長谷山口坐神社 遥拝所


大和国城上郡
奈良県桜井市初瀬
(詳細住所不明、「初瀬880番台」と思われます)

■祭神(遥拝神)

天照大神
豊秋津姫神
豊受姫神
[愛宕神社] 愛宕大権現


與喜天満神社の御旅所。県道38号線、與喜天満神社や長谷寺へ通じる参道(初瀬街道)沿いにあります。
◎社頭案内によると「長谷山口坐神社の飛地境内で、今は木で、覆われているため見えないが、以前は正面に向かって四十五度見上げた小山の上の本殿を真直ぐ、遥拝できた。また、後ろの太鼓蔵の真下から、左上方向に見える小高い山頂(一本の大木付近)に祀られている愛宕権現(長谷塔頭の一寺)をも、合せて拝む場所であり、昔から『ふしおがみ』と呼んでいる」とのこと(原文まま)。
◎参詣道が賑わいを見せたのは遅くとも中世。天正十一年(1583年)には宿や店など200軒ほど建ち並んでいたとか。当遥拝所が設けられたのはその頃でしょうか。現在は木々に覆われ寂れたご本殿を遥拝できたようです。
◎愛宕大権現は東側の頂で祀られる愛宕神社のこと。式内大社 長谷山口神社の比定が正しいとすれば、その神霊が坐す頂に社が造られようはずもなく、比定違い或いは都に用材を供給する役目を終えた後に創建されていると思います。参道で火事でも起こった際に祀られたのでしょうか。
いずれにしても両社ともに重要な社であるという認識があったと窺えます。



「手力雄大神社遥拝所」と刻まれているのでしょうか。