たときにのみ商取引が発生するため、決して頼まれる側も販売数を約束したり、売れる前に仕入れたりしない上に、頼む側に至っては何の経費負担や営業資本を投下するわけでもなく、全くリスクが発生しないある意味フルコミッションの営業マンと同じであるため、そういった姿勢の人には、販売を依頼する話がよく舞い込む。たくさんの営業依頼が来ることを「自分は営業スキルが高いためそういった話がよく来るのだ」と勘違いしていたり、「自分は情報通だ」等と勘違いをしている人も良く見かける。しかしそれは頼む側からすると、その人なら多分簡単に引き受けてくれるだろう。もし販売出来たり紹介してくれたら「儲けもの」くらいの感覚であり、その人と本気でビジネスのパートナーとしてやっていこうと考えているわけではないことが多い。つまり利用されているだけなのだ。そういった人は会うたびに違うことを紹介したり進めてきたりする。たまにはニーズにマッチして商売が成立することもあるが、付き合い程度の取引が人間関係から来ることはあれど、それを繰り返していると周囲の人間は、その人の本業やメインのコンテンツの印象が徐々に遠ざかり、挙句に「あの人は何をしていた人だった?」となってしまう。更に本気でその紹介された商品やサービスを気に入って取引をしたいと思う場合には、その紹介者がいることが手間とコストの無駄になり、連絡事項の間違いも起こりやすく、いわゆる「邪魔」にしかならず、挙句には紹介者を飛ばして直接取引をされ、そのことに腹を立てていることも時折見かける。しかし最も残念なのは、そういったブレる人はら一貫性のない動きから、周囲から見て何をしているのかわからない人になってしまうことである。そうするとどうなるのか。たとえ本業があってもスペシャリストとは思われることは無いし、本業やメインコンテンツを周囲に認識されなくなり、本業での仕事の依頼は来なくなってしまう。何故なら、本当にその人が役に立てる場面でも、その人の印象がないため、思い出してもらえないのだ。頼むとしても「この人で大丈夫なのか?」となってしまい、本業での依頼や紹介が少なくなり、現状を打破しようとますます他のビジネスに首を突っ込む悪循環に陥ってしまう。ブレている人の最大の損失は、自分の本業やメインコンテンツを人に知られない事で、ビジネスチャンスを自ら遠ざけていることである。このブレている姿勢を「即断即決」ができていると勘違いしている人も多いが、そうではない。「曖昧」なのだ。本当の意味で即断即決ができている人に成功している人が多いが、流されている「曖昧」とは違う。では、即断即決ができる人とはどういった人なのか、その違いを次回以降で説明していく。にほんブログ村にほんブログ村「第27回<即断即決>」に続く・・・

  • 03Sep
    • 【震災後の阪神間にビジネス成長と成功のヒント有り 】第25回<ブランディングを可能にする姿勢>の画像

      【震災後の阪神間にビジネス成長と成功のヒント有り 】第25回<ブランディングを可能にする姿勢>

      仕事を依頼する時やサービスを受ける時に、通常は価格や利便性で決めていることが多いが、自分にとってこだわりのあることに対しては値段や利用のしやすさではなく、そのことに精通している専門家に頼みたいと思うことがあるはずだ。そういった専門家に依頼する場合に、価格よりも内容を重要視することが多く、そういった場合に仕事を依頼したり利用したりする先が「スペシャリスト」と呼ばれる人になることが多い。スペシャリストは自分で名乗ってそうなるものではなく、周囲が認めてこそスペシャリストになり得るのである。そう認めている人は周囲から「この仕事と言えばこの人」と言われるくらいに、自分の得意分野の事に精通しているし、いい仕事をしてくれるという印象を周囲から持たれているはずだ。そこまで周囲に思わせるブランディング構築ができていると紹介を受けやすく、顧客自ら評判を聞きつけ依頼してくるケースもある。専門的な仕事をしている人ならそういう立場になりたいと思っているはずだが、そう思われているのはごく一部だ。スペシャリストと思われるのは、仕事のスキルや実績ももちろんだが、自身の仕事に対してのブレない姿勢を貫いている人が多い。そのような姿勢が仕事に対して真摯でストイックにも見え、その仕事を愛している様にも見え、誇りをもって仕事をしている様にも見える。自身の仕事に対してブレていない人は、決して楽な方への妥協はしないし、仕事には手を抜かない。時には費用対効果が悪くとも仕事への信念を貫いて仕事をすることがあり、その背景には「お客さんが喜んでくれたら」等の顧客に対して満足してもらいたいという気持ちが優先しており、その気持ちが伝わり感動させることができている。ブレていない人ほどブランディング構築が自然と確立されているので、口コミが発生しやすく、広告や営業に対しての労力が少なくて済むことが多く、効率がよくなる。ブレていないことは、最終的にその人の会社や本人自身にとって良いブランディングに繋がることが多い。一方でブレていないというのは、柔軟性がないということと同じように勘違いをしてしまわれることが多いが、思い込みによる「石頭」などとは全く違うのである。常に上を目指し、知識や情報を吸収しようとする姿勢があるのがブレない人で、単なる「頑固」とは違うと認識する必要がある。逆にブランディングができていないと、広告にもコストと労力を注がねばならず、営業にもコスト・時間・労力等の経営資源を投下しなければならず、更にブランディングが確立されていない営業では、仕事内容での差別化が顧客には判断できず、安い方を選びたいとなれば価格競争に陥ることも多く、効率が悪くなることが多い。スペシャリストとしてのブランディングができているかそうでないかは、営業効率や利益確保に対して大きな差が発生しているのだ。しかし経営者は皆スペシャリストになりたいはずだが、本人が気が付かないだけで、「ブレている」人が多く、自らのブランディング構築ができていない人が多くいるのも事実である。ブランディングができていないと、価格競争の営業になり、そのために利益が薄く、更に利益を確保するために仕事をとろうとして更なる価格競争に陥るという悪循環に陥っているパターンをよく見かける。実際に、スキルがある程度あり、実績もそこそこあるにもかかわらず、ブレている人は自身のブランディングが全くできておらず、営業活動に苦労している人が多いし、経営的に苦戦している人が多い。では、ブレている人とはどういう人か?ブレることによってどんなデメリットがあるのかを次回以降説明していく。にほんブログ村にほんブログ村「第26回<ブレている姿勢>」に続く・・・

