主婦、晴れときどきくもり。 -9ページ目

シカタナイ。

実家の建て替えの話は進んでいました。

兄は結婚予定の彼女と、家の間取りや設備選び等、本格的に決めていきました。

当時の実家を取り壊し、その土地に新居を建てることに。

父は、直接 兄と住宅メーカーへ行くことはありませんでしたが、提案書を手に報告する兄とよく言い合いをしていました。

水回りは。

間取りは。

設備は。


あれこれと文句ばかりだったそうです。

やはり毎回お酒を飲みながら…。

そうなると、結果は見えてくる。

けんか酒の父と、しらふの兄。


始めは小さな言葉のスレ違いから。

そして、互いに段々声が大きくなり。

そして、やっぱり大声でのけんかに…。


私が父と二人で暮らしていたときと同じ。

結局、父はいつも自分が正しいと思ってる。

私達がいくら常識的な事を言っても、
「お前らはまだ子供だからわかっていないんだ!」
いつもそう言って、聞く耳を持たない。



実家を出てから、父とまともに向き合うのは久しぶりな兄。

私が兄と久々に会った時には、兄は心労からか、かなり痩せていました。

兄は、ひどく疲れていました。


兄は、私は父にとっては娘だからやっぱりあたり方が違うという。

少しはあるかもしれない。

娘と息子が同じことを言っても、やっぱり私が言う方が角が立ちにくいのかも…。

その点は、兄もやりにくい事が多かったかもしれない。



でもね、母が出ていった後 何年後かにお兄ちゃんだって、勝手に出ていったんだよ。

父さん、やっぱり辛かったんだと思うよ。

もひとつ言うとね、私だってあのお父さんと一対一で7年程暮らしてきたんだよ。

誰も止める人がいない中、十代の私だって父さんの酒癖の悪さに1人で涙してきたんだよ。

誰も助けてくれなかった。

母さんも、お兄ちゃんも逃げ道があったけど、1人子供な私にはそんな逃げ道はなかったんだ。

酔ってどうしようもないお父さんを、真夜中に1人で迎えに行ったんだよ。

家のブレーカーが壊れて、夜に電気が全部消えてしまった時も父さん酔ってて…。
私が電力会社へ電話したり、わからないながらも父さんのフォローをしてきたんだよ。

そんな時、お兄ちゃんは何をしてた?



