天神神社 (瑞穂市居倉)


美濃国大野郡
岐阜県瑞穂市居倉字中屋敷781
(駐車スペースは参道途中に有り)

■旧社格
郷社

■祭神
高皇産霊神
神皇産霊神


「揖斐川」支流、「根尾川」東岸に広がる田園地帯、瑞穂市「居倉」に鎮座する社。東方には「長良川」の支流も流れており、記録には無いものの洪水等で流され遷座等があった可能性を考えます。瑞穂市の北端に位置します。
◎当社は元伊勢「伊久良河宮」の候補地の一。天照大御神の御杖代を奉戴し、鎮座地を求めて各地を巡幸した倭姫命は、大和から伊賀、近江を経て美濃国へ。
「倭姫命世記」には、━━垂仁天皇十年から四年間、倭姫命が天照大神を美濃の伊久良河の宮に祀った。美濃国造や県主は従者・税物・神田・三艘の船などを献上した。また采女として仕えた豪家出身の女官も税物・新田を献上し、その家族からは神事用の土器が献上された (大意)━━とあります。
◎他の候補地は根祭神社(天神神社、瑞穂市七崎)、神明神社(瑞穂市内宮町)、名木林神社(安八郡安八町)宇波刀神社(安八郡安八町)と、当社を含め計5社。
◎当社を候補地の一つ足らしめる所以はいくつか見られ、もっとも有力とされる趨勢に。
先ずは地名「居倉」。隣には「座倉」という地名も。次に境内に座す「御船代石」。周りは古来からの禁足地で神獣文鏡6面や30個余りの勾玉など祭祀遺物が見られるとのこと。つまり古代からの祭祀場であったとみなされます。古絵図には「御船代石」に対しての拝殿が描かれているようです。また当社はかつて「伊久良河宮 天神社」と称されていたとのこと。



「伊久良河宮」は当社で間違いないかの如くの石碑ですが…。



ご本殿は小ぶりながらも重厚な造り。候補地のもう一つ、瑞穂市七崎の天神神社と拝殿(舞殿か?)ご本殿等、ほとんど同じ受けて造り。

ご本殿と背後のタブノキ。


こちらがその「御船代石」。

奥の祠は右側(向かって左側)が神明神社(天照大御神)、左側(向かって右側)が倭姫命神社。



道路を挟んだ西側にはこのような史跡も。