  • 28Aug
    • 【震災後の阪神間にビジネス成長と成功のヒント有り 】第24回<感動は余韻を生む>の画像

      【震災後の阪神間にビジネス成長と成功のヒント有り 】第24回<感動は余韻を生む>

      前回の記事では、スペシャリストと普通のプロの姿勢の違いを紹介したが、今回は顧客の立場から見た場合を紹介しよう。飲食店で食事をして、人が他人にその店のことを伝えるのは2つの事に当てはまる場合が多い。1つ目は、「不味かった」「思ったより高かった」「サービスが悪かった(店員の対応等)」「店が不衛生だった」等、その店を利用したことを後悔した場合のネガティブな情報で、ネット上などでも店の批判ほど、人は他の人に言いたがる傾向がある。2つ目は、感動した時だ。人はコストパフォーマンス通りのサービスだったと思ったときは、感動もしないし、腹も立たない。ファーストフード店で食事をした際に、この値段でこの味と店の対応はほぼ予想通りであり、ある意味は納得しているが、他人に「値段の割に美味しかった」「サービスが良かった」等と話すことはなく、翌日にはその店で食事をしたことすら忘れていることもあるはずだ。しかし、予想以上の満足を得られた場合に、人は感動する。感動は余韻を生み、人に伝えたくなる。これが口コミの原点であるが、言い換えれば顧客を感動させることができなければ、良い口コミは発生しない。実はそのことを分かっていない経営者は多い。文句が出ないのはコストパフォーマンスやある意味予想通りの内容なら及第点なので文句を言わないだけだ。感動しているわけではなく、感動を人に伝えることもできないため、口コミは広がらない。誰もが知る一流ホテルの元支配人の教えに「感動は余韻を生む」という言葉がある。感動までするサービスを受けると、人は感動した後にその余韻を生み、もう一度その場所を訪れてサービスを受けたいと思うのだ。人はその気持ちを他人に伝えたくなり、最終的にはイメージアップと口コミの広がりを生むのだ。これは決して過剰なサービスをしろと言っているわけではない。サービスのレベルを自分で勝手に「このくらいで良いだろう」等と自分目線になっていないか、お客さんがどうすれば喜ぶか感動するかを常に考えているか、さらには自分はその業界では普通レベルかスペシャリストなのかにも通ずるのだ。スペシャリストはお客様に「満足」ではない「感動」をさせようとしているのだ。お金をもらって提供する仕事で、「満足」は当たり前で、満足させなかったらある意味で普通のプロですらない。感動をさせられるから一流ホテルの地位を築くことができて、高い代金を払ってでも感動を味わいに行きたくなるのだ。高い代金なのでできるのではない。感動を与えることが出来ているから高い代金にすることが可能なのだ。代金だけが高く内容が伴っていなければ、不満や悪い評判程人は逆に話したくなり、悪い口コミが広がりやすくなる。お客さんを感動させることができているスペシャリストは自然と口コミが起こり、お客さんがお客を掘り起こすという事を勝手にしてくれたり、紹介してくれたりする。自分のお客さんが他のお客さんを連れて来ないことや、紹介をしてくれていないのは「満足」はしていても「感動」まではさせられていない基準だと思っていいだろう。そして、スペシャリストはこのことを頼むなら「是非この人に」と言われるほどその業界でのブランディングを確立するとイメージ戦略も立てやすく、スペシャリストと思われる地位になることができる。にほんブログ村にほんブログ村「第25回<ブランディングを可能にする姿勢>」に続く・・・

  • 25Aug
    • 【震災後の阪神間にビジネス成長と成功のヒント有り 】第23回<普通のプロとスペシャリストの違い>の画像

      【震災後の阪神間にビジネス成長と成功のヒント有り 】第23回<普通のプロとスペシャリストの違い>

      一般的には「プロ」と名が付けば、その世界に精通した人というイメージだが、しかしその仕事で生計を立てている人であれば一般的にはプロとされている。例えばプロ野球の世界を見ても、イチロー選手のように世界を股にかけて年防が何億ももらえるようなプロもいれば、独立リーグの様に、生活は苦しくアルバイトをしながらの選手でもプロと呼ぶ。専門のスクールで2か月ほど学び、実際にその職種で1年未満の実務経験で起業・独立できる業種も最近は増えている。そういったスクールがたくさんできているせいで、一応その作業はできるが、理論も知識も浅いままで、今以上の知識を学んだりせず、とてもその業界に精通しているとは言えない状況でも看板を掲げて営業している店がたくさんあるのが現実だ。あと、その業界で2~3年勤めてその後に独立して開業するケースもよく見かける。そのような状況で経営者となっている人は現実にかなりいるが、その業界を2~3年経験し、自分の学んだことだけで業界に精通している気分になっている人をたくさん見かける。そういった人たちに仕事を依頼すると、ちゃんとお金を払えるレベルの仕事まではこなしてくれるが、「この人にしかできない仕事だ。この人に頼んでよかった」と思わせるところまでいかないことが多い。それとこういった人たちは知識が偏っていることが多く、自分の関わっていること以外は良い部分を知りもせず否定していることが多い。しかしそういった人たちでも世間一般的にはプロと呼ばれている。そういったレベルの人たちは、よほど営業に長けているか、最初から大きなコネでもなければもちろん顧客を自分で獲得しなければならない。客の立場からすれば、この人に頼んでも他の人に頼んでも大差ないと思われてしまえば、値段競争に陥ることが多い。そして値引等のサービスによって何とか顧客を獲得しているが、この場合でもプロはプロだ。同じ仕事を頼むのでも、この仕事はこの人にしかできないから、もしくは自分の望んでいるレベルの仕事をしてもらえるのはこの人しかいない、だからあえてこの人に依頼をすると思わせてしまうスキルと実績があれば、不必要な価格競争に巻き込まれていることはなく、言い値で仕事を受けることができるのがスペシャリストである。スペシャリストには遠い場所からでもわざわざ噂や評判を聞きつけて仕事を頼む人が多く、そういった顧客に噂通りだとか、予想以上の品質やサービスを提供することによって顧客に感動を与えることができれば、価格も自分の適正価格で仕事を受けることが普通にできるのだ。普通のプロは広告と営業活動、もしくは人間関係で依頼をもらえたり、同業他社との価格競争で仕事をとれているケースに陥っていることが多々ある。普通のプロとスペシャリストの違いはどこにあるのか?と言うと、スペシャリストは仕事に妥協をしないし、業界のことをこうだと決めつけず絶えず学ぶ姿勢もしくは常に一段階上に行こうと学び研究している人が多い。全ての事柄で全てを分かりきるということはあり得ない。売り上げばかりに目を囚われ、自分の仕事のスキルを上げることに関心がない人が大体普通にプロに収まってしまっている。同業者からあの人にかなわないと思わせるほどの人は、常にその業界でのスキルで上を目指し、努力をしている人が多い。その仕事で飯を食えていることで満足するのではなく、同業者から「敵わない」と思われるほどのスキルを持つと値段競争ではなく、そのスキルに対して仕事をお願いしたいと思わせると、自然と仕事は集まってくるのだ。スペシャリストの特徴は、①同業者からも敵わないと思われ尊敬されている②日々学習や研究を怠らない③今の状況に満足せず、上を目指している④取り組む姿勢がブレない⑤顧客を感動させている等である。仕事を頼むならこの人が良いと思わせるのがスペシャリストだ。スペシャリストの経営者は成功もしくは成長している人が圧倒的に多い。にほんブログ村にほんブログ村「第24回<感動は余韻を生む>」に続く・・・

