東京散歩・田安門と弥生慰霊堂 | ゆるゆるな毎日

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水曜どうでしょうやマンホール、キリスト看板などの趣味に走りすぎた日々を綴っています。

九段坂公園で一息つき、いよいよ北の丸公園へ。

北の丸公園には日本武道館や化学技術館、国立公文書館などがあります。

 

 

靖国通りからは軽い上り坂になっています。

道は左にゆるく曲がっていて、先が見えません。

 

 

この場所からは先程までいた昭和館や九段下テラスがよく見えました。

皇居外苑の牛ヶ淵は、蓮の葉でびっしり覆われていました。

 

 

坂道を上って行くと、田安門が見えてきます。

こちらは田安門の高麗門です。

 

寛永13年(1636年)ごろに太田道灌によって建てられた枡形門です。

 

「ごろ」というあいまいな表現なのは、

 

この高麗門の扉釣金具の刻銘に寛永13年とあるため、

 

寛永13年に建てられたのではないかと考えられているからです。

 

 

枡形の石垣。

立派で綺麗な石垣です。

 

 

内側にある櫓門。

脇戸付櫓門の入母屋造りでの立派な門。

 

江戸城は何度も火災に見舞われていますが、田安門は難を逃れているため、

 

江戸城の総構えが完成した当時から唯一現存する遺構で、

 

国の重要文化財に指定されています。

 

 

屋根の上の鯱も立派。

代々の天下人が住まわれたお城の門ですものね。

 

田安門は櫓門の上部が破損していたため、

 

大正末期に撤去されていたそうですが、

 

昭和38年(1963年)に解体修理が行われたため、

 

現在の美しい姿に戻っています。

 

 

高麗門を枡形の内側から。

ここから私の育った上州(現在の群馬県)へ続く道があったと言われています。

 

なので、親近感を感じるんですよね。

 

 

櫓門の脇にある番所の扉。

中も見てみたいです。

 

 

場内から見た櫓門。

何度見てもいい。

 

今回はこれで帰ろうと思ったのですが、

 

ずっと気になっている場所へ行ってみました。

 

 

それはここ。

石垣と日本武道館の間にあるこの石段です。

 

木製の柵が置いてありますが、立入禁止ではないようです。

 

 

石段の右には阿形の狛犬?

狛犬と言うにはツルッとしすぎているように思いました。

 

 

反対には吽形も。

顔の周りにたてがみがあるようで、ライオンに見える。

 

 

石段の先は緩いスロープになり、やがて平らになりました。

ここは靖国通りの車の音や人の声は全く聞こえませんでしたが、

 

蝉の声が物凄かったです。

 

 

登り切ったところには石灯篭が並んでいました。

少しずつデザインが違うものが3基。

 

 

右を見ると日本武道館の裏手が見えました。

こんな場所があったとは。

 

 

敷地の真ん中に屋根だけの建物がありました。

ここは何?

 

 

敷地の左端に彌生慰霊堂と刻まれた手水鉢がありました。

ここは東京招魂社(現:靖國神社)に祀られなかった巡視者を祀る場所で、

 

明治18年(1885年)10月7日に弥生神社として

 

本郷区(現:文京区)向ヶ岡弥生町に創建されたものだそうです。

 

その後、芝公園、警視庁鍛治橋庁舎構内、青山墓地、

 

麹町区(現:千代田区)隼町と何度も遷座し、

 

昭和22年(1947年)10月に、この場所へ遷座したそうです。

 

また警察や消防の殉死者を祀っているため、

 

当初は警視庁が管理していたそうですが、

 

戦後はGHQの神道指令が発布されたために神社を管理することができなくなり、

 

昭和21年(1946年)に警視総監をはじめとする有志が奉賛会を結成し、

 

名前も弥生廟、弥生慰霊堂と変え、

 

また慰霊祭も神式から無宗教形式に変更されたそうです。

 

だから参道脇の狛犬も、ちょっと不思議なデザインなのかな。

 

 

手水鉢のところから田安門の櫓門が見えました。

もう少し前に進めば、枡形を上から見下ろせたのでしょうけれど、

 

やぶ蚊が多くて断念しました。

 

 

好奇心で入ってしまったことをお詫びしつつ、そっと手を合わせました。

元が神社だったからなのか、本殿は神式な感じです。

 

ただこの場所のことは、帰宅して調べて知りました。

 

手水場に慰霊堂とあったので、どなたかをお祀りしている事は分かりましたが、

 

できれは案内板などがあれば良いなと思いました。

 

紆余曲折があって、現在は神社でもお寺でもない慰霊堂という位置付けなので、

 

あまり知られたくないのかな。

 

 

お堂の横に石碑があるので行ってみました。

昭和天皇御野立所と刻まれていました。

 

関東大震災が起こった際、昭和天皇がこの場所に立ち、

 

被害の大きかった下町の様子を視察なさったのだそうです。

 

この石碑関しては案内板がしっかりあったので、よく分かりました。

 

ただ、この案内板があったことで、

 

慰霊堂は関東大震災で亡くなったどなたかを祀っているのかしらと

 

勘違いしてしまいました。

 

やはり弥生慰霊堂の案内板もあった方が良いんじゃないかしら。

 

分かって手を合わせるのと、

 

分からないけれどとりあえずという感じで手を合わせるのでは、

 

気持ちも意味合いも全然違うように思いました。

 

 

私もこの場所から周囲を見てみました。

牛ヶ淵の向こうは高いビルばかりで、下町一帯を眺めることはできませんでした。

 

 

南側。

日本武道館の光る玉ねぎが見えただけ。

 

昔はこの場所が一番高かったので東京湾まで見えたそうですが、

 

その景色が全く思い浮かびませんでした。

 

 

 

今回のおでかけ

★北の丸公園

 住所:東京都千代田区北の丸公園1-1

 電話:03-3211-7878(環境省皇居外苑管理事務所北の丸分室)

 開園時間:24時間

 入園料:無料

 駐車場:あり(有料)

 公式ウェブサイト:一般財団法人国民公園協会皇居外苑

 

 

 

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