☆中山大塚古墳


大和国山邊郡
奈良県天理市中山町461・494
(御旅所坐神社に駐車可)



■形状
前方後円墳
■全長
130m(推定)
■築造時期
古墳時代前期初頭
■埋葬施設
竪穴式石室
■出土品
特殊器台破片、銅鐸片、鏡片、鉄剣片(ほぼ盗掘済み)
■周辺の状況
「大和古墳群」の中の「萱生古墳群」の一
大和古墳群、柳本古墳群、纏向古墳群と南北に連なる日本有数の大古墳群
南側には墳丘を削り御旅所坐神社が鎮座しており、かつての大和神社の神域内であったと考えられる
■被葬者



「宮山型特殊器台」が出土した(破片)古墳というのが最大の特徴でしょうか。 
これをもって最古級の古墳と決定付けられました。

「特殊器台」というのは
吉備地方から発生しています。

祭祀用の器台と考えられる縦長の焼き物、
須恵器あるいは埴輪の前身といったところでしょうか。

古墳ができる前の弥生時代後期後葉から始まり、古墳時代前期初頭で終末を迎えます。
吉備の特殊器台は弥生前期から出土していますが。

発見されるのは首長級の墳丘墓(弥生時代のものは「古墳」とは言わない)からで、大和では北方すぐの衾田陵(西殿塚古墳)東殿塚古墳から出土しています。

神饌などを供える祭祀用として用いられたと考えられ、Wikiでは「亡き首長の霊力を受け継ぐ」と。
さらに「相嘗」はまだしも「直会」にまで言及しているのはどうかと思いますが。

この「特殊器台」のうちの終末期に現れたのが「宮山型特殊器台」。
吉備で1箇所、大和で4箇所発見されています。
当古墳はその1箇所ということに。

他に銅鐸片なども発見されていますが
何しろ盗掘済みのためすべて破片のみの出土。

被葬者については
御旅所坐神社の案内板には渟名城入姫命としています。

※写真は2019年6月と2021年1月撮影のものとが混在しています。