鳥坂神社 (伊賀市甲野)


伊賀国山田郡
三重県伊賀市甲野字石神1301
(P無し、鳥居向かって左脇に社務所らしきものがあり奥は行き止りのためそこに停めました)

■延喜式神名帳
鳥坂神社の比定社

■旧社格
村社

■祭神
武内宿禰
大日孁貴命
愛鬘命(ツケノリノミコト)
[合祀] 彌都波能賣命 弥五郎 大山祇神 木花咲耶姫命 速玉之男命 大山咋神 健速須佐之男命


小さな山里の集落、伊賀市甲野の小山の麓に鎮座する社。「石神」という地名から想像されることもありますが、特に石などは見当たりませんでした。
◎遷座の歴史があるらしく、元は当地から東方2kmほどの「鳥坂山」に鎮座しており、「沢田明神」という社名であったとか。遷座の原因は戦国時代の戦火による焼失のためのようです。
◎創建由緒については不明ながら、ご祭神三柱から見えてくるものがあります。神明・若宮・勝手の三座を祀っていたとされ、それぞれが大日孁貴命・武内宿禰・愛鬘命に宛てられます。大日孁貴命は当地の産土神、武内宿禰は村民の祖神とされています。どの後裔氏族かまでは不明。そして愛鬘命(ツケノリノミコト)は、近江国愛智郡三津村の源三郎という者の祖先が当地を開拓した際に、当社に配祀したという伝承があるようです。その三津村と推定される現在の彦根市三津町には、勝鳥神社(未参拝)が鎮座します。天稚彦命が阿遅鉏高日子根神により葬られ、「勝鳥石」を立てたとされる地に建つ社。
いずれにせよ「鳥」と縁の深い社のようで、氏子たちは鶏卵を食べないという習慣まであるようです。
◎「式内社 鳥坂神社」については論社がいくつかあります。かつて「出後」という地の同名社、「平田」という地の同名社がありましたが植木神社に合祀されています。また鸕宮神社も挙げられています。


朱の欄干が掛かる橋は「赤川」に。製鉄鍛治が連想されます。