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化粧品犬が化粧品開発を模索するブログ

大手会社の開発に勤務していましたが、好きな化粧品を好きなだけ追求するため円満退職。
ノラ犬となった化粧品犬が、面白いと思った情報を発信していくブログです。
化粧品コンサルタントとして仕事も受けています。
パームアミノ・ラボ合同会社 imori@palmamino-labo.jp

化粧品犬です。

 

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長らく放置してしまってすみません。

 

知り合いにも、コロナにかかっているのか?と心配されていました(^_^;)

そんなことはありません!

花粉症で苦しいですが元気です。

 

実は自分の会社を維持しながら、とある会社に就職を誘われていたんですが、それこそコロナのために延期になってしまいました。残念。

 

また、4月の海外の展示会用に、日焼け止めのサンプル試作依頼があったのですが、これもその展示会がコロナのために延期。良いデータも取れていたのに、本当に残念。

 

国内の化粧品会社さんも、在宅勤務が多く、出社していないので面会もできないとのことで。

化粧品業界は、「次のもの」を開発すると言う点では、結構ピンチです。

 

しかし時期的には、そろそろ今年の日焼け止めのシーズンですよね。

これはドンドンと、解析していきたい。

そんなわけで、ぼちぼち再起動していきます。

 

とりあえずリハビリがてら、放り出してあったシュレームアミノシュープリームの解析にけりをつけていきます。

 

関連エントリー

2020.2.7コーセー ジュレームアミノシュプリーム(サテンスリーク)の解析1 概要編を追加

2020.4.5コーセー ジュレームアミノシュプリーム(サテンスリーク)の解析2 シャンプー解析編 を追加

2020.4.17コーセー ジュレームアミノシュプリーム(サテンスリーク)の解析3 トリートメント解析編 を追加

 

 

つもの様に、裏面の処方を整理します。

今回取りあげるジュレームアミノシュプリーム(サテンスリーク)(2019)の他に、同じジュレームアミノの前製品で、同じようにココイルグルタミン酸を洗浄成分の主剤とした製品である、ジュレーム アミノ ダメージリペア シャンプー ディープモイスト(2018)をを取りあげ、この裏面表示も整理し、並べててみます。

ジュレーム アミノ ダメージリペア シャンプー ディープモイスト(2018)は2018年に発売された製品で、直近のジュレームアミノというと、これになります。

関連エントリー

コーセージュレームアミノ ダメージリペア ディープモイスト(2018)の解析1 製品概要編2018.1.17追加

コーセージュレームアミノ ダメージリペア ディープモイスト(2018)の解析2 シャンプー解析編2018.1.20追加

コーセージュレームアミノ ダメージリペア ディープモイスト(2018)の解析3 トリートメント解析編2018.1.23追加

 

 

 

この比較で、が、この比較で、直近の2年近いコーセーさんのの技術の研鑽を確認する事ができるかも?と言うわけです。

 

原料の配合順は裏面のまま変えずに、機能毎にグルーピングし、共通の成分についてはできる限り近づけて書いていますが、場合によって近くに書けない場合もあります。

 

 

 

では、上の方から見て行きましょう。

 

まず、洗浄剤のパートから。

多い方から5成分(ココイルグルタミン酸TEA、オレフィン(C14-16)スルホン酸Na、コカミドプロピルベタイン、PPG-2コカミド、ココアンホ酢酸Na)までは、2018年の製品と変わっていません

これは、アミノ酸系のココイルグルタミン酸TEAに、石油由来ですが泡立ちのとても良いオレフィン(C14-16)スルホン酸Naを組み合わせ、価格の安い両性洗浄剤(コカミドプロピルベタイン、ココアンホ酢酸N)を加えるという組成です。

まあ、アミノ酸系シャンプでは、定番と言える組み合わせなのです。

PPG-2コカミドが、この中では比較的最近使われ始めた増粘剤になりますね。こいつは比較的泡立つので、洗浄剤に分類しました。

 

