山の神 (潮石)
伊勢国度会郡
三重県度会郡大紀町滝原
(県道38号線より北へ折れたすぐ、「おおみやサイクリングターミナル」の西隣、「滝原1134-3」の東向かい)
(瀧原宮から徒歩20分ほど、短時間であれば周辺に停め置きできそうです)
■祭神
山の神
瀧原宮のご本殿の位置からおよそ150mほど南の位置に鎮座する社(瀧原宮のご本殿から直接アクセスはできません)。
◎幅、高さともに2m弱の「潮石」と称される巨石が御神体。古代祭祀の形態を残しています。据えられたように見受けられるため、「磐座」と解していいかと思います。
石碑が建てられ「天照大神御●●●」とあり、おそらくは倭姫命巡幸の伝承地なのであろうと思われます。それ以上は伝わっていないようです。
◎天照大神の御杖代として鎮まる地を求めた倭姫命が、「宮川」の急流を渡れずに困っていたところに現れ助けたのが真名胡神。「宮川」畔の多岐原神社に鎮まり、「三瀬の渡し」伝承地も。
真名胡神については土着豪族の首長であろうと思われますが、伊勢の神宮の成立過程を鑑みるなら宇治土公(ウジトコ)である可能性もあるかと考えます。宇治土公は丹後国から伊勢国へと移ったのではないかと思われますが、やはり海人族であったと。水江浦嶋子を輩出していることですし。
◎そう考えるなら「潮石」という海の香りがする不思議な岩名も納得のいくもの。原初は真名胡神による祭祀場であったのではないかと考えます。そもそも「まなご」というのは「細かい砂状の石のこと」であり、「三瀬の渡し」の河原はまさにその砂場。深い山中に居ながらも、かつての海の砂浜に郷愁を感じていたのでしょうか。