通常の三倍の尿酸値 -149ページ目
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いちごの季節

なんというか、B級アイドルのデビュー・シングルの様な題名。
時給4、000、000、000、000マルク
スーパーのお菓子売り場が、というより、俺の頭の中がいちご畑になっている。

私の住む新潟では苺は春先の果物ということになっている。しかし、江戸っ子が初鰹を求めるように、”走り”の食材には理屈に合わぬ有難みが確かにある。理詰めにしていけば、”盛り”の食材の方が、旨味も多く、栄養価も高く、そして何より安価で手に入る。

しかも、相手はキットカット。チロルの季節商品の様に、全幅の信頼を置いているという訳ではないブランドである。むしろ、季節の変わり目にはいつも騙されているのではないか。本当に、俺、これ、食べたいの?

騙されたいというか、上手いこと騙してみろと挑発する姿勢はキットカットだけに向かう性質のものではない。この場合、真冬に春を求めているが、それは日常というヘドロに沈んだ錨を引き抜き希望に満ちた未来という海へ漕ぎ出そうとする心理、キャバクラ行きたいなぁ、ってのと同質であろう。

いちごケーキ味、というのもまた絶妙な微妙さ。いちご味じゃ駄目だったんかよ。

はい、駄目。

苺よりもむしろ強く感じるクリームの味、後味に酸味が少し残り、ウェハースのテクスチャーと相まって、アメリカン・スタイルのチーズ・ケーキに似た印象を残す。いちごケーキ味というのは言いえて妙である。

悪くない。

オレオの方がうまいけど


味噌汁とトマトジュース


時給4、000、000、000、000マルク


二日酔いにはトマトジュースがいい。レッド・アイならなお素敵だがあまり贅沢を望むべきでない。ところが、最近は食塩無添加だの低塩のばかりで困る。世の中は減塩とか減煙に敏感になりすぎ”健康”という名の精神疾患のパンデミックで死にかけている。ここでハッキリさせておきたいのは

塩の入っていないトマトジュースなど味噌の入っていない味噌汁に等しい

味噌汁とは何か?上手いこととった出汁に味噌を用いて丁度いい塩加減(和食で言うところの”あたり”)にした料理である。料理屋で味のしない出汁を出されたらそれはキレてもいい場面だろう。トマトという素材が塩によって旨味が引き出されるのであれば、その丁度いい塩を加えた状態が、商品として正しい価値を持つに至るのである。


で、コンビニで見つけた缶みそ汁。

不味からず。

出はかなり濃厚な鰹。これが実は違和感の素で、しじみとか煮干しであれば、もっとそれらしい味になったのではないか。尤も、インドのカレー同様、これが正解といった物にはなかなか辿り着けないであろうことは想像に難くない。

しかし、伊藤園である。

ここのコーンスープは他社のそれと異なり香味野菜の味、香りを全面に押し出しており深い。

”おーい、お茶”は現在、大体、どこのコンビニ、スーパーでも常時4種類が揃う。一昔前「ペットボトルに入ったお茶なんて誰が買うかよ!」などと言っていたのに。

今から少し先の未来、様々な出の缶みそ汁が並んでいたとしても驚くことはない。弁当に合わせたTPOの味噌汁、悪くない。そうした、今後の期待も込めて

★★★☆☆


チキンかターキーか

フライドチキンを買いに並んでいる人達を見て「バカじゃねぇ?」というようなタイプの人がいる。

 俺だ。 

大概の場合、論点はチキン(鶏)は間違いで、ターキー(七面鳥)が正しいとする

それが、そもそも、そうではないようなのだ。

文献に拠れば、この期間は「家禽類」を食べるとあり、チキンでもアヒルでもガチョウでもいいらしい。肝腎なのは、山へ入って猟をしない、ということなのだろう。

むしろ、間違いと思われるのはその調理法である。

日本にも、この時期のメニューにおせち料理という極端な味付けのクソ不味いものがあるが、これは保存するのに特化した調理法といえる。正月の間くらいは料理を作る人(この場合、旧来の封建的価値観による処の女性)に休んでもらおうとする意志を感じる。逆に欧米では、ツリーの飾りつけなどで、忙しく追い立てられるのである。結果、オーブンにぶちこんでおしまいとするやり方が望ましい。油の前にずっと立っていられないのである。チキンでもターキーでもいいが、フライではなく、ローストが正解に近いようである。

さらに言うと、こうした習慣はキリスト教が広まる以前からあり、その起源は欧州の土俗的宗教にもとめることができる。

てことは、クリスマスにこうした料理を食べる意味がない。もっと言えば、何くってもいんじゃね?

 俺は仕事もないし、時間だけはある。調理師免許もあるけど、今は家で料理作る気にならない。だけど、なんとなく、鳥料理気分になったので、行きつけの蕎麦屋で、”鴨せいろ”をいただきました。


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