劇薬について | 石巻健育会病院のブログ

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石巻港湾病院は石巻市大街道に移転し、病院名も新たに「石巻健育会病院」としてリニューアルオープンしました。
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ここでは、日々の活動内容や行事についてご紹介します。
お気軽に見ていってくださいね。

おはようございます! 薬剤科ですニコニコ

 

 

皆さんは「劇薬(げきやく)」についてどんなイメージを持っていますか??

 

劇的な効果が出るすごい薬・・・?

危ない薬・・・?

何か特別な薬・・・?

 

 

劇薬とは厚生労働大臣により劇性が強いものとして指定される医薬品のことをいいます。

 

「劇」という漢字には「物の働きや程度がはげしい」という意味がありますが、その性質が強いものが劇薬として指定されます。

 

ではどのくらいで強いと指定されるのか? いくつかの指定基準があります。

 

基準の一つにLD50(50%致死量:Lethal Dose 50)というものがあります。

 

LD50というのは、ある条件下で試験物質を動物集団に投与した際に、その半数が死亡してしまう試試験物質の量のことをいいます。ガーン   体重1㎏に対して試験物質の量㎎で表されます。

 

 

例えですが、医薬品AのLD50が1、医薬品BのLD50が1000のとき、AとBどちらの医薬品が毒性が強いでしょうかはてなマーク

 

右矢印答えは「A」になります。

Bのほうは1000の量を投与した時に半数が死亡してしまうの対し、Aのほうはたった1の量で半数が死亡してしまうためです。

 

したがってLD50の値が低いほど、急性毒性が強いことを意味します。

 

一例として、この値が経口投与で300㎎/kg以下の時、劇薬の指定基準に入ります。

(※投与方法によって医薬品の吸収率に違いがあるため、LD50の値は経口投与や静脈内投与で変わってきます。)

 

その他の基準として、

・慢性毒性の強いもの

・安全域の狭いもの

・蓄積性の強いもの ・・・・・・

 

等いくつかあり、たとえLD50が高い値(安全な値)であってもその他基準に該当していれば劇薬に指定されることになります。

 

以上のことから、

   劇薬とは他の薬よりも毒性が高いため、より注意して取り扱っていくべき薬剤です。

 

そのため、

・劇薬は他のもの(劇薬以外の薬)と区別して陳列・貯蔵する

・直接の容器または被包に、白地に赤枠赤字でもって品名と「」の文字を記載する

というのが法律で決まっています。

 

より注意すべき薬剤のため、使用されることは少ないかと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、実はそんなことはありません。

 

全てが該当するわけではありませんが、高血圧治療薬、骨粗しょう症治療薬、鎮痛薬、排尿障害治療薬などなど、その他にも様々な治療薬に対して劇薬が存在し、よく使われます。

 

 

このように薬というのは、毒性などの有害リスクが存在しながらも、疾病の治療に用いられます。

 

薬を服用される方に守っていただきたいのは、医師の指示通りにお薬を服用するということです。

 

1回1錠の薬を2錠や3錠で飲んだり、1日1回の薬を2回、3回と飲んだりすることは、薬の治療域を超えて中毒域に達してしまう可能性あります。アセアセ

 

適切なお薬の服用が、自らの健康を守りますグッ

 

お薬について心配な点があれば、医師や薬剤師にお気軽に相談してください照れ