  • 22Aug
    • 【震災後の阪神間にビジネス成長と成功のヒント有り 】第22回<成功する人と失敗する人の違い>の画像

      【震災後の阪神間にビジネス成長と成功のヒント有り 】第22回<成功する人と失敗する人の違い>

      ここまでは企業としての成功例を挙げてきたが、こういった成長している企業の経営者の特徴や、異業種交流会で300名近くを管理してきたメンバーがデータ化した、成長・成功するメンバーの特徴と失敗する経営者の特徴が見事に一致するところが多い。神戸は震災を機に大きな産業構造の変化に見舞われたせいで、通常は徐々に進む産業構造の変化や、様々な業界の淘汰縮小が急速に展開したせいで、生き残って成長する経営者と、失敗する経営者の特徴がよりハッキリしていたため、そういった特徴が成功する方も失敗する方も共通する部分が多い。これは企業だけでなく士業等の専門職や個人事業主にも共通する内容であり、やはり専門職であっても受注を取らねば生き残れないし、成長もあり得ない。特に士業(弁護士・税理士・司法書士等の「士」が付く職業を総じて士業という)等は専門職のため、専門的なことはその資格のある人に頼まざるを得ないが、一般的に同じ資格を持つ人ならどの人に頼んでもそんなに大きく違わないとも思われがちな職種でもある。視覚を持っていてもよほど実績があるか、有力なコネでもない限り勝手に仕事が舞い込んでくるわけでもなく、やはり仕事において営業活動は必要であり、特に創業間もない等であればなおさらである。実は異業種交流会に最も参加している人数の割合が高いのが保険関係で、その次が実は士業なのである。士業は法律に関する仕事が多いため、基本的に誰に頼んでもある程度のラインまでの仕事はこなしてくれる。それ以上のプラスアルファが頼む人によって違うこともあるが、一部の士業以外は差別化が一般人にはわかりにくい業種である。そのため、士業は資格を取得して開業しても営業力も必要であり、成功する人とそうでない人は確かに存在し、その成否はやはり共通することが多い。個人事業主であっても会社であっても創業後成長する人と失敗する人では共通するキーワードがある。それを、次回以降の記事で項目ごとに紹介していこうと思う。にほんブログ村にほんブログ村「第23回<普通のプロとスペシャリストの違い>」に続く・・・

  • 17Aug
    • 【震災後の阪神間にビジネス成長と成功のヒント有り 】第21回<狙いは良かったが>の画像

      【震災後の阪神間にビジネス成長と成功のヒント有り 】第21回<狙いは良かったが>

      震災後に成功した例を紹介してきたが、この記事では、良いところまで行ったが、結局尻すぼみになってしまった企業の例を紹介する。阪神淡路大震災時に特に地震の被害が大きく、家屋の全壊や半壊が多かった地域でほとんど壊れなかった家があった。それはカナダ産のツーバイフォー住宅で、その噂は震災後に話題となり、輸入物のツーバイフォー住宅なら壊れないとの評判が瞬く間に広がった。ちょうど震災前から輸入住宅を売っていた業者にとっては大チャンスの到来でもあり、問い合わせやオーダーが相次いだらしい。震災直後で全壊した家の後にツーバイフォー住宅を建築しているのを、震災から半年後クライはあちこちで見かけ、事実、外国人大工が作業している姿を見かけることが多かった。実際にカナディアンツーバイフォー住宅で造られた長田区の飲食店が無事で、全滅に近かった商店街の中でほぼ無傷で早期に営業を再開したことがこの評判に拍車をかけ、立て直すならカナディアンツーバイフォー住宅でという人が増えていた時期でもあった。しかしブームになりかけていた時に、致命的な噂が立ち始める。その内容は、カナディアンツーバイフォー住宅が人気でオーダーが入り過ぎているために、最低でも半年待ちで長くて1年以上待ちという事だった。しかしこれは噂ではなく事実であった。カナディアンツーバイフォーという名の通り住宅の材料はカナダで製造されており、主な部材はカナダから船便で来るため、通常材料が届くのに半年ほどかかるのは普通であった。しかし震災で家が倒壊してすぐに家が欲しいのに半年も待たされるのであれば諦めることも多く、話をしても強気で待たせる態度に評判を徐々に落としていった。材料が早く届いてもこの住宅専用の外国人専用の外国人大工の職人が1年近くも仕事が入っている状況では、一部の工事だけしてしばらく放置という事も多く見られ、結構トラブルにも発展していた。実際に人気になりブームになりかけ、職人もたくさん来日したが1年ほどで待たされる人の不満の方がよく耳に入ってくる状況では、その後にオーダーする人は殆どいなかったらしい。実際に工事現場でも外国人大工なのでトラブルも多く、時間の概念も日本人とは違うのか納期に対してアバウトな部分もあり、納期遅れが続出したらしい。せっかく良い評判でブームになりかけたが、先の見通しの甘さと管理体制の不備から、良い評判から悪い評判に変わり、最初は需要も多かったせいか強気な営業をしていたのが仇となり、対応と後期に安定感のある国内メーカーに任せる方が安心という流れに変わってしまった。震災後の1年目は飛ぶ鳥を落とす勢いだったが、2年を超えるといつの間にか外国人大工を見かけなくなり、カナディアンツーバイフォー住宅の建築現場をめっきり見かけなくなった。チャンスを活かせず淘汰される側に回ってしまったのだろう。やはりブームは一瞬で去るもので、その時にどれだけ継続的な受注につなげる体制や評判にするかがいかに大事かを思い知らされる例であろう。にほんブログ村にほんブログ村「第22回<成功している人の特徴と失敗している人の特徴>」に続く・・・

  • 14Aug
    • 【震災後の阪神間にビジネス成長と成功のヒント有り 】第20回<工夫が生む利益>の画像

      【震災後の阪神間にビジネス成長と成功のヒント有り 】第20回<工夫が生む利益>

      事業系の引越において工程管理の無駄を省き、時間短縮による人件費の削減の実現をできたことが大きいが、それ以外にもこのF社は、引越以外の作業を同時に引き受けることで実現する工夫によって大きな利益を生むことにも成功していた。店舗を移転して明け渡す際に、テナント側が造っていた内装を全て撤去しなければならない契約のことを原状回復契約と言う。これは、工事明け渡しの際に工事業者の手配や費用もテナント側が全てしなければならない契約で、パーテーション等で小部屋を作ったりした場合もこれを全部解体し処分しなければならない。通常のパターンでは引越作業を引越業者が行い、引越が終わった後に解体業者が解体作業に入り、その解体した残存物を産業廃棄物処理業者が運び出す作業が一般的である。このパターンでは、引越・解体・残存物撤去の作業にそれぞれ1日ずつ必要で、3つの業者が3日間にわたって作業をするため、各作業ごとに作業料と人件費が発生するのが通常のケースである。しかしこの業者は、工夫によってコストを大幅にダウンさせ顧客に対しても安価でサービスを提供することができた。その工夫とは、まず引越作業と同時に解体作業を始める。引越の邪魔にならないよう配慮もしながらだが、時には先に搬出に邪魔なパーテーションを解体業者が先に撤去することで、引越作業をスムーズに進ませることも可能になる、そして荷物を積んだトラックが移転先へ向かってから本格的に解体を行い、引越業者が移転先で荷物を降ろし終わる前に解体を終えると、空になったトラックが元の場所に戻ってくるのだ。そして引越業者が廃棄物の処理を1日扱いで請け負うため産業廃棄物業者のトラック代と人件費が必要なくなる。引越代に関しては午前便は1日分だが、午後便は半日分の計算で安くなる。そのために1日扱いだと1.5人分で計算するため、この方法だとコストがかなり抑えられ、無駄が少なく移転が完了するため、お客にも安く提供可能になるし、利益を生みやすくなる。この方法では、実際に相見積になった時には、他社より安くサービスを提供できるが、決して利益を削っているわけではないため、工夫一つで利益を大幅に上げた例である。基本的に先ほど登場した引越業・解体業・産業廃棄物処理業の各職種は各々の業務にしか関心がなく、顧客の立場に立って他の業者と連携することなど考えもしないが、顧客の立場に立って全てをコントロールすると時間もコストも大幅に変わる。通常は自社の領域以外のことは無関心だが、ここに気付くか気付かないかで他社との差別化になり、独自サービスの確立に繋がることに気付いたこの会社は顧客に喜ばれ、尚且つ利益をあげた。これが独自性と工夫が生んだビジネスモデルである。既成概念に捉われないこと、他人がしていないことをできるようになれば、それは独自のオンリーワンビジネスになり、ビジネスとして成功しやすい典型だ。このスキームを立ち上げた担当者が言っていたのは、「ネット上に答えがあることは他の人もしているが、前任者や真似できる同業他社がないスキームは、最初に実践することはかなり大変で難しいが、出来てしまえば自分の経験を得ることができますし、他人には無いノウハウが手に入るから、できてしまえばおいしいのです。人のやっていないことをあえてやるから、お金になるのです。」と言っていた。実際にどの業者にとっても困難で敬遠するような案件でも、まずやってみることでノウハウと実績になり、自分にしか引き受けることができない仕事だとあえて価格競争に巻き込まれることもない。ネットに答えのないものができた時に独自のノウハウやスキームを手に入れれば、それはニッチな隙間的な仕事であっても、価格競争のない良い仕事になることが多いのだ。独自性とスペシャリストになりきることで、自然とニーズは集まってきやすくなるのだ。にほんブログ村にほんブログ村「第21回<狙いは良かったが>」に続く・・・

