住吉神社 (奈良市今辻子町)


大和国添上郡
奈良市今辻子町10
(P無し)

■祭神
住吉三神(表筒男命・中筒男命・底筒男命)
九頭明神


「奈良町」二百五町の一、北西部「今辻子町(いまずしちょう)」に鎮座する社。東隣には徳川家康の位牌が納められているという西照寺、北東すぐには広大な開化天皇陵があります。

◎創建年代は不明。「奈良坊目拙解」(享保二十年・1735年)を始め古文献には「九頭神社(九頭明神)」として記され、もっとも新しいものでは天保九年(1838年)の石灯籠に「九頭社」とあります。「住吉神社」として記されるのは「全国神社調査報告」(明治十四年・1881年)が最初とのこと。この頃までに勧請されたようです。
◎この九頭明神が祀られる由緒については諸説有り。白山権現由来とされ、東隣の西照寺境内に鎮座する愛宕権現の小祠(未参拝)に祀られる愛宕明神と並んで、白山九頭権現が祀られるとるのは「奈良坊目拙解」。
また「九頭」は「国栖」であるとして、北隣の「油阪町」に鎮座する勝手神社に祀られる吉野勝手明神と並んで吉野国栖明神を祀るとする説も。さらにその勝手神社で吉野山口神(吉野山口神社)、並んで当社を吉野水分神(吉野水分神社)とするという説も。
◎その「油阪町」の勝手神社では、「勝手明神の祝言」と呼ばれる例祭が行われていたようです。これは六月の晦日に勝手神社で婚姻祝言を模した儀式を行った後、当社の例祭に参列するというもの。双方のご祭神からみても関連を持ち、対になっているのかもしれません。


境内は非常に狭いもの。

扉を開けて中に入ることができます。祠は春日下ろしのようです。



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