味鋺神社
(あじまじんじゃ)


尾張国春部郡
愛知県名古屋市北区楠味鋺2-736
(P有)

■延喜式神名帳
味鋺神社の比定社

■旧社格
郷社

■祭神
宇麻志麻治命
味饒田命(マジニギタノミコト)


物部氏の祖神である宇麻志麻治命と、その御子神の味饒田命を祀る社。
◎宇麻志麻治命は神武天皇の大和平定を助けた後に、物部一族を率いて皇城守護を行っていましたが、尾張国平定へと向かったとされます。当社はおそらくそのときに留まった由縁から祀られているのであろうとされます。
その後は美濃国、越国へと向かい、最後は石見国で崩御します(→ 物部神社境内に墓所有り)
◎当社周辺に「味鋺古墳群」と「味美(あじよし)古墳群」が、わずか1kmほどを隔てて群集します。かつては「百塚」とも称されたように、合わせて100基以上あったとか。残念ながら開発等により「味鋺古墳群」は1基、「味美古墳群」は4基を残すのみで他はすべて滅失しました。
「味美古墳群」の中核を為す味美二子山古墳の墳丘には、味美白山神社が鎮座します。かつては物部神社が鎮座していたものが、現在は飲み込まれ合祀されています。
◎おそらくこれらの古墳群は、物部一族のものと考えるのが素直な解釈かと。築造時期は概ね6世紀初頭とされていますが、ほぼ滅失してしまっているため不明。当社の創建時期は不明ながら、この6世紀初頭辺りと考えられます。
◎ご祭神は神名帳においては一柱。宇麻志麻治命あるいは味饒田命のいずれかかと思われます。往時の歴史から、そして社名から宇麻志麻治命とするのが有力なようです。
◎なお北隣には寺院があり、当社はその鎮守社として創建されたようです。当社境内もその影響が非常に強く、神氣はまったく無く毒されてしまっているのが残念。