☆景行天皇 山邉道上陵 (渋谷向山古墳)
(やまのべのみちのえのみささぎ)



大和国城上郡
奈良県天理市渋谷町
(国道169号線沿い、P有)



第12代景行天皇の治定墓、墳丘長300mの巨大前方後円墳。奈良県民にとっては当たり前すぎる古墳ですが、記事にしておきます。

古墳時代前期に築造。この時代の古墳としては破格の大きさ。

すぐ近くには、
*北に行燈山古墳(崇神天皇 治定墓)242m
*南に箸墓古墳(倭迹迹日百襲姫 治定墓)278m
もう少し北に上ると
西殿塚古墳(手白香皇女 治定墓)230m
古墳時代前期、破格の巨大墳が並んでいます。

第10代の崇神天皇陵が「山邊道勾岡上陵」、

第12代の景行天皇陵が「山邊道上陵」とあまりにも墓名が近似。治定間違いで入れ替わっているとする説もあります。

拝所は前方後円墳の前方部を拝礼する形、東北東を向いているということになります。

これは箸墓古墳と同じ方向。箸墓古墳は中心線をこのまま伸ばしていくと穴師坐兵主神社となり、さらに先は「ゲシノオオダイラ」つまり旧社地となることが小川光三氏の研究で明らかになっています。

ところが当古墳の中心線を延長しても、何も当たるところがありません。一方で南東を向いている行燈山古墳は延長すると「ゲシノオオダイラ」辺りになります。

そういうことからも崇神天皇と景行天皇の墳墓は入れ替わっているかもと考えています。

そもそも偉大な祖父 崇神天皇の墓のすぐ近くに、それよりも大きな墓を造ることはないだろうという思いも。

*写真は2019年5月と2022年8月撮影のものとが混在しています。





墳丘端部と「三輪山」。