☆ ヲドノ (「大殿」 神武東征伝承地)



大和国宇陀郡
奈良県宇陀市菟田野宇賀志
(宇賀神社の社前を南へ「血原橋」を渡り50mほど、さらに道なりに20mほど)



神武東征ゆかりの史跡。

八咫烏の先導により険しい吉野の山々を越え、宇陀の「穿邑(うがちむら)」入りしました。ここから大和入りするまで、記紀には濃密に描かれています。

まず最初に現れるのが兄猾・弟猾(エウカシ・オウカシ)兄弟。皇軍に帰属した弟猾に対し、兄猾は反抗します。

宴を催し神倭磐余彦(神武天皇)を接待すると見せかけ、実は罠を仕掛けて殺してしまおうと。ところが弟猾が密告。

先に入れと命じられた兄猾は、自ら仕掛けた罠にかかり命を落とします。

その宴用に建てたのが「大殿」。小字「ヲドノ」として地名にまでも残っています。

当地からわずか50m余りに宇賀神社が鎮座。こちらは本来は兄猾・弟猾、或いは彼らが奉斎した祖神を祀るという社。また社横には「血原橋」があり、これは失命した兄猾の血で川が真っ赤に染まったからと。

現地の形状を見る限り、兄猾の塚のように思えてなりません。





当地から宇賀神社を。写真中央の横長建物が社務所。

神武御手植えと言われる八ツ房杉(櫻實神社)まで1.4km。そのすぐ側には神武天皇による「日本初の城」という、「菟田の高城」があります。