それぞれの思い
母との再会。
「ごめんね、ごめんね。」
繰り返す母。
私は、記憶の中の母よりも 目の前にいる母がすごく小さい事に驚きました。
「こんなに小さい母さんだったっけ…。」
ぼんやりそんな事を思っていました。
10年弱という年月で、私が成長し いつの間にか母の身長を越えていたのです。
改めて、会わない間の時間を長いと思いました。
それと同時に、それまで怒りや憎しみをもって母の事を思っていた気持ちが、どんどん薄れていきました。
離れている間、私が色々あったように、母にもきっといいことも辛いこともあったのだろうと、その小さな背中を見て思いました。
そして、そのままかつて家族だった四人で食事をしました。
そこでぎこちなく母と会話をし、母は、そういえばこんな顔でこんな声だったな…と再確認したのを覚えています。
母は途中、何度も私の顔を見つめ、笑顔で涙ぐみました。
そして、何度も
「ごめんね…。」
と…。
「もう…いいよ。」
それは私の口から、無意識に出た言葉でした。
そして、母に会えた事を嬉しく思い 何よりこうして会わせてくれた父に、深く感謝をしました。
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「ごめんね、ごめんね。」
繰り返す母。
私は、記憶の中の母よりも 目の前にいる母がすごく小さい事に驚きました。
「こんなに小さい母さんだったっけ…。」
ぼんやりそんな事を思っていました。
10年弱という年月で、私が成長し いつの間にか母の身長を越えていたのです。
改めて、会わない間の時間を長いと思いました。
それと同時に、それまで怒りや憎しみをもって母の事を思っていた気持ちが、どんどん薄れていきました。
離れている間、私が色々あったように、母にもきっといいことも辛いこともあったのだろうと、その小さな背中を見て思いました。
そして、そのままかつて家族だった四人で食事をしました。
そこでぎこちなく母と会話をし、母は、そういえばこんな顔でこんな声だったな…と再確認したのを覚えています。
母は途中、何度も私の顔を見つめ、笑顔で涙ぐみました。
そして、何度も
「ごめんね…。」
と…。
「もう…いいよ。」
それは私の口から、無意識に出た言葉でした。
そして、母に会えた事を嬉しく思い 何よりこうして会わせてくれた父に、深く感謝をしました。
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緊張の再会
父の後押しもあり母と会う事になった私は、いざ会った時に何を話そう…そればかり考えていました。
10年弱会っていないので、話題はたくさんあるはずが、その前に話す気になれるか?
数日後、某ホテルのロビーで待ち合わせ。
父は、兄は、どんな気持ちで今日来ているのだろう…私はそんな事を考えていました。
二人共、会話はあまりありません。
やはり、私と同じようにそれぞれが複雑な思いをもちながら、この場に来ているんだなとすぐに感じました。
私は周りを見渡し、母を探します。
まだ一緒に暮らしていた頃の母を思いだしながら…。
でも、記憶はあまり鮮明には思い出せません。
一度いないものとして生きてきた私には、ぼんやりとした母のイメージしかありませんでした。
その時……
見つけた!
そこには、同じようにキョロキョロ私達を探しながら歩いている母がいました。
それと同時に、思い出しました。
母のイメージがどんっ!と私の頭の中に鮮明に…。
どくん……。
心臓が苦しくなる。
そうだ、あんなんだった…。
友達から、美人なお母さんでいいなぁ~と羨ましがられ、自慢だった母。
おしゃれで、いつも小綺麗な雰囲気だった母。
料理が上手で、グラタンはその辺のお店より得意だった母。
母の良い印象ばかりが、私の頭の中をものすごい勢いで駆け巡りました。
私は、母の方へ走って行きます。
母の視線がこちらを見る。
あっ!と気づいた表情。
母も小走りでこちらへ向かってくる。
そして、私と母が正面に。
……。
視線は私を見ていない。
私のずっと後ろの父と兄を見ている。
そして、私をよけてそちらの方へ…。
父に深々と頭を下げる母。
離れた所で見ている私。
母は、私に気づきませんでした。
それもそのはずです。
母が出ていった時の私は13歳、この再会の時はメイクをしてヒールも履いている、すっかり大人になっています。
私の事は子供の時のイメージしかない母は、私が目の前にいてもわからなかったのです。
兄の手をとり、涙ぐんでいる母。
私は父と兄の横へ歩み寄る。
「……!」
母は、私を見て驚く。
「……かなママ?」
頷くしかできませんでした。
そこからは、あまり記憶にありません。
しばらくの間、涙が止まりませんでした。
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10年弱会っていないので、話題はたくさんあるはずが、その前に話す気になれるか?
