おはようございます! 薬剤科です
今日は血圧の薬(降圧剤)についてお話しします。
血圧の薬は血圧が高い時だけに飲めばいいでしょうか?
医師の指示によってはそのような場合もありますが、基本的に血圧のお薬は毎日飲むお薬です。
でも血圧が正常な時に服用したら血圧が低くなってしまって、逆に低血圧になってしまうのではないか?と、私自身思ったことがあります。
というのも、薬は飲んだらすぐに効果が出てくるものだというイメージがありました。
けれども薬にはいろいろな種類があり、そのような薬もあればそうではない薬もあります。
降圧剤は即効性ではなく、ゆっくりと効果が出てくるお薬です。
速く効果が出る血圧の薬は何か問題があるのでしょうか
お薬を飲むことによって高血圧からすぐに正常な血圧になれば良い感じがしますが・・・・・・
その問題点は、すぐに効くことが逆に悪影響となってしまう可能性があるためです
水圧を強くすれば水の流れは速くなり、遠くまで飛んでいきます。水圧を弱くすれば水の流れは遅くなり、近くまでしか飛んでいきません。
これを血圧に置き換えるとどうでしょうか?
血圧が急に低くなれば、血流が悪くなり、各臓器に血液が巡りにくくなるということです。
その結果、複数の臓器の機能が障害されてしまい、多臓器不全となり命を落としてしまう危険性があります。
じゃあ血圧高い方が各臓器に血液が巡るようになって良いのでは無いか?もちろん、そうではないですよね
血圧が高い状態が続いているというのは、それだけ血管に負担をかけているため、血管が次第にボロボロになっていきます
また急激な血圧な低下は、異常事態であると身体が反応して心臓が頑張って全身へ血液を送り出そうとする反射性頻脈が起こる可能性があります。心拍数の上昇は長期的には心臓の機能を損ない、死亡率に相関することが知られています。
上記のような理由等で、降圧剤はすぐに効いてしまうと急な血圧低下によるリスクがあるため、ゆっくりと効いてくるほうが良いのです。
降圧剤は1回飲んだだけではしっかりとした効果が表れないため、毎日飲み続ける必要があります。しっかり服用することによって、体の中の薬の成分が一定に保たれ、正常な血圧を維持しているのです。したがって、正常な血圧だからといってその時に服薬を中止すると体内の薬の濃度が下がってしまい血圧が上がってしまう恐れがあります。
しかしながら、薬が効きすぎてしまい低血圧になってしまう副作用もゼロではありません。
もし血圧が低く、立ちくらみやめまいなどの自覚症状がある際は、その時は降圧剤は飲まない方が良いと思います。
ただし、そのような場合が何度も起きてしまうような場合であれば、それは薬の量が合っていなかったり、何か他の問題、病気の可能性もあるため、かかりつけの医師、薬剤師に相談してみることをお勧めします。
それではまたお会いしましょう!
see you next again