この鉄板とも言える定番組成に、今回あえて付け加えられたのがココイルグリシンKと、ラウロイルメチルアラニンTEAの2種類のアミノ酸系洗浄材です。

両者とも泡立ちが比較的良いので、増泡効果の目的で配合されているのでしょう。

このうち、ココイルグリシンKは、水道水中のカルシウムイオンと反応して、サラサラの粉になる性質があり、これを利用して洗顔料などに使われることが多い原料です。洗い上がり後にさっぱり感を与えると言うわけです。逆に、シャンプーに使われるのは結構珍しいです。

ただ、このシャンプーの良いところは、長期使っても、比較的髪が重くなりにくい点です。これは、このココイルグリシンKのさらさら感付与効果が、アミノ酸系シャンプー独特の、髪に何かが溜まってくる感じを打ち消しているのではないかと思います。

 

次はコンディショニング剤、オイル類のパート。

2018年版では、高価なスクワランオイルと2種類のコンディショニング剤(ポリクオタニウム)が配合されていたのですが、ポ ポリクオタニウム-10という、最も汎用的で低価格な成分に統合されてしまっています。ポリクオタニウム-10は、同一成分名でも結構性能が違うので、良い性能のものが見つかったと言う可能性もあるんですが、、、まぁ、普通に考えたらコストダウンされたですかね(^_^;)

 

次は防腐剤。

2018年版と全く変わっていません。この3種の防腐剤はシャンプーでは一般的なものなので、変える必要はないと言えばないのですが

今回の製品は、2年近くかけているんですから、メチルパラベンぐらいは削減してほしいもんですね。

 

最後は保湿剤のパート。

2018年の製品と較べアミノ酸の配合量が一気に減っています

2018年品はどうやら、味の素から販売されている十数種の化粧品用アミノ酸ミックスをベースに、味の素では扱っていない5種のアミノ酸(アセチルグルタミン、アセチルグルタミン酸、アセチルヒドロキシプロリン、シトルリン、グリシルグリシン)を加えて構成していたようですね。

 

今回の製品では、味の素のアミノ酸ミックスをやめて(^_^;)、アスパラギン酸だけ残し、新規にエクトインと言うアミノ棧を追加しています。

 

エクトインとはアミノ酸の一種なんですが、ある種のバクテリアが極限環境下に生息する際に、蓄えている成分とのことす。タンパク質になって身体の一部になるここはないようで、細胞膜周辺に存在し、保湿剤としてはたらいている。らしいです。欧米ではそれなりに使用実績があるようです。

 

アミノ酸以外の成分としては、まずグリコシルトレハロース。これは、スキンケアで使われることが多い成分です。保湿剤として使われるトレハロースの保湿性をさらに高めたような成分です。下のほうに出てくる加水分解水添デンプンは、これの複製生物です。

他にも糖系の保湿剤として、マルチトールや、グリセリルグリコシドか配合されています。

また、あまり好きでない保湿成分なのですが、腐植土抽出物(フルボ酸)も相変わらず使用されています。一応保湿剤として分類しましたが、効果は「オカルト」的なもので、よくわかんない効果だと思ってください。この成分は将来的には、水素水のように規制されるのではないか?と思っています(^_^;)

 

これでお終いです。

 

 

エクトインに効果があるのかはわかりませんが、アミノ酸類って大体価格が1万円/kg以上なんですよ。

なので、アミノ酸とは、価格の安いヘアケアには少量しか配合出来ない原料なんですよ。

特別に髪に吸着されやすい塩基性アミノ酸以外は、ヘアケアに効果が出るほど配合されているとは思えない。

そう考えると、塩基性アミノ酸でないエクトインは、効果があっても、それが発揮出来る程配合されているとも思えないですし。

 

