漢方を師匠から学んでいるときに言われたなかに「女性を見たら血虚と思え。」というのがあります。
「血虚」とは簡単に言いますと「血が常に不足している状態がベースにありますよ。」ということです。漢方で使う用語の「虚」というのは「不足している状態」をいいます。
初潮から閉経を迎えるまでの女性は普通であれば毎月出血を起こすのでこういう言葉がでてきたのだと教えられました。
「血」とは「血液と血液の行う働き」のことをいい、現代の医学でいう「血液=血」というわけではないのですが、まあ貧血のうち血液検査で血沈やヘメトクリット値が低い方は血虚があるといいます。

こういう場合、鉄剤というのが処方されたり、サプリで鉄を含むものを飲んだりされる方もいるわけですが、なかなか数値的に改善しなかったり、腸に負担がかかって便秘などの不調が出る方も随分通られます。


こういう時に役立つ商品が薬屋にはありいくつかご紹介したいと思います。


血液検査はしてないけどこんな症状がある場合は貧血かもしれません。

・授乳期間中で腕が疲れやすい

・微熱が取れない

・手足の先がほてる感じがする

・足がムズムズして眠れない

・舌の色が白い

・爪が割れやすい

・髪の毛がぱさぱさする

・経血が少ない

・立ちくらみ

・目が疲れやすい、夕方になるとものが見えにくくなる

・食べ物が偏っていて、緑黄色野菜が少ない、果物は嫌いかあまり食べない

・酸味の物はほとんど口にしない

このような症状がある場合は注意してください。


鉄の成分を含んだサプリや製剤以外で、腸に負担がかかりにくく調子が上がりやすいもので、妊娠時、授乳期間中でも飲んで大丈夫なものを紹介します。

健康食品、医薬品両方にあります。


補全‐S(明治薬品製造、天野商事ほか販売)(医薬品)
漢方処方の十全大補湯という処方を飲みやすいシロップにした製剤。十全大補湯は「大補元気」といって体力低下時、貧血のひどい状態時に使う処方です。四君子湯という胃腸の機能を高め、消化吸収を助ける働きと四物湯という血虚をよくする処方とが組み合わさっていて、弱った胃腸に負担をかけることなく貧血を補うことをしてくれます。この薬自体に鉄分がたくさん入っているわけではないので食事に少し注意をして鉄分を補う食事をとる必要はありますが、特に胃腸の弱い方や大きな病気の処置後の方にはお勧めです。

また出産時に多量の出血をして体力が落ちていて、母乳の湧きが弱い方にもおすすめです。母乳はお母さんの血液が白くなって出てくるものですから貧血状態を放置して授乳していくと赤ちゃんの成長にも影響しますから注意したいところです。

アスリーブ(ウチダ和漢薬)(健康食品)

ヘム鉄という赤血球と同じ成分の鉄分が含有され、それにサンザシという生薬で腸からの吸収を助けつつ、プルーンで有機的な鉄の含有を増やし、またプルーンに含まれるビタミンCで鉄の利用率を助けるという非常にうまい組み合わせの健康食品です。通常の鉄のサプリよりははるかに優秀で、特に妊娠時、授乳期間中の鉄の補給に優れています。また胃腸が特に敏感な人でもこれは飲めるという方が多い商品でもあります。お試しサイズで一本飲みきりサイズのプチアスリーブというのと毎日軽量しながら飲める瓶に入ったアスリーブという商品があります。