数日後、某ホテルのロビーで待ち合わせ。
父は、兄は、どんな気持ちで今日来ているのだろう…私はそんな事を考えていました。
二人共、会話はあまりありません。
やはり、私と同じようにそれぞれが複雑な思いをもちながら、この場に来ているんだなとすぐに感じました。
私は周りを見渡し、母を探します。
まだ一緒に暮らしていた頃の母を思いだしながら…。
でも、記憶はあまり鮮明には思い出せません。
一度いないものとして生きてきた私には、ぼんやりとした母のイメージしかありませんでした。
その時……
見つけた!
そこには、同じようにキョロキョロ私達を探しながら歩いている母がいました。
それと同時に、思い出しました。
母のイメージがどんっ!と私の頭の中に鮮明に…。
どくん……。
心臓が苦しくなる。
そうだ、あんなんだった…。
友達から、美人なお母さんでいいなぁ~と羨ましがられ、自慢だった母。
おしゃれで、いつも小綺麗な雰囲気だった母。
料理が上手で、グラタンはその辺のお店より得意だった母。
母の良い印象ばかりが、私の頭の中をものすごい勢いで駆け巡りました。
私は、母の方へ走って行きます。
母の視線がこちらを見る。
あっ!と気づいた表情。
母も小走りでこちらへ向かってくる。
そして、私と母が正面に。
……。
視線は私を見ていない。
私のずっと後ろの父と兄を見ている。
そして、私をよけてそちらの方へ…。
父に深々と頭を下げる母。
離れた所で見ている私。
母は、私に気づきませんでした。
それもそのはずです。
母が出ていった時の私は13歳、この再会の時はメイクをしてヒールも履いている、すっかり大人になっています。
私の事は子供の時のイメージしかない母は、私が目の前にいてもわからなかったのです。
兄の手をとり、涙ぐんでいる母。
私は父と兄の横へ歩み寄る。
「……!」
母は、私を見て驚く。
「……かなママ?」
頷くしかできませんでした。
そこからは、あまり記憶にありません。
しばらくの間、涙が止まりませんでした。
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そして、私の決断
私は母に会うかを決められずに、数日が経ちました。
父からどうするかを聞かれた時の事です。私は、返事に困っていました。
すると、父はいつもより明るい声で私にこう言いました。
「会ってみたらいいんじゃないか?昔色々あったけどな、あの人がお前らを産んだ母親だからな。」
ビックリしました。
父がそんな風に考えていたなんて…。
父にしてみても、子供を置いて男と出ていった妻です。
でも父は自分の気持ちを飲み込み、私達 兄妹がこのまま母に会わずにいることを心配していてくれたようです。
「三人で会いに行くか?」
父が続けます。
私は、まだ自分の気持ちをまとめられずにいました。
「母さんに文句なり何なり、言いたい事があるなら会って直接言えばいい。父さんはお前がしたいようにすればいいと思う。でも、父さんに気は遣うなよ。」
本当に感謝しました。
私の気持ちを後押ししてくれる父に…。
会わずに後悔する事があるなら、会って思いっきり文句を言ってやる。よし、会ってやる。
この後、兄も会う事を承諾し、バラバラになった家族で再会することになりました 。
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父からどうするかを聞かれた時の事です。私は、返事に困っていました。
すると、父はいつもより明るい声で私にこう言いました。
「会ってみたらいいんじゃないか?昔色々あったけどな、あの人がお前らを産んだ母親だからな。」
ビックリしました。
父がそんな風に考えていたなんて…。
父にしてみても、子供を置いて男と出ていった妻です。
でも父は自分の気持ちを飲み込み、私達 兄妹がこのまま母に会わずにいることを心配していてくれたようです。
「三人で会いに行くか?」
父が続けます。
私は、まだ自分の気持ちをまとめられずにいました。
「母さんに文句なり何なり、言いたい事があるなら会って直接言えばいい。父さんはお前がしたいようにすればいいと思う。でも、父さんに気は遣うなよ。」
本当に感謝しました。
私の気持ちを後押ししてくれる父に…。
会わずに後悔する事があるなら、会って思いっきり文句を言ってやる。よし、会ってやる。
この後、兄も会う事を承諾し、バラバラになった家族で再会することになりました 。
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