2年近く空いた後の新製品なんですが、なんかこう、もう一つ新技術が欲しかったところですね。

価格がかなり上がっているのが痛い。

 

 

各成分の概要については、この後にコメントを書いておきます。

 

 

リハビリとは言え、何かスゴく時間がかかってしまった(^_^)

ジュレームシュープリームはあと、1回お付き合いください。

 

それから、_今年の日焼け止めの解析を始めます。

 

 

 

 

 

 

各成分の概要

 

洗浄剤

・ココイルグルタミン酸TEA:ココイルグルタミン酸TEAというアミノ酸系洗浄剤は、数あるアミノ酸系洗浄剤の中でも最初期に発明されたのもなのですが(40年以上前に発明された)、コンディショニング剤を髪に引きつける力は全アミノ酸系洗浄剤の中でも、最も強いです。とりあえずこれを配合しておけば、コンディショニング剤の働きがぐっと良くなって、すすぎが滑らかになり乾燥後もしっとりになるという成分です。

ただし、泡立ちは今一つで、油に合うと泡立ちがさらに落ちると言う特徴があります。あと値段が高い原料です(^_^;)

アミノ酸系洗浄剤というのは今ではたくさん有り、中には泡立ちが良いものもあるのですが、アミノ酸系洗浄剤というとなんとなく「しっとりして泡立ちが悪い」というイメージがあるのは、このココイルグルタミン酸が長い間、アミノ酸系の王道として君臨したからです。

・オレフィン(C14-16)スルホン酸Na:泡立ちが良い洗浄剤。石油由来の合成系ではあるが、使用感が良いため、ラウレス硫酸の代替として使われる事が多い。安全性は、悪くはないがラウレス硫酸並みです。

化粧品犬ブログでは以下のエントリーで詳しく扱っています。

コーセー ジュレーム アミノシャンプー モイスト&スムースの解析 前編(AOSの安全性について)

http://ameblo.jp/kesyouhinken/entry-12023051399.html

・コカミドプロピルベタイン;そこそこ安全性が高く、価格が安い両性洗浄剤。

・PPG-2コカミド:若干泡は立つのですが、主には増粘剤として働く原料です。

・ココアンホ酢酸Na:そこそこ安全性が高く、価格が安い両性洗浄剤。コカミドプロピルベタインより安全性がやや高く、泡切れも良いため、ベビーシャンプーや身体用洗浄剤に使われることが比較的多い。

・ココイルグリシンK:ココイルグリシンKは、ココイルグルタミン酸のような究極の低刺激性の素材ではないのですが、低刺激で泡立ちが良く、さっぱり感のあるアミノ酸系の洗浄剤です。

・ラウロイルメチルアラニンTEA:アミノ酸系洗浄剤の一種であるが、泡立ちが良く、肌刺激が低く、価格もそれなりに安い(両性洗浄卯剤よりは高いが)、バランスに優れた洗浄剤。名前が似ているココイルアラニンTEAとは、性能や構造は似ているが、コストや使い勝手などの点で異なる。

 

コンディショニング剤、オイル類

・ポリクオタニウム-10:もっとも良く使われているヘアシャンプー用のコンディショニング剤。別名カチオン化セルロース。コンディショニング効果のほか、線やボディソープに配合すると若干の刺激緩和効果がある。

 

防腐剤

・フェノキシエタノール:比較的低刺激な防腐剤。ナチュラル系の化粧品に使用される事も多い。

当ブログでは、安全性については以下のエントリーで詳しく書いてます。

プロピルパラベンの安全性についての文献を紹介

http://ameblo.jp/kesyouhinken/entry-12119450565.html

・メチルパラベン:比較的低刺激な防腐剤。ただし、環境ホルモンや蓄積性の点で叩かれることも多い。環境ホルモンについては多くは根拠の無い噂であるが、蓄積性についてはファンケル社が学会で報告し、報文を出している。(ただし、防腐剤の蓄積による影響は、可能性レベル)

