宇須井原神社
(うずいはらじんじゃ)


紀伊国名草郡
和歌山市宇須2-1-17
(P有)

■旧社格
村社

■祭神
天照皇大神
豊受大神
宇須彦神
伊弉諾神
事解男神


和歌山市内の市街地「宇須(うず)」集落内に鎮座する社。
◎井原神社が鎮座していたところに宇須神社が遷座され合併、合わせて宇須井原神社に。合併時期から、明治の合祀令によるものかと思います。
◎宇須神社は宇須彦神を祀る社。宇須彦神とは神武東征の際に「速水門(はやすいのと)」で現れた国つ神で、東征軍の先導役を担った神。珍彦宇豆彦などとも表記されますが、椎根津彦の名を賜っています(倭宿禰の名も)。紀氏との繋がりも考えられ、当地にて祀られたものかもしれません。
*参照 → 椎根津彦命(倭宿禰)考 ~1~2

創建由緒は元より創建時期さえも分かっていません。式内社となっていないのが気がかりですが、相当な古社であると考えています。
◎一方の井原神社は慶安元年(1648年)に徳川家の祈って建てられたという新しい社。
◎「宇須」については「紀伊国続風土記」が、「宇須」或いは「宇津」とも書くとし、「宇津」は「宇治」と同じ訓であるとしています。その「宇治」は「内」の意味であり、名草濱の入海であったからとしています。