  • 11Aug
    • 【震災後の阪神間にビジネス成長と成功のヒント有り 】第19回<他社に無い専門性>の画像

      【震災後の阪神間にビジネス成長と成功のヒント有り 】第19回<他社に無い専門性>

      前項で紹介した引越業者とは別の業者で、独自のビジネスモデルで収益率を大幅に増加させた例があるので紹介したい。引越をしたことのある方の中には、電気・水道・ガスの移転など様々な手続きをしなければならず、「面倒くさい」と感じた経験がある方も少なくないだろう。一般家庭においてもこうしたライフラインの各種手続きなどが煩雑になることが多々あるが、会社の移転手続きともなるとその比ではない。事務所の電話・インターネット等の通信系やLANやWANに加えて社内システムを構築している事務所ならサーバーの移転やデータのバックアップ等は、かなり複雑な作業や事前の準備が必要となる。そんな大きな事務所でなくとも一般家庭に比べればする作業が多く、引越の担当者への負担が増大するため、慣れていない人間ではパニックになることも多い。工場の場合はたとえ小さな印刷工場と言えども、通常使っている100V(通常使われているコンセントの電源)ではなく、工場用の機械の多くは200Vの電源を必要とするため、200V用の電源を増設しなければならない。その手続きは電力会社に申請し、ブレーカーと電気メーターを新たに設置して初めてできるもので、時間と手間が必要となる。そのほかにも、内装の新設・撤去など多くの項目があり、担当者には複数の業者と綿密な打ち合わせをすることが求められる。会社・工場・店舗の引越は前日まで通常業務をして、引越の翌日には通常業務を再開させなければならないことが多く、荷物だけ運べばあとは時間のある時にゆっくりと片付ければいいという訳にはいかず、すぐに業務を開始できるようにしなければならない。実は事業系の業者間の連携を含めた引越は段取りをきちんとするのとしないのとでは、倍以上の時間を要してしまうことも珍しい話ではなく、そのことで苦い経験をした人もかなり多い。実際、片付けに朝方までかかったケースや、営業再開が3日ほど遅れたケースも実際にあるのだ。例えば、オフィスの引越時でOAフロア(タイルカーペットの下に電話線やLANケーブルを通す使用)の場合には、机を配置する前に配線工事をしなければ、机を置いてからでは工事ができないし、机を置いてからでなければ、電話やパソコンも設置できない。どこかの工事が引越時に遅れたりすると全てが遅れる。単純に前の作業が終了するまで待たされることも少なくなく、とにかく事務所の移転は引越業者の作業だけではなく、他の作業との兼ね合いが、要す時間の大きな要素となる。このことは個々の業者と別々に担当者が対応すると起こりやすく、電気工事・電話工事・引越屋等が、自ら連携を取ることはなく、自社の仕事のことしか頭にないため待ち時間が発生することや、二度手間が起こることが多く、実は効率が悪いことが多々発生していた。そこである引越業者は、そうした「面倒くさいこと」を一手に引き受け、全ての業者の工程を管理して段取りをすることで効率よく移転作業を行う業務を他社がどこもしていない独自のサービスとして確立し、引越時の無駄な時間と手間を省くことで作業員の時間が最小限になり、大幅なコストダウンを可能にしたのだ。そこには独自ノウハウを確立した強みがあり、業界でも評判になった。このサービスの担当者が顧客に見積に行くときに必ず最初に聞くのが「事業系の引越には2つのパターンがあります。コスト重視ですか?それとも確実な営業再開に向けた工程重視ですか?」というものだ。一般家庭ならコスト重視なのかもしれないが、事業所の場合は翌日営業再開への確実な工程重視と言われると、価格競争ではなくサービス内容も含めた検討をすることになり、コストよりも確実な営業再開を目的とした工程重視のメニューでの受注率を大きく上げることに成功したのだ。引越などどこに頼んでも同じだろう。安ければ安いところで良いというのを、内容を比べさせることに成功することで不要な価格競争に巻き込まれず、オプション等での付帯価値を上げることで利益率を大きく上げることになるのだ。にほんブログ村にほんブログ村「第20回<工夫が生む利益>」に続く・・・