化粧品中の防腐剤は皮膚に残り、肌にストレスを与える(IFSCC*2005 in フローレンス中間大会)

http://www.fancl.jp/laboratory/report/17.html

・安息香酸Na:広く使われている、比較的低刺激な防腐剤。食品にも使われる。

 

保湿剤、香料類等

・水:精製水のこと。化粧品では通常、イオン交換水が用いられている事が多い。

・グリセリン:多価アルコールと呼ばれる、代表的な保湿剤。:

・アスパラギン酸Na:酸性アミノ酸の一種で、グルタミン酸に似た構造をしています。エネルギー代謝に重要な役割を果たし、疲労回復や新陳代謝の促進に効果があるとされています。

・アマモエキス:水を浄化させ、花を咲かせる海藻アマモから抽出したエキス。角層の水分保持機能を向上し、肌肌のハリと透明感を保つ効果がある。

・エクトイン:ロイシンやバリンのような、環状アミノ棧の一種で、ある種のバクテリアが極限環境下に生息する際に、蓄えている。タンパク質になって身体の一部になることはなく、細胞膜周辺に存在し、保湿剤としてはたらいている。

・グリコシルトレハロース:保湿剤であるトレハロースにグルコシル化という処理をして、より保湿性を高めた成分です。使用感的にはトレハロースを更に強力にベタベタにした感じですが、高い保湿効果を持っており、少量でも効果があります。

・ハマナス花エキス: 北海道の道花として知られるハマナスの華から取ったエキス。ビタミンCやポリフェノールが豊富で、古くから生薬として利用されてきた。化粧品としての効能は、抗酸化や抗糖化で、アンチエイジング化粧品に使われる。

・マルチトール;トウモロコシや、じゃがいも、さつまいもなどを原料とした甘味料の一種で還元麦芽糖と呼ばれることもある、化粧品では保湿剤として用いられる。

・腐植土抽出物:フルボ酸のことです。フルボ酸は沼とか湿地とかの土壌を分析するために、いろいろと分離していって得られる、最後の不純物です。最後に残った不純物なので、単一の成分では無く混ざり物であり、成分も一定していません。一定してなのでなんともいえないのですが、そもそもどこの土から採取したかで、組成も変わると思われます。こんなものなのに、一定の効果が測定できるはずもなく、「何か効果があるのでは」とか願望が言われている不思議な原料です。いわば、ファンタジー原料ですね。しかし、化粧品だけで無く、怪しい食品にも使われています(^_^;)

・BG :多価アルコールとも呼ばれる、グリセリンの親戚のような保湿成分です。若干の抗菌性があります。

・EDTA-2Na:一般的なキレート剤。製品の品質変化を防ぐ。

・イソステアリン酸PEG-50水添ヒマシ油;油を可溶化する効果が、特に強い乳化剤。コーセーでは一部のジュレームシリーズの他、オレオドールに使用されている。

・エタノール:エタノールです。過去には変性剤を加えた変性アルコールが使われていましたが(変性すると酒税が回避されて安くなった)、税制が変更されて変性アルコールが値上がりしたため、現在は変性アルコールは使われず、ただのエタノールを使うのが主流になっています。

・クエン酸:pH調整剤

・グリセリルグルコシド:酒造会社の白鹿が発見した日本酒由来の保湿剤で実際には酵素法で生産されています。機能としては美白効果やターンオーバー促進などの、アンチエイジングですね。

・加水分解水添デンプン:グリコシルトレハロースの副生成物で、必ず揃って表示されることになってます。

 

 

 

こんな感じになりました。

粧化品犬です。

 

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さて今日からは、コーセーさんのジュレームアミノシュプリーム(サテンスリーク)の解析をやっていきます。

 

