盛岡散歩・原敬記念館 その2 | ゆるゆるな毎日

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水曜どうでしょうやマンホール、キリスト看板などの趣味に走りすぎた日々を綴っています。

原敬の生家を見た後は記念館へ。

 

生家の横には原敬が使ったという初湯の井戸がありました。

生家の裏手にあるので、

 

写真の左側の生垣の奥は台所と女中部屋です。

 

日常的に使う人の利便性を考えた位置にあったのでしょう。

 

 

記念館の側に「寶積」と刻まれた大きな石碑がありました。

これは原敬の座右の銘で、

 

自筆の文字を盛岡産の花崗岩に彫ったものだそうです。

 

「宝積」の意味は「人に尽くして見返りを求めない」

 

「人を守りて己を守らず」というものだそうです。

 

どこかの内閣総理大臣によく聞いて頂きたい座右の銘ですね。

 

ちなみにこの花崗岩の高さは168センチで、

 

原敬の身長と同じにしているそうです。

 

 

いよいよ記念館です。

中には原敬の愛用品や伊藤博文や陸奥宗光らとの書簡等々

 

沢山の展示物がありましたが、残念ながら撮影は禁止でした。

 

そして東京駅で暗殺された時に来ていた洋服も展示されていて、

 

血の痕のようシミがあって生々しかった…。

 

 

私が行った時は

 

「恭と敬-原兄弟の近代ー」の特別展が開催中でした。

恭(ゆたか)は敬の4歳年上の兄で、

 

東京に出て内閣総理大臣にまで上り詰めた敬とは対照的に

 

原家の当主として盛岡にとどまり、

 

岩手郡長など地方官として地方政治に奔走しつつ

 

原家を守り続けた人でした。

 

華々しく見える敬と、地味で実直に見える恭。

 

その人生の対比と2人の重なる部分、

 

そして原兄弟の交流がわかる秀逸な企画展でした。

 

 

記念館から奥の庭に出ることができました。

私が一番見たかったレンガ蔵です。

 

大正3年(1914年)9月竣工で、現在の盛岡市大通3丁目にあった

 

別邸の介寿荘(一山荘)の敷地に建っていたものです。

 

介寿荘は、普段よく通っていた大通三丁目交差点の角にある

 

七十七日生盛岡ビルの場所にあった別荘です。

 

現在の跡地は石碑と遺構のレンガ塀が残るのみになっています。

 

 

蔵の扉には原家の家紋が2つ。

別荘の蔵にまで、こういう細かな意匠を凝らすなんて、

 

やはり原家はかなりの資産家だったのでしょうね。

 

 

レンガ蔵の奥には書斎が移築されていました。

この書斎は大正5年(1916年)6月竣工で、

 

鎌倉の腰越にあった別荘に増築されたものだそうです。

 

 

中は入れる感じではなかったので、窓から覗いてみました。

床の間付きの8畳の一間のようでした。

 

 

せっかくなので斜めからも書斎を一枚。

書斎として部屋を増築するのではなく、

 

建物そのものを増築するのも凄いですね。

 

 

せっかくなのでレンガ蔵を裏手から。

モダンな蔵にうっとり。

 

 

そして記念館の横には介寿荘の庭園にあった灯籠がありました。

濡鷺型灯籠という形だそうです。

 

以前、盛岡市内の賜松園という小さな庭園に

 

原敬が愛用した灯籠があると聞いて見に行ったのですが、

 

どれがそうなのか全く分かりませんでした。

 

少なくとも、これは間違いなく原敬愛用の灯籠ですね。

 

 

広い敷地内を見てまわることにしました。

内濠跡という案内がありました。

 

よく見ると、なんと最後に「大正十三年十二月」と書かれていました。

 

当時の案内板なのかしら? それとも復元?

 

文章自体は昔の文章だったので、ゆっくり読み下してみると、

 

屋敷の北側から水を引き入れた幅13尺の濠で、

 

老松堤に沿って南から東へ巡らされていたようです。

 

13尺というと約4メートルですね。

 

濠の東には水鳥も来ていたと書かれていたので、

 

かなり本格的な濠だったのでしょう。

 

 

ここが濠跡でしょうか?

濠は明治5年(1872年)に邸内の大部分を田畑に開拓した際、

 

内濠も埋め立ててしまったそうです。

 

できれば読みやすい現在の案内板も欲しかった

 

 

生家の裏手。

2階があるのが分かります。

 

 

昨日紹介しなかったのですが、生家のある部分に階段がありました。

非公開部分だからなのか、こんな感じでした。

 

 

茅葺の家は中々見られないので、色々なアングルで見てきました。

風情があっていいですね。

 

 

生家の横には東屋がありました。

こちらも介寿荘の庭園にあったものだそうで、

 

園遊会にも使われたのだとか。

 

 

応接室の前辺りに灯籠がありました。

賜松園で見た灯籠とは全然違います。

 

私は結局、あの庭園で原敬愛用の灯籠を見つけられなかったのかな。

 

 

原邸の池。

華美でなく、落ち着いた池で素敵。

 

左側に原敬の父・原直治が

 

南部の殿様から頂いた頂き桜が植えられているそうです。

 

頂き桜と池越しの生家を撮るはずだったのですが、

 

蚊が凄かったのであえなく退散。

 

再訪した時に撮ろうと思っていたのに、

 

結局この時に行ったきりになっちゃいました。

 

盛岡に行くまでは全く興味のなかった原敬ですが、

 

色々ゆかり地に行き、気になってきました。

 

東京にもゆかりの地があるので、そのうち行ってみようかな。

 

 

 

今回のおでかけ

★原敬記念館

  住所:岩手県盛岡市本宮4-38-25

  電話:019-636-1192

  開園時間:9:00~17:00(最終入館16:30まで)

  閉園日:毎週月曜日(祝日の場合は翌日)、12月29から1月3日

  入館料:一般200円、小・中学生50円

  駐車場:あり(無料)

  ※生家の公開は4月から10月の毎週土日、祝日の9時から16時

  公式ウェブサイト:原敬記念館(盛岡市文化振興事業団)

 

 

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