天岩戸神社 (元伊勢皇大神社 奥宮)


丹後国加佐郡
京都府福知山市大江町佛性寺字日浦ヶ嶽206-1
(皇大神社有料Pより徒歩20分ほど、皇大神社からは10分ほど)

■祭神
櫛石窓戸命
豊石窓戸命


◎福知山市大江町の「元伊勢三社」の一。「元伊勢三社」の構成は皇大神社(内宮)、豊受大神社(外宮)、当社の三社。その当社は皇大神社の奥宮とされることも。
皇大神社或いは当社の御神体山とされる「天岩戸山」(日室ヶ嶽)と、皇大神社が鎮まる「宮山」との間の渓谷。屹立する岩盤にへばりつくようにご本殿が鎮座します。秘境中の秘境であり、衆知の観光スポットとなった今もなお俗人から穢されない威厳を保ち、畏怖の対象でも。
◎御神体は「御座石」という社殿背後の巨岩。他に「神楽石」、「鶏鳴岩」など祭祀対象となっている岩があるようです。これとは別に「天岩戸山」(日室ヶ嶽、標高427.3m)の山頂に祭祀跡の岩があるらしく、これをもって御神体とも。
また50mほど下には神が湯浴みしたという「産盥(うぶだらい)」といった巨石も座しています。
◎なお「天岩戸山」から「伊吹山」を結んだライン上に「富士山」があり、レイラインの一つと考えていいかと考えています。
◎ご祭神は櫛石窓戸命と豊石窓戸命。「神祇官の西院に坐す御巫らの祭る神二十三座」のうち「御門の巫の祭る神八座」として、「櫛石窓神」「豊石窓神」がそれぞれ皇居の四面の門ごとに一座ずつ祀られています。
「延喜式」の「御門祭祝詞」では、━━四方の内外の御門に堅く塞がり、天のまがつひという邪悪な神の言葉をしりぞけたり侵入を防ぎ、門の開閉とともに出入りする人を見守るといった働きをするため、この御名を持つのだと讃えられている━━とあります(國學院大學 古事記学センターより)。
◎これとは別に櫛御毛奴命とするものも。熊野の大神であり、スサノオ神と同神とするのが有力。一方、皇大神社はご祭神については触れておらず、当社案内板には「当天岩戸神社は、往昔地神の元始神天照大神篭居ましし霊地にして…」と記すに留めています。
◎なお「大江町誌」は配祀神として大宮売命と八意思兼命を挙げています。


※写真は2016年秋頃、2017年11月頃、2022年10月撮影のものとが混在しています。


こちらは皇大神社参道。直接当社への登拝も可能ですが、まずは皇大神社から。


「天岩戸山」。息を呑むほどの美しさ。当社への参道の途中に遥拝所があります。

皇大神社からの参道。

参道は車が通れるほどに整備されて広く、特に問題無くたどり着けます。

「龍燈明神」。詳細は*神の庭* 天岩戸神社にて。




神前には鎖を伝って。雨天の日は滑るので要注意!



写真の真ん中やや右に黒い窪みが見えます。これが「産釜」。

滝壺は「産盥(うぶたらい)」と呼ばれています。