関連エントリー

2020.2.7コーセー ジュレームアミノシュプリーム(サテンスリーク)の解析1 概要編を追加

2020.4.5コーセー ジュレームアミノシュプリーム(サテンスリーク)の解析2 シャンプー解析編 を追加

2020.4.17コーセー ジュレームアミノシュプリーム(サテンスリーク)の解析3 トリートメント解析編 を追加

 

ジュレームアミノシュプリームは、2019/12/2に発売された、「ジュレームアミノ」シリーズの新製品です。

ジュレームには色なシリーズがあるので、「ジュレームアミノ」シリーズとしては、2018/1に発売されたジュレームアミノディープモイスト、モイスト&スムース以来の新製品になります(^_^;)

 

旧「ジュレームアミノ」関連エントリー

コーセージュレームアミノ ダメージリペア ディープモイスト(2018)の解析1 製品概要編2018.1.17追加
コーセージュレームアミノ ダメージリペア ディープモイスト(2018)の解析2 シャンプー解析編2018.1.20追加
コーセージュレームアミノ ダメージリペア ディープモイスト(2018)の解析3 トリートメント解析編2018.1.23追加
コーセージュレームアミノ ダメージリペアモイスト&スムース(2018)の解析1 シャンプー解析2018.2.1追加
コーセージュレームアミノ ダメージリペアモイスト&スムース(2018)の解析2トリートメント編2018.2.8追加

 

 

 

前回の製品が出てから、かなり間隔が空きましたね(^_^;)

この「ジュレームアミノ」シリーズはジュレーム発展の立役者的なシリーズであり、コーセーさんも放置したくはなかった、と思いますが、主成分のココイルグルタミン酸は国内の長期の供給不足のため、どうにもならなかった、と思われます。

ココイルグルタミン酸は、アミノ酸系洗浄剤の王者ともいえる、代表的なアミノ酸系洗浄剤なんですけどね(^_^;)

 

今回の新製品では、今回取りあげるジュレームアミノシュプリーム(サテンスリーク)が、ココイルグルタミン酸TEA主剤シャンプーです。

もうひとつのジュレームアミノシュプリーム(ベルベットメロウ)の方には、同じアミノ酸系洗浄剤ですがやや特徴の薄いラウロイルメチルアラニンTEAを主剤としたシャンプーになっています。

(ベルベットメロウにも、ココイルグルタミン酸TEAは少量配合されていますが主剤ではありません)

 

ラウロイルメチルアラニンTEAは、ココイルグルタミン酸TEAの代替として、最近使用例が増えているものです。

 

ともあれ、シュプリーム(サテンスリーク)は、アミノ酸系洗浄剤の王者であるココイルグルタミン酸TEAをたっぷり使用した、久しぶりの大型商品ですから(^_^;)

その出来が非常に楽しみなわけです!

コーセーさんも、ジュレーム史上最高峰なんて言っちゃってるし!

しかも、なんかとても値段が高いし(^_^;)

コーセーさんのこの2年燗の研鑽の成果(^_^)が見られるのかも?期待が抑えられません。

 

 

外観

今回はトリプルセットと言うのを買ってます。2400円。

ちょっと高いけど、シャンプートリートメントを別々に買ってもそれぐらいになってしまう(^_^;)

このセットはシャンプー+トリートメント+ヘアマスクのセットなんですが、1200円のヘアなスクがおまけについてくると考えると、かえって結構安いです。

 

 

次にジュレームアミノシュプリー全体の概要を表にしておきます。

写真では分かりにくいですが、シュープリームサテンスリークは白地にゴールド、ベルベットメロウは白地にメタリックパープルなデザインです。

 

<ジュレームアミノシュープリーム(2019)全体>

 

 

概要

力が入っている製品だけあって、ニュースリリースもきっちり出ています。

これをお押さえてていきましょう。

 

ニュースリリース

~ジュレーム史上最高峰ヘアケアライン~ 高級スキンケア発想の「ジュレーム アミノ シュープリーム」誕生

http://www.kosecosmeport.co.jp/corporate/source/191111_release.pdf

 