今更そんなことを言っても仕方ない。

お兄ちゃんはいつも言う。

わかってる。

でも、私のキモチだってわかってほしいんだ。


私は、家族の誰も恨んでない。

仕方なかった。

そう思ってる。

でも、父さん母さんお兄ちゃん、一番ちびの私を守ってもくれなかった当事者が言うな。


今の私があるのは、こんな子供の頃を過ごしてきたおかげ。

今の私は強い。

なかなかの精神力が培えたんじゃないかと思う。

そう思うと、私の辛かった経験もムダじゃない。


私の今の強さは、私の子供を守る力になる。

だったら。


まぁ、いいか。



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兄、帰る。

父の酒量が増えているだろう事は、見なくとも明らかでした。

年末の電話にでなくなった頃から、段々と常識はずれな行動や、おかしいな、という様子をよく目にするようになりました。


そんな頃、兄が彼女との結婚を前に一度アパートを引き払い、実家へ帰ってきました。

彼女と結婚するにあたり、1人で暮らす父を気にかけ、同居を申し出ました。


父は本当に嬉しそうでした。


そして、相変わらずの荒れた実家へ。

窓は何かをぶつけたから、と割れたままの状態。
そこへ、直しもせず段ボールを張りその上に開いたごみ袋で補修してある。

台所は雨漏りのため、天井が一部剥がれ落ちている。

そして、ゴキブリやネズミのいる形跡。

仕事の材料が山積みになった応接間。

あらゆるところがひどい状態でした。

私が結婚して、実家を出てから何度か片付けを申し出ても、

「父さんがするから。」
と言って、あまり家にあげたがらない理由がよくわかりました。


人間の住むところじゃない。


誰が見てもそう思ったでしょう。


そんな中で、父は1人お酒をあおっていたのです。

父の常識のない行動は、このころからどんどんひどくなっていきました。
こんな状態で1人お酒を飲んでいれば、そりゃあ誰でもおかしくなるんじゃないかと思うほどでした。

兄は、こんなところへ結婚して住むなんてできない。と一念発起して、家の建て替えを父に提案しました。

父は、新しい家に息子夫婦と住める事をとても喜び、建て替えに賛成しました。

そして、兄が住宅メーカーをまわり建て替えの話は進んでいきました。


私は、正直ほっとしました。

今の父は私1人で抱えるには、少し難しいかも…と思っていたからです。

当時、私の息子はまだ歩き始めた頃で、私も初めての育児に悪戦苦闘中。

兄がいてくれる事は本当にありがたいと思っていました。



ただ、この建て替えが父と兄のけんかを引き起こす元になるとは、この時の私には想像できませんでした。





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父に違和感

ファミレスで焼酎、の恥ずかしい思いをした私はまたしばらく父と距離をとっていました。

でも父は、そんなことは全く知らずに時々電話をしてきました。

たまの電話のみで、実家へ帰ることもないまま日が過ぎました。


そして、その年の年末。

久しぶりに父へ電話をする私。
実家の大掃除を手伝うつもりでした。

年末年始の食べる物も、何か用意しておいてあげよう。
1人はかわいそうだから、旦那氏にお願いして、家族で私の実家にも行って、みんなでおせちでも。


そんな事を考えながら、26日頃から電話をかけました。



出ない。

あれ、仕事かな。


しばらくして、かけ直す。



また出ない。


あれぇ、明日かけ直すか…。


そんな日が続き、父が電話にでないまま、年末の31日になりました。

いつも、携帯にかけておけば遅くとも翌日にはかけ直してきた父。

さすがに心配になり、実家の近くに住んでいる父のお兄さん(私にはおじさん)に電話をかけました。


「もしもし、かなままです。おじさん、お久し振りです。」

「おー、かなままちゃん久しぶりだなぁ。元気か?どうした?」

「すみません、父さんおじゃましてないかなと思って…。」

と、ここ数日電話に出ないことを伝えました。
おじさんは、私が結婚して父とは離れて住んでいる事を知りませんでした。

私が結婚した時、結婚式も新婚旅行もないことを父は恥ずかしく思っていたのか…。
父は、私が結婚した事を親戚に黙っていたのでした。

おじさんは、私が結婚して子供も生まれている事にすごく驚き、黙っていた父にも疑問を感じていました。


「おじさんのとこに、飲みに行ってるのかと思って。」
私はおじさんに言いました。

「よし、とにかく見に行ってみるわ。」

私はおじさんに父の事を頼み、自分の結婚の報告ができていなかったことを謝りました。

父がおじさん達に話しておくと言っていたのに…。

私は、自分の結婚を父が隠したかったのかと思うと、とても悲しくなり情けなくなりました。

その事で落ち込んでいる私に、追い討ちをかける電話がありました。


「なんで、おじさんに電話をするんだ!」

父でした。
しかも、かなり怒り狂っていました。
そして、その勢いで続けます。

「今おじさんが来たんだ。なんでわざわざおじさんに電話したんだ!父さんは、前におじさんとけんかした時からもう会っていないのに!会いに行くハズがないだろう!」

一方的に怒鳴り散らされ、しばらく唖然と言葉を失う私。


冷静になれ、落ち着いて考えろ私。


自分に言い聞かせているうちに、段々と腹がたってきました。


「だったら、なんでここ何日も電話にでないのよ!また飲んで倒れてるのかと思ったから、おじさんに電話したんじゃない!だいたい、おじさんに電話するなって?いい年して兄弟げんかなんて、何言ってんの!じゃあ、私が何度もかけてる電話を無視するな!心配したんだから!」

気づけば、父に捲し立てていました。
私は心配だった。
1人でいる父が、歯止めなく飲んで倒れているんじゃないかと…。
でもとにかく良かった。
生きてた。

そう思うと、父への怒りと安心感で涙が出てきました。


こんな時、母がいたら…私何してんだろ…父の意味不明の行動は続いていました。