  • 08Aug
    • 【震災後の阪神間にビジネス成長と成功のヒント有り 】第18回<捨てればゴミ、分別すれば資源>の画像

      【震災後の阪神間にビジネス成長と成功のヒント有り 】第18回<捨てればゴミ、分別すれば資源>

      引越業者が引越時に処分品を有料で引き取ることで売り上げ増につなげていることを紹介したが、引き取った処分品のうち、未だ商品価値のある物を売ったりすることでさらに利益をあげているのは、業界では常識である。売れなかったものは再度ゴミとして処分場に持ち込むためコストが発生する上に、すぐに再販できるものの割合もそこまで高くはない。しかし、F社の友人は「生ごみ以外は全部売れるよ」と言っていたことさえある。ちょっと大げさな部分もあるが、話を聞くとあながち嘘でもなく、実はそのスキームが利益を生む最大の要因になっていることが分かった。まだ使用できて商品価値もある物なら、再販により売り上げの繋げることができるのは業界でも常識であるが、誰ば見てももう使用しないであろう物や、売れそうもない物が処分品の大半である。このF社は徹底した分別というよりも、時には分解まですることで、資源化してしまうのだ。例えば本の場合、商品価値の高い物ならネットオークションに出品する。実はこれが時にお年寄りの家や遺品整理では世間でお宝と言われる物が眠っていることも多く、高額な価格で売れることもある。それで売れない本は二束三文であるが、古本専門のリサイクルショップに売り、そこで引き取りもしてくれなかった本などは、段ボール等と一緒に「キロいくら」のレベルではあるが、紙資源として売却する。ネットオークションでは特に大きな利益を生むらしく、ブリキのミニカーが20万円やカードゲームのカードが数万円などという事もよくある。釣り竿などは壊れていても、部品を探している人たちがそこそこの高値で買うこともあるらしい。衣服の場合はネットオークションでダメなら「キロいくら」でウエス(工業用雑巾)用の材料として引き取られるし、ネットオークションに出せない大きさのものは、定期的に開催される中古品市に出品し、木製の家具などはコンテナに詰めて東南アジアの国ではコンテナ1本分が20万円程度で売れるらしい。古い電気製品などは徹底して分解して、金属とそれ以外に分けることで、金属もキロいくらで売れるのだ。徹底した分別によって、そのままだったらゴミの物を資源と呼べる状態にまですることで、売れる物に変えてしまうのだ。引き取った処分品を大きな倉庫に保管して、あえて平日の価格競争が激しい引越作業を受けずに、自社の適正価格の仕事のみ受注して、安い仕事しかない時には、あえて受注せず皆で分別作業を行うのだ。このようなスキームで自社の適正価格のみの仕事を受注して利益を確保し、処分品を徹底して分別することで、ほとんどを利益に転換してしまうのである。処分品を引き取るときに処分費を貰って、その商品を買い取るという名目で少しだけ値引きしているが、お金をもらって引き取った物を再販するのだから「2度美味しい」と言えるわけである。他社にはない特異性を持った営業方針を確立し、ブレることなく無用な価格競争に巻き込まれず利益構造を確立することができている。このスキームを実行し確立したのが実は震災後であり、この会社は独自の工夫によって、人員や拠点を増やさなくとも売り上げと利益を増やしたのだ。「第19回<他社には無い専門性>」に続く・・・

  • 04Aug
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      【震災後の阪神間にビジネス成長と成功のヒント有り 】第17回<ターゲット顧客の獲得>

      価格競争の激しい神戸の引越業界にあって、一人勝ちに近い利益をあげているF社のビジネスモデルを紹介するにあたり、このF社にメンバーの友人が営業で働いている時にその友人から聞いた言葉が、このビジネスモデルを簡単に表現しているであろう。「ウチは看板は引越業やけど、中身はリサイクル業やで」という言葉である。会社名も「F社引越センター」で、トラックにもF引越センターと大きく書いてある。実際に引越作業も行っている。しかしこのF社は価格競争にあえて挑まず、独自の集客方法で地震のターゲット層にうまくアプローチしており、欲しいターゲットを獲得できているのである。社員自ら引越業でなくリサイクル業というだけあって、この会社のターゲットは処分品のたくさん出る引越や、処分の引き取りのみといった顧客が主要ターゲットである。この会社には「F引越センター」以外にもう一つの肩書があり、「Hクリーンセンター」なるリサイクル業者としての名前で、遺品整理や処分品の引き取りを行っているのだ。会社のビルに、その名前の看板があるわけでもなく、トラックにもその名前は書いていない。インターネット上と電話帳の中でその会社名の看板が存在している。この会社名の専用電話番号をもちろん引いてはいるが、その電話はF社にかかり、対応はF社の社員が行い、見積も引き取り作業もF社のスタッフが行うのだ。このリサイクル業の会社は専用の拠点や事務所も存在せず、全てF社の社員が兼用で行っているのだ。さらに営業方法の中に、インターネットでの戦略はどこの会社も対応しているが、このF社は今の時代の盲点とも言える業務用電話帳のタウンページに力を入れているのだ。「今の時代に電話帳か?」最初この話を友人から聞いた時はこのように言ってしまったものだが、しかしこの戦略は、F社のターゲット層と見事にリンクしているのだ。処分品が多く出る客は年配層が多い、理由は遺品整理やパートナーの死去や老人ホームへの転居や、自身の子供たちとの同居など、今までの家から必要な物だけを持って移り住むケースの場合は大抵が、運ぶ荷物よりもはるかに多い処分品が発生するのだ。そういった年配層はネットやスマホを利用せず、電話帳を見て電話をかけることが多いらしいのだ。それも地元の電話帳に大きく名前が載っている業者なら安心と思い込み、そこに多く電話をかける傾向があるらしい。まさしく今の時代の盲点とも言える。タウンページに名前を載せるだけは無料であるが、大きく名前を載せるのは広告料を取られる。このF社は対応可能地域にリサイクル業の拠点を秘書代行業者等に置き、地元用の電話番号を用意して、全て転送でF社の事務所に電話がかかってくる。バーチャルな拠点は複数あるが、実際は1拠点である。さらにすごいことに年配の方々は、邪魔くさいのか相見積をほとんど取らず、相場を知らないことが多いため、価格競争に巻き込まれることなく利益の出る価格で契約をとれることが多いらしく、あえて安売りには参加せず、価格競争になった時にはあっさりと引くのだそうだ。これを聞いた時には、時代の盲点としか言いようがないと思われた。インターネットは重要な営業ツールだが、電話帳は今の時代でもターゲットによっては有効なツールになるとは、意外過ぎる戦略である。しかし、このF社の利益を生む仕組みは、この顧客獲得方法もそうであるが、引き取った処分品のリサイクルであった。「第18回<捨てればゴミ、分別すれば資源>」に続く・・・

