最近勉強をさせていただいている宇野良治先生の「ピロリ菌除菌問題」(amazonで購入した本)。

 

この本を読ませていただくとピロリ菌の除菌が体にもたらす様々な影響が書かれていますし、元になる研究のデータなども紹介されています。

ピロリ菌の除菌が推奨されるのは慢性胃炎があって将来的にピロリ菌由来の胃がんの発生を抑えることができるという点です。ですがこの本の内容によると、その除菌後に逆流性食道炎を起こしやすくなり、胃酸を強く抑える薬剤を継続して服用することなどによりパレット食道という状態を引き起こしやすくなり、これが食道腺癌を引き起こす可能性が高くなるというデータが出てきているということです。

またピロリ菌の除菌後に小腸以下の消化器に置いて除菌剤が大きな破壊的な影響を与えることで長年にわたってその人が形成してきた腸内細菌叢(腸内フローラ)が大きなダメージを受けてしまい、これによって免疫や体の基本的な代謝やホルモンの相互作用にも悪影響を及ぼしかねないと考えられ始めてきています。

 

また除菌後は胃の中は菌の数が減少するのですが、ピロリ菌を除菌すると胃の中の酸性度が変化してしまうそうです。ピロリ菌がいる状態では、胃の中は強酸性の環境となるのですが、ピロリ菌を除菌してしまうと酸性度が中世に偏り、本来ピリロリ菌が生息していた環境下の強酸性下では生息できない菌が増えてしまうことになるというデータもあるそうです。

こうなると口の中で歯槽膿漏や炎症を起こしてしまう病原性を持った菌が、ピロリ菌の除菌後に胃の中に棲み着く菌も出てくる可能性があります。

これによって胃の状態が除菌前より悪化してしまうかもしれません。

 

まだまだこの本を読ませていただくと、店頭に見えているピロリ菌除菌後になんとなく体調がすぐれないという方の原因のヒントが見えてくるような気がします。