1年ほど前、Chat GPT がマスコミを騒がせ始めた頃、自分は初めてAI 生成音楽を聴きました。
YouTubeで紹介されていたものです。
当時は、メロディーやコード展開は支離滅裂で、流通している類の音楽からは程遠いもので した。
おそらく著作権を気にするあまり、既存のメロディー展開を全て外して作る事だけに 専念していたのでしょう。
しかし、昨今のAI作曲サイトは驚きのレベルです。
(ある YouTuber が紹介していた Suno というサイトがその一つです。ご興味あれば検索して見てくだ さい)
ボーカルやギターなどの生楽器のリアルさもさることながら、曲作りが、いわゆる、ツボ、を抑え始めているのです。
流行る曲には、例えばサビなどに、人が気持ちよく感じる、記憶のどこかにある様なメロディーやコード展開が散りばめられているものです。
しかし、あの曲のこの部分、とは誰も思い出せません。
そういう微妙な既存展開を学び、流用し始めている様に聴こえます。
おそらく何小節以上、あるいは何フレーズ以上、既存曲をパクると著作権に触れる、という 事まで分かってやっているはずです。何か適当な言葉を入れて、ジャンルを選択したら、スイッチ一つで、世界に唯一の曲が出て来ます。
素人でも子供でも操作できます。
注意したいのは、操作をした人が曲を作った事にはならない、という事です。
曲を作ったのはあくまでAIエンジンです。さて、
これを見た時、自分は数日暗い気持ちになりま した。
普段、納得できる1曲を作るために自分が費やすのは、オケ作りも含めると約1週間。 自分にとって至福の時間です。
35年間の経験の蓄積です。AIでは、それが数秒で出来てし まい、作り直して、と指示すれば、いくらでも新候補曲が出てきます。
こういうものを使って、オリジナル曲だと偽って演奏する人が出て来ない事を願います。
著作権に関するルールを考えている人達や、JASRACを始め、物言いをしている人達がいる 様なので、世の中の流れに任せる事にはなりますが、
人の創造性を侵害したり、これから出 て来る若いクリエーター達の意欲や目を積んでしまわないよう法整備して頂ける 事を心から願っています。