  • 02Aug
    • 【震災後の阪神間にビジネス成長と成功のヒント有り。 】第16回<価格競争の激しい業界>の画像

      【震災後の阪神間にビジネス成長と成功のヒント有り。 】第16回<価格競争の激しい業界>

      神戸で震災後成長している企業で、次は引越業者を紹介しよう。神戸の引越業者はTVでCMを放映している大手か、地元密着型の小規模な引越屋のどちらかで、「中堅」という立場があまりない様に思われる。引越業というものは繁忙期の春休みシーズンと年末以外はあまり儲からない業界で、3連休等の1日目は仕事が集中することなどがあるが、基本的に土日祝日以外の平日にどれだけ仕事を埋められるかが勝負と言われている。そのために、特に平日の仕事に関しては業者間での競争が激しく、相見積などになると価格競争は激しさを極めている。最近ではインターネットで複数の引越業者に一斉に相見積を依頼するサービス等が出現してきており、当該サービスを申し込むと10社近い引越業者から電話がかかってきて、安売り合戦を展開することも日常茶飯事だ。こう言っては何だが、消費者の方も「どこに依頼しても荷物を運ぶだけなので・・・」という意識で、安ければ安い程良いという人も多いため、安い価格だけにこだわる消費者がインターネットの影響を受けて増えているのが現状だ。特に繁忙期以外の平日は仕事の絶対量が少ないため、トラックを使わず作業員に何もさせないくらいなら、原価近くでも良いから仕事をして作業員の人件費だけでも稼ぎたいという考え方になり、安売り合戦になる。業界的に表に出せない話として、繁忙期のピークである3月末の週末と、閑散期である1月中旬の平日とでは最大で引越料金が4~5倍程度も違うことがあるらしい。普通に考えればあり得ない価格差であるが、言い換えれば閑散期の平日価格が低すぎるのである。閑散期は全てレギュラーの作業員ばかりで、繁忙期はレギュラーの作業員が一人であとは全てアルバイトという、作業内容に大きな違いがあるにも関わらず、需要と供給の関係でこの価格差が発生しているのだ。引越をするなら閑散期の平日は安い上に作業のクオリティも高いが、その時期に引越する人が少ないためそれも致し方ない。こういった事情から、繁忙期以外は原価ギリギリで仕事をこなし、繁忙期で利益を確保するというのが引越業界の現状であり、大手以外は特にこの傾向が強い。引越代金だけで考えるとあまり儲からない、割に合わない仕事であるように思われる。しかし引越業界の利益は実は引越作業の料金ではなく、処分品や廃棄物の引き取りが利益確保に大きく貢献しているのだ。現在、家庭用のゴミで、家具やビニールに入らない物の引き取りは有料としている自治体がほとんどだ。引越時というのは処分が多数発生しやすい。引越の日まで捨てる気がなかったが、引越中に必要ないと判断して捨てることも多いし、今まで使っていた家具や家電製品を新居では新品を使うため引越時に引き取って欲しい等で、引越時に出る処分品の引き取りは当日の引越代金とは別料金の売上で、この部分が結構利益に貢献していることが多い。処分品が利益を生んでいるとはいえ、若干のプラス要素なのがげ現状で、やはり価格競争の激しい業界であることには変わりなく、平日の便などは少ない客の取り合いになっている。そんな中、神戸で営業所や拠点を増やすことなく、トラックも増車していないにも関わらず、この価格競争の激しい業界で独自のビジネスモデルを確立してそれを徹底することで地元の中では抜きんでた利益を上げているF社がある。売上高ではなく利益額が抜きんでているのだ。売上高だけならこのF社よりも高い企業が多いが、過当競争に巻き込まれ利益は少ないのである。しかしこのF社は売上高では中堅クラスなものの、処分品に関する独自のビジネスモデルで他社を圧倒する利益を上げている。「第17回<ターゲット顧客の獲得>」に続く・・・

  • 27Jul
    • 【震災後の阪神間にビジネス成長と成功のヒント有り 】第15回<銭やない、信用の方が大事や>の画像

      【震災後の阪神間にビジネス成長と成功のヒント有り 】第15回<銭やない、信用の方が大事や>

      前回の記事でM社のピンチを脱する方法を見つけたが、この方法には問題点があった。この方法では、確かに開店までに各店舗に商品を届けることは可能であるが、商品の入った段ボール1個当たりの送料が3万円以上かかってしまい、各店舗に送られる靴の量を考えると、儲けるどころか販売価格すら上回るのだ。この仕事をしてしまえば、確実にこの分は大赤字だ。ドライバーが価格のことを伝え、「おそらく儲けどころか損しますが良いですか?」と専務に問うと、「銭やない、信用の方が大事や!」と言い即断で了承した。社員やパートにも特別に現金で手当てを渡し、無理な残業を頼み作業をしてもらった。送料だけでなく、人件費も含めて大赤字な仕事になることは社員やドライバーからみても明確だった。しかし専務は「銭やない、信用の方が大事や」と何度も言いながら社員やパートの人たちに諦めさせなかった。実際に何度も番頭格が問屋への謝罪を提言した。怒られるだろうが、謝ればなんとかなる関係性でもあり、そんなに大きな取引でもないため割に合わないというのが番頭格の判断であった。しかしこの専務の決断はブレることなく、信用を守ることを選んだ。この専務の大きな声の関西弁で「銭やない、信用の方が大事や」に最後は社内が一体となって製造に取り掛かっていた。実際に後で聞いた話では、この件で余計にかかったコストは販売価格の倍以上であり、儲けどころか損していたのは確かであった。そして作業は明け方4時くらいまでかかり、ようやく商品が完成して、ドライバーも家に帰らずM社に付き合い、5時に航空便に荷物を引き渡すまで立ち会った。この時、専務はドライバーに「君の会社とは長いこと取引しとるけど、ここまでしてくれたのは君が初めてやわ。このことは忘れんから感謝するわ」と言って感謝していた。社員たちにも特別な手当てを渡しながら一人一人に頭を下げて回っていた。この会社の姿勢が社員にも浸透した日だったと言えるだろう。信用を得るのは言葉ではなく、やはり行動なのだ。誠意ある行動の積み重ねが信用に繋がるのであって、時にそれは損をしても守るべきものである。時に経営者は損するかしないかだけで判断して行動することがあり、それが時には信用を失い、次に繋がることを自ら断ち切っていることにもなりかねない。今現在このM社は自社ビルに変わり、今でも繁盛している。他にない特異性・ブレない姿勢・儲けより信用を守る信念が、この会社が震災後の大きな産業構造の変化を生き抜き、成長しているポイントであろう。ここまでは、神戸の主要産業だった靴製造業の成長企業を紹介してきたが、次回以降は違う業種を紹介していこうと思う。「第16回<価格競争の激しい業界>」に続く・・・

  • 25Jul
    • 【震災後の阪神間にビジネス成長と成功のヒント有り 】第14回<代案を探す柔軟な姿勢>の画像

      【震災後の阪神間にビジネス成長と成功のヒント有り 】第14回<代案を探す柔軟な姿勢>

      前回の記事(第13回<他には無い特異性>)でも紹介した、ブランド化により成功している靴製造のM社だが、成長したことを納得させるエピソードを紹介したい。ある日、M社を担当していた物流会社のドライバーに専務が「一番遅い時間で何時まで発送可能か?」と聞いたことがあった。ドライバー:「集荷なら21時半で、持ち込みでもセンターに22時くらいですね」専務:「その時間以降に発送する方法はないだろうか?」ドライバー:「専務どうしたんですか?店から路線便(店から他の店や仕分けセンターに送る大型トラック)が出たらもうどうしようもないですが」専務:「それが出てしまったら何か方法ないか?」ドライバー:「チャーターぐらいしかないですが、どうしたんですか?」ドライバーが理由を聞くと、ある問屋から、靴販売チェーン店の数店舗でセール用に販売する靴の注文を受けており、M社の靴は流行りの商品で目玉商品としてチラシにも載っていたのだ。その商品をM社から直接問屋の指定した靴販売チェーン店の各店舗に直接発送する段取りになっており、その発送先は北関東から東北の主要都市に散らばる各店舗であった。通常の発送締め切り時刻に間に合えば通常なら配達可能な内容であった。しかしその当日に下請けの勘違い、またはトラブルにより、革を縫い合わせた靴の最も重要な部分が、朝に納品の予定だったのが全く作業されておらず、その朝から作業を開始して夕方に納品されたのだ。そこから靴製造の残工程を終わらせるには、物流会社の発送時刻には到底間に合わないタイミングであった。納入先が関西圏の店であれば最悪翌朝にでも軽貨物便に頼むことができるが、宇都宮・郡山・盛岡等で北関東から東北の10数か所が発送先である。神戸から発送先の店に到着させるには路線便に乗せれば何とか届けることは可能だが、製品完成後にそれぞれの店にチャーターを走らせても翌日のオープンまでには間に合わない。担当ドライバーはそれまでの集荷分をいったん自分の店に持ち帰り発送した後、再度M社へ戻った。何とかできる事ならやれるところまでやってみようと思っていたからだ。しかし発送締め切り時刻まで30分もない状況だ。靴はまだまだ完成しそうにもなく、21時半を過ぎていたがほとんどの社員やパートも残業して必死の形相で作業をしていた。番頭格の社員が「もう専務無理です、問屋に謝りましょう」と何度も提言をするが、専務自ら作業をしながら、「あかん、何が何でもやるんや」と手を止めない。この状況と専務の熱意に担当ドライバーも再度会社へ連絡を取り何とかできることがないか問い合わせた。物流会社の上司も、最初は路線の発送締め切りを過ぎたら無理だという姿勢だったが、ドライバーの熱意に根負けするかのように本社へ何度も問い合わせをしてくれた。そして担当ドライバーの携帯電話に上司から電話が入り、なんとかできる方法が見つかり、製造時間も十分稼げるというのだ。ドライバーはそのことを専務に伝えた。その内容は、物流会社の系列会社である航空貨物会社のある伊丹空港に朝の6時までに商品を持ち込み、発送先の最寄り空港まで飛行機で運び、その空港から軽貨物便をチャーターで走らせると、1台1件のところもあるが1台で2~3件配達できる箇所もあり、各店舗のオープン時間に間に合うという方法で、それまでの製造時間も十分稼げるのだ。杓子定規にマニュアル通りに動き、断ることは簡単にできた。しかしドライバーとドライバーの上司が代案を探す姿勢がこのM社のピンチを救うことになった。このような場合、M社の専務も問屋に事情を話し許してもらう選択肢もあったであろうし、物流会社も業務終了を理由に断ることもできたが、諦めず代案を探すことで、このピンチを脱する方法を探し出したのだ。「第15回<銭やない、信用の方が大事や>」に続く・・・

