【潜水艦シリーズ】日独「最終潜水艦構想」の違い | 優しい世界・還暦の逆襲

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コロワクのせいで死にかけました。生きてるうちに、言いたいことを言わせていただく!

ども~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!

いまや、自衛隊が核兵器でも毒ガスでもなんでも運ばされようとしているときに、こんな話題で恐縮ですが、最近、九州沖で旧日本海軍のイ400(伊400)潜水艦が発見されたということで、中学校時代から感じていたことをちょいと、昨日に続いて書かせていただきます。現在にもちょっとつながる問題です。

昨日の記事のように、日本軍は、潜水艦の最終兵器として、小型爆撃機3機を搭載した巨大な潜水空母「イ400」型を設計、生産したものの、戦局悪化もあって、特攻隊の発進母艦になってしまったと。→  【軍事豆知識です】日本の秘密兵器・潜水空母「イ400」って…。

 
↑ ご覧のように、巨大なんですが、お気づきでしょうか、伊400の一個上は、日本軍の標準的な潜水艦なんですが、すでに飛行機を一機搭載してるんですよ。

これは、以前の記事→ 【教訓忘れたか!】後方支援(兵站)こそが戦争なのよ!  でもご説明したんですが、日本は潜水艦を艦隊決戦の露払いとして考えていたので、敵艦隊を見つけるための偵察機を積む仕様だったんですよ。

ちなみに、伊400は米本土にかすりもしませんでしたが、在来型の伊25潜水艦が、搭載機でオレゴン州を空襲、実はこれが第二次大戦における、唯一の枢軸国航空機による米本土の空襲でした(山火事を起こしただけ)。あとは、有名な日本の風船爆弾が何発か落ちただけ。ちなみに、このときのパイロットは、「勇敢だ」としてオレゴン州から表彰されたとかw。余裕ですねw。

で、わき道にそれましたが、このように、伊400って、既存のラインの拡張版なんですよ。

一方、日本の真珠湾攻撃によって、まさに集団的自衛権の発動ということでw、アメリカと戦う羽目になったナチスドイツは、それまで大西洋で潜水艦「Uボート」を大暴れさせていたんですが、米軍の航空機と艦艇によって、ほとんど壊滅状態になります。

それに対抗して開発されたのが、これ↓

 
最終潜水艦・UボートXXI(21)型ってやつ。
なかなかわかりにくいかもしれないですが、もう一度、伊400を貼ります↓

 
↑ このように、飛行機を発進させるということもあって、甲板上にはいろいろゴタゴタとありますよね。っていうか、船体と甲板がきちんと分かれてる。

対して、U XXI型は、艦全体が流線型になってますよね。
つまりこれって、水中で航行することをメインにしてるからなんですよ。

そんなん潜水艦だからあたりまえじゃん、と思われるかもしれませんが、第二次大戦までの潜水艦って、基本、水上航行をやって、ディーゼルエンジンをふかして走りながらバッテリーに充電する→いざとなったら、潜行してワンポイントでバッテリー駆動で走行。

という、「潜水艦」というよりは「可潜艦」と言うのが正しい代物だった。
ドイツのほうは、その従来型の潜水艦のパラダイムを一段階進化させようという発想なんですよ。

もちろん、艦形だけじゃなくて、大容量蓄電池、水中でも酸素供給できるシュノーケルはもとより、潜望鏡を水上に出さなくても敵艦の位置を探る、超音波レーダーとか、高性能の聴音マイクとか、もうハイテク装備のかたまりみたいなやつだったという…。

さすがに原子力機関は搭載してないですけど、戦後の各国の潜水艦は、みんなこのXXI型を手本にしてるんですよ。

ドイツは、第一次大戦で負けて、数百万はいたであろう陸軍を10万人に制限され、海軍、空軍は全面禁止になったという経緯があったんで、日本以上に技術開発に必死だったという背景があります。だから、ジェットもロケットも戦前から研究してた。

日本の場合、明治以来連戦戦勝で、さらに中国との泥沼戦争をやってるうちに、なんとなく対米戦に突入してしまったからなのか、ドイツのように、根本的に潜水艦のコンセプトを革新するという路線じゃなくて、従来の延長線上だったというのがね、まあなんというか…。ははは。

ちなみに、ドイツは、弾道兵器の元祖・V2ロケットを小型化して潜水艦から発射する研究もやってました。もしドイツが核兵器も完成させてたら…。

って、ドイツすげー話になっちゃいましたがw、従来路線の延長延長って、たとえばパ●ソニックあたりにそのDNAが残ってるような('-^*)/