9月に昭和館へ行きました。
昭和館は皇居の北の丸公園に隣接する博物館です。
と言っても、私は一度も入った事がありませんでした。
入口に正対するのも初めて。
前を何度も通っていたのに、
こんな入口だったと認識していなかったことに気が付きました。
お目当ては2つの特別特別企画展。
「お菓子の記憶~甘くて苦い思い出たち~」と「九段会館がみた昭和」。
行こう行こうと思っているうちに、会期の終わりが近づいてきていて、
慌てて行きました。
特別企画展の入場料は無料でしたが、
昭和館の入口で氏名や住所を記入するように求められました。
厚生労働省の施設なので、新型コロナウイルスの感染者が出た時のために、
しっかり記録しておく…ということのようでした。
2つの特別企画展の会場内は全て撮影禁止。
なので写真はありませんが、
堂々とスマホとカメラで写真を撮りまくっている女性がいてドン引き。
あまりに堂々としているので、関係者か記者の方かと思ったのですが、
係りの方が巡回してくるとサッとスマホやカメラをしまったので、
勝手に撮影し、なおかつ撮影禁止だと承知していたのでしょうね。
うっかりだったら注意した方がいいかなと思ったのですが、
確信犯だと分かった瞬間に怖くなり、見て見ないふりをしてしまいました
さて企画展ですが、正直に言うと、
お菓子の古いパッケージやポスターを色々見られるかなと思い、
軽い気持ちで行ったのですが、
内容はとっても重い物でした。
戦争によってお砂糖が統制品となり、
製菓会社もお菓子が作れなくなった経緯や、
敗戦後、進駐軍の兵士がチョコレートを配る写真など、
暗い時代のお菓子や人々の生活について詳しく展示されていました。
この時代は大人も子供も甘いものに飢えていたため、
子供が甘さを求めて薬箱の糖衣錠を全部食べてしまったとか、
甘い物を配給でもらっても
自分も好きだから子供にはあげられないと書かれたお父さんの手記があったり…。
なんとも切なく、悲しく思う展示が多かったです。
進駐軍の有名な「ギブ・ミー・チョコレート」の写真も展示してあったのですが、
よく見ると子供の中に大人の女性も混ざっていて、
子供よりも必死に手を伸ばしている様子が映っていました。
またお菓子のポスターも戦争へと突き進むにつれ、
戦時色の強いものに変わっていく様子も怖かった。
戦争についての展示というと、焼け野原になった景色や、
兵士や遺族についてなどが多いと思いますが、
こういう側面から戦争を知ることも大切なことではないかと思いました。
この後、「九段会館がみた昭和」も見学したのですが、
軍人会館として落成した後、二・二六事件の際は厳戒司令部になったこと、
敗戦後はGHQに接収されことなど、
私の知っていることが詳しく書いてあったと思います。
あいまいな書き方なのは数カ月前のことだからというだけでなく、
直前に見た「お菓子の記憶~甘くて苦い思い出たち~」の
甘くなくて苦い思い出だらけの展示が心に刺さってしまっていて、
こちらの展示は、あまりよく覚えていないのです。
なので常設展も見ずに外へ。
昭和館から見た開業前の九段会館テラス。
開業前だったので近づけず、ここから撮影したらしい。
ビルの下に一部残っているので、この窓も昔のままです。
こういうデザインについても展示があったような気がするのですが、
勿体ないことに覚えていません。
鬼のようなこの飾りも健在。
かと思ったら、元々あった飾りを3Dスキャンしてデータをとり、
ガラス繊維を混ぜたコンクリートで作り直したものだそうです。
あのまま…ではないのですね。
展示を見たら九段テラスの前から写真を撮るはずだったのに、
カメラに残っていたのはこの3枚だけ。
展示の内容が強烈すぎて、その後の記憶が曖昧。
こんなこと、初めてでした。
昭和館の横から、しばしお堀を眺めて、気持ちを落ち着けることに。
滝のような水路があったことに初めて気が付きました。
蓮の花がちらほら咲いていたので、望遠で撮ってみました。
蓮の花がザワついた心を静めてくれました。
今回のおでかけ
★お菓子の記憶~甘くて苦い思い出たち~
会場:東京都千代田区九段南1-6-1
昭和館 3F 特別企画展会場
会期:2022年7月16日~2022年9月4日
入場料:無料
開館時間:10:00~13:30(最終入場は13:00まで)
14:00~17:30(最終入場は17:00まで)
休館日:毎週月曜日(7/18、8/15は開館、7/19は休館)
公式ウェブサイト:お菓子の記憶~甘くて苦い思い出たち~
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