  • 21Jul
    • 【震災後の阪神間にビジネス成長と成功のヒント有り 】第13回<他には無い特異性>の画像

      【震災後の阪神間にビジネス成長と成功のヒント有り 】第13回<他には無い特異性>

      成長している会社の例として、今度は同じく靴製造業のM社の例を紹介しよう。このM社に関しては、特に震災後に急成長したとも言える会社で、震災を機に会社の方針を大きく転換したことが成長につながった典型的な例である。この会社は震災を機に実質の経営権を社長から息子の専務に代わり、完全に営業方針の策定を専務に一任して、従来のスタイルから180度違うと言ってしまっても差し支えないほどの方向転換を行った。それまでのM社は、「第11回<そんな中でも成長している企業>」の項でも紹介したような、ほとんどが3,980円か2,980円のサンキュッパやニッキュッパと長田で呼ばれているお買い得な中高年の婦人向けの靴を中心に作っていた。それは震災後に大苦戦をする典型的なパターンでもあった。工場も被災し、プレハブで操業を再開するときに、実質の経営を息子の専務に一任し、経営に関する口出しを一切せず、専務の経営方針に委ねたのである。その専務は従来の無難な靴を作る路線をキッパリと止めて、完全にファッショナブルな路線に変えた。これは簡単そうに見えて実は大変なことで、今までの問屋や販売先のルートもガラリと変わってしまう上に製造過程も大幅に変わり、既存の工員たちに対しても変化に対応させねばならない。しかしM社はこれらのリスクを恐れず決断し、社長は専務の方針に一切口出しせず、従来とは真逆の路線を進むことになる。ちょうど当時、歌手の安室奈美恵のファッションを真似る「アムラー」という言葉が流行語になり、厚底のロングブーツが10代の女の子を中心にブームになった。「10代に流行」というのは、最近であればきゃりーぱみゅぱみゅや渋谷の109に代表されるように、一部のファッションにこだわっている人がメインの層であり、大多数ではない。実はファッション業界においてファッションリーダーの趣向というものは言わば曲者で、似たような物を作ればコンスタントに売れるというわけではなく、ちょっとのデザインの違いで「可愛くない」等と言われ敬遠されたり、流行に乗って作ったら流行が既に終わっていたなど、ある意味ギャンブルの要素を秘めているのである。今まで作っていた無難な靴は、デザインのちょっとした違いより、価格や使いやすさなどのコストパフォーマンスが重要視される。しかし若者向けの流行しているものは当たれば大きいが、外れることも多い。そのためメーカーとしては手を出しにくい。アムラーのようなファッションリーダー的な女の子はたくさんいるわけではなく、一部のファッションに敏感な子だけに需要があり、そんなに大量に売れないため、その方面には手を出さないというメーカーが多かった。このような先端ファッション的なデザインの靴はそんなに売れないかもしれないが、大量に出回る物でもないため、価格は高水準であった。以前作っていた無難なお買い得感のある靴は、価格が勝負な要素が大きく、1足当たりの粗利は低かったのに比べ、ファッショナブルな靴はそのデザインと先端性から価格勝負する必要がなくなり、高値で売れるのだ。1足当たりの粗利は無難な靴の何倍にもなり、たくさんの人に売れなくとも、ファッションにこだわる人が高値でも買ってくれると、営業効率は遥かに高いのだ。そういった売れ筋商品のメーカーになると、そんなに価格のみで勝負することが無くなり、業績を押し上げていた。M社のデザインは他ではやっていないような、言わば40人のクラスで1人くらいいるような、ファッションにこだわる人向けのようなものだ。しかし、クラスの40人中20人くらいが履きそうな靴を作っていた会社が海外と競争になって敗れ、40人中1人しか履かないような他では無い特異性のあるものを持つメーカーが逆に生き残っているのだ。あまり人の手を出さないところを極める事で、競争相手が少ないニッチな市場でのトップシェアを占めることが可能になり、価格競争に巻き込まれず、需要に対応することができる上に、厳しい市場の中でも成長を遂げることができているというのが重要な点である。「第14回<代案を探す柔軟な姿勢>」に続く・・・

  • 17Jul
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      【震災後の阪神間にビジネス成長と成功のヒント有り 】第12回<確かなブランド力を維持するため>

