風市森神社


紀伊国那賀郡
和歌山県紀の川市嶋368
(境内に停められるが進入口が狭いので要注意)

■祭神
天忍穂耳尊
丹生都比賣尊


「紀の川」北岸、紀の川市嶋に鎮座する社。近年の台風災害でしょうか、拝殿は崩壊し無惨な状態となっています。
◎創建時期等は不明。社伝では宝亀年中(770~780年)には既に鎮座していたとのこと。
◎原始は級長戸邊尊を祀る社であり、伊勢の「風宮」からの勧請とされています。これは豊受大神宮別宮 風宮からではなく、皇大神宮別宮 風日祈宮からであろうと思います。
風神を祀る地においては鑪製鉄が行われていた可能性を考えねばなりませんが、付近に山は無く該当しないのかもしれません。柳田国男氏が言うところの、台風災害が起きないようにと祈りを捧げた社であったのでしょうか。あるいは山で鑪製鉄に従事していた人々が降りてきて、農耕生活に帰したのでしょうか。
◎ご本殿は南向き。北方は「丹生谷」であり、おそらく鑪製鉄が行われていたと思われます。南方は「龍門山」方面。そのまま東部の「天野山(高野山)」へと連なります。こちらは丹生都比売の総本社 丹生都比売神社が鎮座。もちろん鑪製鉄が大々的に行われた聖地でした。
◎天忍穂耳尊(若一王子社)と丹生都比賣尊(丹生明神社)は近隣から遷座されてきたようです。遷座時期は延暦年中(782~806年)、かつては三社が並んでいたと伝わります。
◎拝殿崩壊は風神が起こしたものということでしょうか。これほどまでに無惨な状態であるにもかかわらず、ご本殿は見たところ一切の被害も無し。また近隣の民家にも大きな被害は無かったように見受けられます。これも風神の為業でしょうか。


ここから進入しますが、車は要注意。


拝殿は壊滅的に。


扁額は「風一森神社」。


境内から鳥居越しに南方の山々を。おそらく龍門山かと思われます。