宇賀神社 (菟田野宇賀志)
(うかじんじゃ)
大和国宇陀郡
奈良県宇陀市菟田野宇賀志1096
(P有)
■旧社格
郷社
■祭神
宇賀之魂神
神武東征に記される伝説地「宇賀志(うかし)」に鎮座する「宇賀神社(うかじんじゃ)」。菟田野の村里内に鎮座します。
◎現在は宇賀之魂神を祀りますが、原初は兄猾(エウカシ)・弟猾(オウカシ)、またはその祖神辺りを祀る社であったと考えられます。「菟田野町史」は宇賀斯魂神としており、本来はこの神を祀っていたと考えられます。
◎神武軍は難波の「白肩津」に上陸、大和へ向かおうとするも河内国の「孔舎衛坂(くさのへのさか)」で敗戦、紀伊半島を迂回し神邑(みわむら)を経て「荒坂津」へ。この時、全軍が神の毒気にやられるも「韴霊剣(ふつのみたまのつるぎ)」が降ろされ、辛うじて突破します。さらに熊野越えで進退に窮するも、八咫烏の道案内と日臣命(後の道臣命)の先導でこれを突破、ようやくたどり着いたのが当地。「穿邑(うがちのむら)」と称されます。
◎そして大和入り直前で対峙したのが兄猾・弟猾の兄弟。弟猾は神武軍に帰属したものの、兄猾は神武軍を陥れようとしていると弟猾が密告。仮宮を作り兵を忍ばせ、殺すための機械を施していると。道臣命は兄猾に対し自ら入るように命じ、兄猾は亡くなります。その仮宮の跡は「大殿」と称され当社の南すぐの地に(後ほど記事UPします)、また流れ出た血により「血原」と名付けられる川が社横を流れます。
*写真は過去数年に渡る参拝時のものが混在しています。