白山神社 (味美白山神社)
(はくさんじんじゃ・あじよしはくさんじんじゃ)


尾張国春部郡
愛知県春日井市二子町2-11-3
(一帯が「二子山公園」となっており駐車可)

■延喜式神名帳
[合祀社 物部神社] 物部神社の論社

■祭神
伊邪那岐命
伊邪那美命
菊理比売命
可美真手命
天児屋根命


「味美白山神社古墳」の墳丘に鎮座する社。かつて600~700mほど西方にあった白山神社が、万治二年(1659年)に当古墳の墳丘に遷座されています。この時に同じ「二子山公園」内の「味美二子山古墳」の墳丘頂に鎮座していた、式内社 物部神社を合祀したとされています。ご祭神五座のうちの可美真手命がそれにあたるでしょうか。
創建時期については両社ともに不明。物部神社については、「味美二子山古墳」が6世紀前半築造とされるのでそれ以降、また神名帳編纂の10世紀初頭までの創建となります。
「二子山公園」内には当社が鎮座する「味美白山神社古墳」、当社御旅所の「御旅所古墳」、御旅所古墳の墳丘頂に遷座される前に鎮座していた「味美春日山古墳」(当公園から300mほど北西の外)、そして中核となる「味美二子山古墳」があります。これらは「味美古墳群」と呼ばれています。かつてはさらに6基以上あったとされ(開発により消滅)、計10基以上の古墳群だったようです。
また南方300m程度には29基以上はあったとされる「味鋺(あじま)古墳群」が(開発により全消滅)。築造時期に違いはあれど、一連の古墳群と考えられています。当公園内にかつてあった物部神社、「味鋺古墳群」近くに鎮座する味鋺神社と、いずれもウマシマヂ神を祀っており、物部一族の拠点であり古墳であったとして差し支えないかと思います。
なお隣接して御旅所古墳があり、墳丘頂には春日神が祀られます。こちらはかつて「春日山古墳」の墳丘頂に祀られていた社が遷座されています。
◎白山神社古墳
【規模、形状】全長86mの前方後円墳、周濠有り
【築造時期】5世紀末から6世紀初頭
【出土品】埴輪列(家型・人型形象埴輪)、須恵器 ※いずれも周濠から出土、神社境内は発掘されていないようです
【周辺の状況】前述の通り 全長96mと一回り大きな「二子山古墳」が隣接
【被葬者】不明ながらも首長級の古墳であると考えられます。

※写真は2017年9月撮影のものです。



この石段から墳丘に。

境内の形状から前方後円墳であることがよく分かります。






こちらが御旅所古墳。同じ公園内、わずか数十mほどしか離れていません。