『ジュレーム』は、特に傷んだ髪のための「ジュレーム アミノ」(2018年1月発売)と、髪悩みに応じたケアに 特化した「ジュレーム リラックス」(2019 年 1 月発売)を展開しています。

 

実は2018/3/5にも、「ジュレーム アミノ サクラファンタジーシャンプー・トリートメント」と言う製品が出ているのですが、季節物扱いで無視されたようです(^_^;)

コーセー ジュレーム アミノ サクラファンタジーの解析1 概要&シャンプー解析編2018.4.11追加

 

 

今回追加発売する「ジュレーム ア ミノ シュープリーム」は、髪の深刻なダメージやうねりを補修し、“ブランド史上最高峰”の位置づけのうるお い・ツヤ感・指どおり・まとまりを叶える、インバスのラインです。

 

“ブランド史上最高峰”というのは値段も高いことから分かるのですが、「髪の深刻なダメージやうねりを補修」はいつものことなので、何が良いのか分かりにくいですね。

 

しっとりとなめらかな髪に仕上げる「ベルベットメロウ」と、さらさらとかろやかな髪に仕上げる「サテンスリーク」 の、髪質と好みに応じて選べる 2 タイプで、それぞれ、シャンプー・トリートメント・ヘアマスクを取り揃えていま す。どちらも、上品に華やぐローズ&ジャスミンの香りです。

『ジュレーム』に、高付加価値の「ジュレーム アミノ シュープリーム」を加えることで、上質志向でこだわりの ある新規顧客の獲得を狙います。

 

スリークというのは英語でなめらかという意味なので、「ベルベットメロウ」と「サテンスリーク」の違いが分かりにくいです。ちなみにメロウも柔らかでなめらかなと言う意味です。

 

今回ベルベットメロウのほうは、100円のサンプルしか買ってないのですが(^_^;)、一応使っています。

それで比較してみると、両者にているが、差はけっこうあります。

しっとりしてはいるが、髪の根本が立ち上がり、ややさらさらの方向に振ったのがサテンスリーク髪の根元は寝てしまうが、よりしっとりし、収まりがいいのがベルベットメロウと言う感じでした。

 

 

高い浸透性を持つ保水・補修型アミノ酸「エクト イン」を配合した、高級スキンケア発想の「アミノシュープリーム処方」を採用しました。サルフェートフリー・ 無鉱物油・無着色・弱酸性です。

 

成分についてコメントは、これだけです。短いな(^_^;)

まずエクイニンとは何かですが。

 

下記ドレスのカタログによると。

製造元はドイツのメルク社で、ヨーロッパでそれなりに使われているもののようです。

筋肉を補修すると言われているロイシンやバリンのような、環状アミノ棧の一種です。

ある種のバクテリアが極限環境下に生息する際に、蓄えている成分とのことで、タンパク質になって身体の一部になるここはないようです。細胞膜周辺に存在し、保湿剤としてはたらいている。らしいです。

同じアミノ酸類では、タンパク質にならないことをふくめ、タウリンに機能が似ています。

 

ロナケア エクトイン:保水力を高め、タンパク質を保護するアミノ酸複合体

http://matsumoto-trd.com/product/pdf/concept/e04.pdf

 

しかし、アミノ酸類はヘアケアに配合するには値段が高すぎるので、大きな効果が出るまでの濃度で配合されている、というのはのは考えにくいのです。

 

ただこれしか書いてないので、ここから先は、化粧品犬の個人的見解を書いています。

 

まずこの製品の使用感ですが。

かなり良い!のですよ。

アミノ酸系のシャンプーにありがちな、使い続けると髪が重くなってくると言う悪癖が、かなり軽減されてるんです。初期のジュレームアミノだと、たまにクレンジング性の強いシャンプーを合間に使わなければならなかったが、この製品は長期間使ってもまずまず大丈夫(個人差はありますが)。

シャンプーは典型的なアミノ酸系シャンプーの使用感。

トリートメントは油性感でちょっと引っかかりつつ、乾燥後に落ち着かせるタイプですね。

ヘアパックまで使うと、、すすぎ時の髪の滑らかさが最高になります!