      震災後の神戸市長田地区の激しい淘汰縮小の中で、成長を遂げていた婦人靴メーカーがあるのも事実である。特徴としては、確かなブランド力を有しているメーカーがきちんと生き残り、成長しているという事が挙げられる。ブランド力があれば、そりゃそうだろブランド力を拠り所として高く売れるのだからと思われるのかもしれないが、しかしそれには他社以外の努力や体制が必要なのである。その一例として、K社の例を紹介しよう。K社は有名百貨店などで売られている有名な高級ブランド靴の下請けとして、靴をデザインから製作して提供しているメーカーである。高級靴ブランドと取引があるならそれは楽だろうと思われるかもしれないが、実はそうではない。一流ブランドが故に他社以上の努力と体制の維持が必要で、物流の担当者が定期集荷に訪問した際に、「他社では、そこまではしませんよ。そんなにきっちりするんですか?」とあきれるくらいの品質管理と社内体制を徹底して構築していた。更に有名ブランドメーカーのリクエストに対応するため、常駐のデザイナーが複数いるのだ。実はデザイナーを複数雇用することは人件費にダイレクトに影響するため、他社では外注にデザインさせているケースも多かった。一流ブランドはリクエストも多く対応も大変だが、売り込みが同業他社のそれよりも多いというのも事実であり、一流ブランドの立場を守るためには常に攻め続けなければならないと言えるほど、デザインを創り続けなければならないのだ。このように、一流のブランドは並の努力では維持することはできないため、他社を上回る圧倒的な努力が必要となる。更に、有名ブランドの名を傷つけないように品質管理も徹底していた。他社ならごまかして出荷するようなレベルの傷や不具合を徹底的に排除し、レントゲンまで導入して釘が出ていないかどうかをチェックするのだ。どうしてそこまでするのかと言えば、「百個や千個も作ってたら失敗品や傷物は出てしまう。それを出荷すると私たちには百個や千個のうちの一つだが、それを買ったお客様にとっては、その一つが私たちへの100%になってしまうため、その人にとって私たちの製品が悪いものとしか思われなくなるのが怖いから」と言って、品質管理を妥協せず徹底するのだ。確かなブランド力には確かな姿勢と確かな品質があるという事でもある。そういった姿勢の積み重ねが確かなクオリティーになって伝わることで人気商品になり、お客も付くため成長して成功するのだ。このメーカーに「まぁいいか」の発想はない。品質に少しも妥協しない。終業時間もほぼ定時である。始業が1時間早いから終業も早いのが当たり前と思われがちだが、実はそうではない。1時間始業が遅い会社では不思議と定時を過ぎてもなお仕事をすることが多く、工員の動作もキビキビしていないようにも見える。実際に毎日残業の会社が多いのだ。残業して当たり前の社風になると、就業時間内に仕事を終わらせようという意識が低くなるのか、仕事の効率も悪そうに見える。こうしたことの積み重ねが生産効率を下げ、残業代の高騰によるコスト高を招くこととなる。他社より始業時間が1時間早い会社ほど、生産効率も良く時間内に終業している傾向が強い。早い始業には、意識と効率を上げる効果があるものと思われる。ブランド力とは、社員の意識や社内体制も含めて、他社と比較した一定水準以上を常に遂行することによって維持できるものであり、それが製品・ブランドの付加価値の増加にも繋がるのだ。「第13回<他にはない特異性>」に続く・・・

  • 13Jul
    • 【震災後の阪神間にビジネス成長と成功のヒント有り 】第11回<そんな中成長している会社>の画像

      【震災後の阪神間にビジネス成長と成功のヒント有り 】第11回<そんな中成長している会社>

      これまでの記事では、どちらかと言えば震災後のネガティブな情報が多かったかと思うが、こうした情報について述べてきたのは、失敗例から学んでほしいという思いからである。これまでも述べたように、震災後に急激な淘汰縮小の波が神戸に押し寄せたが、そうした厳しい状況でも成長している企業があったことも事実である。そういった企業には共通するポイントがあるため、そのポイントと事例を共に紹介していきたいと思う。震災後の長田地区で淘汰されていった製造メーカーの特徴としては、無難な路線で商品を製造していたメーカーであった。「無難な路線?」やや意味が通りにくいかもしれないが、中高年の婦人用でお買い得感のある靴、業界では小売り価格になぞらえ「ニッキュッパ(小売価格が2,980円)」や「サンキュッパ(小売価格が3,980円)」と呼ばれる普段履き用の靴である。流行にも左右されず、売り上げも急激に伸びないが急激に落ち込むこともない。デザインを含め作る側も売る側もお買い得感を出すことができれば、そこそこは売上が見込める定番商品的なポジションの無難な靴のことである。なぜそうした、「無難な靴」を作っているメーカーから苦戦したのか?お買い得感のある安値の無難な靴のため、国内より仕入れの安い海外に調達が移ってしまうのは当然の流れである。借金をして無理に工場を再開したのに、無難な靴は海外製の商品との価格勝負になってしまい、必然と受注が減り廃業に追い込まれていくのだ。そんな中で成長しているメーカーがあるのも事実で、そういったメーカーには、確かなブランド力を持っていたことや、他社と違うことをしているといった特徴があった。元々確かなブランド力があるなら必然的に成長するのではないかと思うかもしれないが、それだけでは生き残れない上に成長も難しい。確かなブランド力を維持するには、それ相応の努力とブランド力を維持する力が必要であり、ブランド力に頼り切ってはすぐに失速する。その部分について、次回以降詳しく述べていきたいと思う。「第12回<確かなブランド力を維持するため>」に続く・・・

  • 10Jul
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      【震災後の阪神間にビジネス成長と成功のヒント有り 】第10回<商店街にお客が戻らない理由>

      住民数は戻ったのに、商店街にあまり人が来ない理由は、大きくは2つあった。一つ目は、震災前に商店街を利用していたのは地元の住人だけではなく、その周辺以外の住人が多かった点である。それは他所の場所からわざわざ来ているのではなく、新長田駅周辺の靴製造工場や問屋などに働きに来ている人たちが多く、その仕事帰りに駅前で買い物や食事をする人たちだ。パートのおばちゃんが仕事帰りに夕飯用の食材を買い物したり、工員たちが仕事帰りに食事したり、一杯飲みに行ったりパチンコしたりなどが多かったのだ。新長田駅周辺の工場で働き、給料日に大丸へ行き服を買ったりするのが楽しみでパートなどに勤しむおばちゃんもたくさん存在し、工員の人たちが仕事帰りにパチンコに行き、勝っても負けても駅周辺の安居酒屋で阪神タイガースのナイターを見ながら反省会をしているような下町の光景が日常的に見られた。今から20年ほど前の新長田の商店街は今より道が狭かった(震災後都市計画にて道幅が広げられた)こともあるが、人がごった返し、狭い隙間を縫うように歩かなければならない状態で、下町情緒の漂う活気のある街であった。「第3回<約半分に>」の記事でも触れたが、震災前と10年後では長田地区の事業体は4,200件から2,200件と約半分の52%にまで減っているのだ。会社や商店が無くなるという事は、そこに働く人たちも仕事がなくなってしまう。そうして新長田周辺に働きに来ていた労働人口が激減してしまうのだ。そこに住む住民数は戻っても、仕事帰りにお金を落とすアクティブな労働人口が激減したことにより、商店街にも人が来なくなってしまうのは必然と言える。2つ目は、新たに新長田周辺に来た住人は、以前からの住人がそのまま戻ってきたわけではないという点である。新長田周辺では、中心部までの交通アクセスが良く、手ごろな価格のマンションが多いという事で、働き盛りの若い夫婦などの層が多く、新たな住人のほとんどが共働きをしながら、ローンを支払いながら子育てをしている。仕事帰りに夕食の食材を買い物するために商店街で専門店を回るのではなく、スーパー等で全てを賄うので、地元に住んでいながら商店街で買い物をすることはほとんどなく、新たに引っ越してきた住人はスーパーは利用したとしても、地元商店街の利用率が極端に低いという現状があった。そういった若い夫婦や家族は、休日ともなると大きなショッピングモールに出かけて買い物し、その帰りに地元ではない場所で外食して帰るため、地元のスーパーは利用しても商店や飲食店を利用するケースが少ないのだ。現代的なライフスタイルの家族層が大半を占めており、かつての地元住民と商店街に見られた顔なじみと言うような関係性は希薄になっていった。さらに人の少なくなった商店街は寂しくも見え、ただでさえ人がいないため余計に人が集まることがないという、さらなる悪循環に陥っていた。この二つの大きな要因で地元の商店街に人が戻ってこないという事に繋がっていったのだ。「第11回<そんな中成長している会社>」に続く・・・