伊豆志彌神社
(いずしやじんじゃ)


丹後国熊野郡
京都府京丹後市久美浜町出角宮ノ谷718
(境内にP有るものの荒廃して進入できず、お尻だけ辛うじて突っ込みました)

■延喜式神名帳
伊豆志弥神社の比定社

■祭神
出石心大臣命(イズシココロノオオオミノミコト)


丹後にあって但馬の神を祀る社。久美浜湾に注ぎ込む「川上谷川」沿いに形成される集落の最奥に鎮座します。丹後国や但馬国が丹波国より分国したのは和同六年(713年)のこと。当社創祀はそれよりも遥かに遡るようです。
◎「丹後舊事記」には「垂仁天皇の朝 川上摩須郎勧請」とあります。伝わっている由緒らしきものはその程度。但馬の神を祀ること、往古は「箱森大明神(筥森大明神)」と称されていたこと、かつての小字名は「白石」であったこと、手がかりもその程度と式内比定社にもかかわらず物足りなさは否めません。
◎なお出石心大臣命は「先代旧事本紀」によると饒速日尊三世孫とある物部氏の祖。第5代孝昭天皇の即位元年に大臣に任じられたとあります。これは「天皇本紀」にも「天孫本紀」にも記されること。ただしこの時代に大臣という役職が存在したのかどうか。紀では第13代成務天皇三年に武内宿禰が任じられたのが最初。これすらも疑われていますが。
◎御子神は大水口宿禰が記されます。大水口宿禰大和神社創建に至る件で登場する人物(神)で、穂積氏の祖。大和国城上郡水口神社や近江国甲賀郡水口神社にて祀られます。またその子には大矢口宿禰が記されるも、出石心大臣命の子とする説も。


古びた小さな集落の最奥に鎮座。かなり寂れてしまった社に。