遠敷神社 (東大寺境内)
(おにゅうじんじゃ)


大和国添上郡
奈良市雑司町406-1 (東大寺内)
(近隣コインP等利用)

■祭神
遠敷明神(彦火火出見尊)


奈良を代表する風物詩、東大寺「お水取り」に関わる重要な社。二月堂の北東裏側、石段を登った高台に鎮座。二月堂への入口、長い石段を登ったところからさらに当社への石段有り。
◎「遠敷明神(おにゅうみょうじん)」とは若狭国に鎮まる彦火火出見尊のことで、若狭彦神社のご祭神。
「お水取り」という行事については「二月堂縁起」という書に、「実忠和尚二七ヶ日夜の行法の間、来臨影向の諸神一万三千七百余座、その名をしるして神名帳を定しに、若狭国に遠敷明神と云う神います。遠敷河を領して魚を取りて遅参す。神、是をなげきいたみて、其をこたりに、道場のほとりに香水を出して奉るべきよしを、懇に和尚にしめし給ひしかば、黒白二の鵜う、にはかに岩の中より飛出て、かたはらの樹にゐる。その二の跡より、いみじくたぐひなき甘泉わき出たり。石をたたみて閼伽井とす」とあるとのこと(東大寺サイトより)。
◎つまりは漁をしていて遅参した遠敷明神が、二月堂のほとりから清水を湧き出させたと。一方で若狭国の伝承では、遅参のお詫びとして「閼伽水」を送ると約束したとされています。
◎遠敷明神はまず遠敷郡下根来村「白石」に降臨したと伝わります(宮司さんは先に、若狭彦姫神社島山神社の地に留まったという伝承があるとしています)。その降臨地には白石神社が鎮座。「白石」から下ったところにあるのが「鵜の瀬」。この「鵜の瀬」より「お水送り」の神事が行われます(神事の主体は若狭彦神社の神宮寺である若狭神宮寺)。これは東大寺の「お水取り」に対応するもの。
「鵜の瀬」は東大寺の真北に位置し、東大寺二月堂の「若狭井」に地下で通じており、10日間かけて届くという伝説も。「若狭井」は閼伽井屋の中にあります。


二月堂入口前から、赤い鳥居が見える当社を。

参拝以外は立入禁止。