「斐伊川」沿いの八岐大蛇公園(島根県雲南市)
*2012年撮影





【古事記神話】本文
 (~その55 足名椎と手名椎・櫛名田比賣)




ついに紹介記事を上げる神社のストックが完全に枯渇しました。

まだ先日第54話の記事を上げたばかりですが、進めていきます。


高天原を追放された速須佐之男命。
何と!大氣都比賣神を殺してしまいました!




【読み下し文】
故に避け追はれ 而して出雲國之上河上 名は鳥髪なる地に降る 此の時 箸其の河の流れに從ひて下りき 是に於ひて速須佐之男命 以て其の河上に人有りと爲す 尋ね覓め上り往かば 老夫と老女二人在り 而して童女中に置ゑて 而して泣くなり 爾に汝等は誰その問ひ賜へば 故に其の老夫答へて言ふ 僕は國つ神 大山津見神之子 僕が名は足名椎と謂ふ 妻が名は手名椎と謂ふ 女が名は櫛名田比賣と謂ふ 


【大意】
高天原を追われた速須佐之男命は、出雲國の「斐伊川」上流の「船通山」の「鳥髪」という地に降臨しました。その時、箸が上流から流れてきたので人がいると思い訪ねて行くと、老夫婦がいて間に童女を挟んで泣いていました。「あなたは誰だ」と問えば、老夫は答えて「私は国津神である大山津見の子です。私が足名椎(アシナヅチ)、妻が手名椎(テナヅチ)、娘か櫛名田比賣(クシナダヒメ)と言います」と。


【補足】
◎スサノオ神の降臨地は出雲國の「斐伊川」上流の「船通山」の「鳥髪」という地。

◎「斐伊川」上流で出会ったのは…
* 足名椎(アシナヅチ)
* 手名椎(テナヅチ)
* 櫛名田比賣
そして老夫婦は大山津見の子であると答えています。この後の話は有名な、老夫婦と娘を苦しめていた八岐大蛇退治となるのですが…

いつも疑問に思うのが
大山津見が退治できないのか?

だから足名椎・手名椎は本当は大山津見の子ではないと思うのですが…。


「斐伊川」