化粧品犬です。
今年から、この詳細解析編は、手間がかかりすぎるため止めようかと思ったのですが、説明をかなりはしょって、読みやすくして続けてみることにしました。
後半の原料ごとのコメントとかも、今後は省きます。
まあ、この解析編の本体は、実はエクセルの「表」なので(^_^;)
後はだいたいにおいて、おまけみたいなモノです(^_^;)
今年は、色々試行錯誤してみます。
とはいっても、人間そんなに変わらないからなあ・・・。
さて今回は、ジュレームアミノ ダメージリペア シャンプー ディープモイスト(2018)の処方解析編になります
それでは行きます。
今回も、裏面の処方を整理します。
今回は対象品のほかに、前エントリーでも言及した、旧製品に相当する製品(ジュレームアミノ シャンプー(エクストラモイスト)(2016))の裏面も整理しました。
分かりやすいように末尾に(2016)とつけました。
原料の配合順は裏面のまま変えずに、機能毎にパート分けし、共通の成分についてはできる限り近づけて書いていますが、場合によって近くに書けない場合もあります。
九通の成分は、共通欄に○印をつけました。
こんな感じになりました。
では簡単に見て行きましょう。
まず洗浄剤のパート。
ここは新旧で、変更はありません。
アミノ酸系で、安全性が飛び抜けて高く使用感も良い、ココイルグルタミン酸TEAが一番多いですね。
ココイルグルタミン酸TEAは高いので、ジュレームアミノは、この価格帯にしてはコスト的に頑張っていると思います。
あとは完全に石油由来の洗浄剤であるオレフィン(C14-16)スルホン酸Na、そして価格が安くそこそこ安全性も確保できている両性洗浄剤のコカミドプロピルベタインが続きます。
同じ両性洗浄剤のココアンホ酢酸Naも配合されていますが、これはコカミドプロピルベタインよりやや泡立ちは良いものの、ヘアケア用としては使用感的に良くないので、補助的に配合されています。
残りの二つは泡は立つのですが機能としては増粘剤です。
次はコンディショニング剤、オイル類のパート。
オイル類は旧製品では色々は言っていたのですが、分かりやすいスクワランに絞ったようです。
コンディショニング剤としてはポリクオタニウム-10とポリクオタニウム-7の併用になっています。
一見平凡で古くさいのですが、特にポリクオタニウム-10は古いだけ合って各社から色々な製品が出ているのです。
またポリマーなので、使って見るとみな使用感が違う(^_^;)
コーセーさんは、おそらく前回のジュレームリラックス(2017)辺りで何か開眼したというか(^_^;)、良い組み合わせを見つけたんだと思います。それで、このジュレームアミノでもその組み合わせを使用しているようです。
このあたりは化粧品犬の勘なので外れているかもしれませんが、今回のジュレームアミノは、どことなくジュレームリラックス(2017)と似ているのです。
次は防腐剤。
ここも変更無し。内容も普通です。メチパラは入っていますが。
日本の処方はBGを多く配合して防腐剤の溶解性を増し、その効果を高めることで防腐剤を減らすのですが、最近BGの需要が逼迫し、その方法が通らなくなりつつあります。
この製品も、BGが少ないです。そのためメチパラが抜けないというわけです。
最後は保湿剤のパート。
全体の構成としては、水+グリセリン+エキスや保湿剤となっており、普通です。
ただし「旧製品では10種類のアミノ酸が、新製品では18種類に増えた」という宣伝の通りアミノ酸が多い。
ちなみに「旧製品では10種類のアミノ酸が、新製品では18種類に増えた」のはトリートメントであって、シャンプーは表からも分かるように、旧製品ではゼロでした(^_^;)
つまり「旧製品ではゼロ配合のアミノ酸が、新製品では18種類に大幅に増えた」と言うのが正しい(^_^;)
旧製品ではゼロだった、と言いたくないコーセーはだんまりですけどね(^_^;)
基本的に味の素が販売しているアミノ酸のミックス液に、他社のアミノ酸(誘導体)をちょい足ししているようです。
ちょい足ししているのは、アセチルグルタミン、アセチルグルタミン酸、アセチルヒドロキシプロリン、オルニチン、グリシルグリシンです。
アセチル〜は、アミノ酸の安定性を高めるために行われている化学修飾なのですが、それがオリジナルのアミノ酸と同じ働きをするかは、実はあまり研究されていません。
オルニチンは、生命のアミノ酸として紹介したアルギニンの代謝物でもあり、その効果はアルギンとほぼ同じ。但し塗ってどうか?の論文は、みたことがありません。
グリシルグリシンは「髪表面の層状構造の柔軟化剤」として花王さんが昔のアジエンスで宣伝していましたが、今は抜かれています(^_^;)
こういうアミノ酸類の研究って、アミノ酸の大メーカーである味の素がやらないと(つまり味の素のアミノ酸で無いと)、正直めぼしいモノが無いもが業界の実情なんですよね。
その他、変わったモノとしてはグリセリルグルコシドが配合されています。グリセリルグルコシドは酒造会社の白鹿が発見した日本酒由来の保湿剤で実際には酵素法で生産されています。機能としては美白効果やターンオーバー促進などの、アンチエイジングですね。
これで解析終了です。
大分はしょったけど、読みやすさと労力の案配が難しい(^_^;)