風宮 (豊受大神宮別宮)


伊勢国度会郡
三重県伊勢市豊川町279
(豊受大神宮P利用)

豊受大神宮別宮(4社中の第4位)

■祭神
豊受大神宮の宮域内、別宮が三宮揃う正殿の南方、「檜尾山」の麓に鎮座します(山頂には多賀宮が鎮座)。
◎創建時期は不明。「長徳検録」(997年)の風社と記されるものが当社のことであろうとされ、これ以前の創建と推されます。末社格の扱いであったと考えられています。
◎「別宮」となったのは正応六年(1293年)のこと。これは皇大神宮別宮 風日祈宮と同時に昇格したもの。弘安四年(1281年)の元寇の際に勅使が神宮に派遣され、「風神社」と「風社」にて戦勝祈願、奇跡な台風により元寇に勝利したことで「風神社」が皇大神宮別宮へ、「風社」が豊受大神宮別宮へと昇格したというもの。
風日祈宮は「イセの大神」が持つ神格、太陽神・雷神・風神のうち風神としての神格を祀っていた社が元寇の功により別宮へと昇格したと考えるのは、「アマテラス」研究の第一人者である筑紫申真氏。それに対して当社の方は、皇大神宮に合わせて風神を祀る社を創ったのではないかと思います。当事は既に「イセの大神」の神格は太陽神であることのみが取り沙汰され、雷神風神といった神格は忘れ去られていたのではないでしょうか。

※写真は2018年6月撮影のものです。