ただし、ヘアパックまで使うと、長期使うとやはり髪に溜まってしまいます (^_^;)

てか、数回の使用でも、乾燥後はなんかたまる。使用している最中のみ、最高(^_^;)

惜しいのですが、乾燥後を重視するならヘアバックは使わずにトリートメントまでに留めておくべきでしょう。

 

処方の詳細は次回以降書いていきますが、正直言ってエクトイン以外、これといったものがない(^_^;)

髪に溜まらないようにする成分も、シャンプートリートメントともに、これといって見当たらないんですよ。

どちらかと言うと、ジュレームに伝統的に使っていた高価格な油のスクワランが排除されていたり、アミノ酸の種類や、コンディショニング剤の種類も減らされているし。結構、コストダウンが目立ったりします(^_^;)

 

値上げしつつコストダウン、、前回扱った花王エッセンシャルflatにも似ていますね(^_^;)

成分を見ていて、1つだけ思い当たるのが、どちらかと言うとボディーソープや洗顔料向けの洗浄剤であるココイルグリシンが少量ですが、ヘアシャンプーに使用されていることです。

ココイルグリシンは、水道中のカルシウムと出会うとサラサラの粉を析出する性能があり、これが理由でボディや洗顔向けに使われているのです。

この効果を、アミノ酸系のシャンプーの髪への蓄積を妨げる目的で使用したのかもしれません。

ココイルグリシンはアミノ酸系洗浄剤にしては比較的値段が安いので、コストアップにもならないしね(^_^;)

 

しかしこれは、処方ノウハウすぎてニュースリリースには書きにくい。ココイルグリシンは、やや古い原料なので新鮮さもない。

その結果、エクトインだけを押し出したニュースリリースになってしまったのかなと思います。

 

ただそんな先サテンスリークにも、欠点があります。

髪の根元が立って、髪表面にもコンディショニング成分が溜まりにくい、かつ使用感はさらさら寄りと言うことで、やや髪の収まりには欠けるのです。

人によっては、朝のスタイリングに時間がかかるようです。

例えばうちの娘。現役女子高生なので髪の根元が、そもそも元気です。そうすると、髪が落ち着かなくて、朝のスタイリングに時間がかかるそうです(^_^;)

長所と短所が裏表の関係ですね(^_^;)

 

次回から成分解析になります。

 

 

@cosme評価

口コミ 47件、注目人数 66人、評価点5.2点ですね。

割れがちなヘアケア評価なのですが、評価点がやけに高いです1

 

ちなみにベルベットメロウのほうはというと。

クチコミ 55件、注目人数 106人、評価点5.5点と、全てにおいてこっちの方が高い(^_^;)

こちらのアイテムをやるべきだったか(^_^;)

 

 

 

ジュレームシュープリームCM

あいかわらず嵐です。

 

ジュレーム アミノ シュープリーム TV CM『発⾒エクトイン』篇

 

 

化粧品犬です。

 

 

化粧品犬オリジナル化粧品のアミノコルベイユですが、まだまだセールをやっています。

相変わらず販売も好調です。

ご興味のある方は、よろしくお願いします。

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さて今回は、解析は一休みして、イベント及び試作ネタです。

 

1/20に化粧品開発展と言う展示会に行ってきました。

毎年開催されるもので、化粧品犬ブログでも毎回取り上げています。

 

化粧品原料だけでなく容器や生産機械、OEM委託先や、海外メーカーも含めて幅広く展示されているのが特徴です。

 

