(1号墳の後円部)



☆ 美具久留御魂神社裏山(神奈備山)古墳群



河内国石川郡
大阪府富田林市宮町3-2053
(美具久留御魂神社境内に駐車可)



美具久留御魂神社のご本殿背後の「宮山」(「神奈備山」とも、標高103m)山頂に築かれた古墳群。計4基、前方後円墳1基と円墳3基という内訳。

◎1号墳
全長58mの前方後円墳
古墳時代前期

◎2・3・4号墳
いずれも小円墳
いずれも古墳時代後期

1号墳の後円部斜面上から朝顔型埴輪・円筒埴輪片が発見、1930年頃に付近から鏡1面が発見、6世紀の須恵器を伴う遺構が発見。
神域ということもあり本格的な調査はなされていないもよう。

1号墳は北の鍋塚古墳(藤井寺市、5世紀前葉)、南の真名井古墳(富田林市南旭ケ丘町、4世紀末、消滅)と同時期とみられているようです(ともに未拝)

その1号墳の後円部頂は、美具久留御魂神社「奥神籬」(天神奉齋所)となっています。これは「葬送祭祀」だったのではないかとも考えます。

築造時期が創祀・創建時期に近いと思われるため、被葬者も創祀・創建神話にまつわる可能性があり、また築造以降に墳丘頂で祭祀が行われたとは考えられません。

問題は被葬者。
創祀・創建神話の主な登場人物(神)は…
*出雲振根・飯入根
*丹波国氷上郡の氷香戸辺

武諸隅命は初代「丹後国王」の由碁理と思われ、丹後にて葬られたのでしょう。
出雲振根・飯入根兄弟は出雲国で葬られたのでしょう。
氷香戸辺についてはこれ以外の事蹟が見られず不明の人物(神)。「戸辺」とあることから巫女(シャーマン)であり、その地域の首長であったと思われます。

以上の中からは見出だしづらいところ。強いて言うなら氷香戸辺の可能性があるくらいかと。この創祀・創建神話にはまだ伝わっていない話があるのでしょうか。

*写真は2019年3月と2024年3月撮影のものとが混在しています。





1号墳。向かって右側が後円部、左側が前方部。

1号墳。前方後円墳の括れ部。向かって右側が後円部、左側が前方部。

1号墳の前方部。

1号墳の墳丘頂に立てられた石碑。

案内板。右上端に1号墳の前方部。



*誤字・脱字・誤記等無きよう努めますが、もし発見されました際はご指摘頂けますとさいわいです。