【震災後の阪神間にビジネス成長と成功のヒント有り 】第29回<自分自身の強みの理解>
「他社もしくは同じ職種と比較した優位性は何ですか?」等と聞くと、たいていは自分自身のこだわりか、特に自信があることを言われることが多い。しかし、その人のこだわりやその人の商品を購入したりサービスの提供を受ける場合に、その提供側が思っているこだわりや自信のある部分ではなく、違う部分で選んだ基準を持たれている場合が多いケースをよく見かける。こんな例があった。水と食料の産地にこだわりをもって営業している飲食店があった。顧客に見えないところでも妥協せず素材の産地にはとことんこだわっていた。その店主はその素材の味と自分のこだわりが顧客に伝わり、顧客を満足させているのだと思っていたが、ある時に人に勧められてアンケートをとってみると、意外な結果が出たのだった。店主がこだわっていた水や素材の産地の事を知らない顧客が多く、味は及第点だが、店の雰囲気とお酒の種類の多さでその店を選んでいるという回答の方が多かったのだ。店主がこだわって、そこが店の売りだと思っていた部分と、お客がこの店を選んでいてくれた基準が大きく違ったのだ。店内には「地産地消」と大きく描かれているが、顧客にはあまり認識されていなかった。それよりも、店の雰囲気と仕入先に勧められて増やしていたお酒の種類が顧客に好評になっていたのだ。店主のこだわりは顧客には届かず、違う部分でお客さんを引き付けていたことに全く気付いていないのだ。このことは、自分の優位性の認識を間違っているということができ、せっかくの優位性を認識していないため、それを活かすこともできないままになってしまっていたのだ。きちんとした優位性を認識できて入れば、そこをさらに活かせばビジネスには大きなプラス要素になり易いし、逆に改善点も見えてくるからだ。顧客の視線を確認することなく、自分のこだわりを勝手に優位性と思い込んでいて、受け手側に何も響かない場合は、それは優位性ではなくなっている。にほんブログ村にほんブログ村