しかし幕張メッセに会場を移してから、妙に海外メーカーが多くなり、焦点が絞れなくなっているような気がします。

海外の様々なメーカーと商談するには良いのかもしれませんが。

 

 

特に今回は、前回と同じ展示が多かったような。

正直今回も、書く内容がありません。

 

毎年開催と言う点にも問題があるのかもしれません。

企業もそんなに新製品出せないし(^_^;)

 

化粧品犬としては、知り合いの石けんの先生から、「海藻を入れた石鹸を作りたい、しかもちゃんと売れるやつ」と頼まれているんですよ。

そこで、SEAMOLIENT(BASF社)という粘稠な海藻エキスで進めていたんですが、国内撤退してしまったので(^_^;)

その代替を探して展示会をうろうろしているのです。

 

なので今年も不満を感じつつも開発展に行き、大平昆布(たいへいこんぶ)さんのブースに行ってきました。

大平昆布さんは、数年前からブースを出している、主に食品素材を扱っているメーカーさんです。

大平昆布

http://www.taiheikonbu.co.jp

大平昆布さんは化粧品原料に進出しようとしており、ちょっとづつ進めているようです。

 

今回も、大平昆布さんの化粧品原料の海藻パウダーと、それを使った石けん(CPソープ)の作例を紹介します。

大平昆布さんは今回はめかぶ押しのようなので、めかぶパウダーで作ってみます。

 

 

 

大平昆布さんは、今回は健康食品寄りのコーナーに出店されてました。

 

、大平昆布さんは基本的には食品メーカーさんで化粧品原料化は、じわじわ進めておられるのですが、やっとINCI名を収得と言うところだそうで、安全性データはユーザーに任せているということで。

出来れば感作試験はやっておいて欲しい所ですが、、まあ、やむ無しです。

 

しかしよく話を聞くと、その状態でも海外で営業し、採用実績ができたとのこと。

採用例がいくつか展示してありました。これは喜ばしい。

こんな感じで実績を積んでいくんですね。

この調子で、安全性試験もぜひ充実させていってもらいたい。

 

 

では、ねかぶパウダーの使用例に移ります。

 

去年、ふのりパウダーを試した時は、粉体のまま石鹸の生地に分散させたので、若干海藻の効果が弱い感じがありました。

そこで今回は、配合量を大幅に増加させ、かつよく溶かしてから生地に配合することで、効果を高めると言う方針でやっています。

 

生地となる油には、オリーヴ油パーム油ココナッツ油と言ういつもの組み合わせ。

これに多量の水酸化Naを加え鹸化して行きます。

 

めかぶパウダーは、BGに分散させてから水を加えて加熱溶解させ、粘稠な水溶液にします。

この状態で、めかぶ/BG/水=5/5/30です。

 

 

この状態で、非常に粘度が高い

粘度の高い海藻エキスは珍しいんですよ。

そして結構、曳糸性があります。

 

 

けん化が進み、石鹸生地ができてきたら(これをトレースが出てきたら、という)、半分分けて、めかぶ溶解液を合わせて着色しておきます。

その後、未着色の部分と合わせマーブル化し、型入れします。

 

今回は処方も載せてみます。

処方はこんな感じ。

 

表中の黄色い部分の数字を使います。

その他の数字はメモです。

 

型から出すと、こんな感じになりさた。

 

 

 

 

めかぶ濃度は、石けんの約1%です。

めかぶによる「ぼんやりマーブル」な着色が、なかなか良い感じです。

よく溶かしたせいか、パウダーの粒状感は無かったです。

使って見ると、めかぶのつるつる感が結構感じられました。さすが、1%配合(^_^;)

乾燥後も、なかなかの皮膜感で高級感がありました。

 

 

久しぶりの石けん試作でした。

 

楽しかったなああ。

 

次回は、解析ネタに戻り、ジュレームシュプリームを取りあげる予定です。

書いてみたら意外に難産というか、書きにくい製品でした(^_^;)