伊弉諾神社 (生駒市上町)


大和国添下郡
奈良県生駒市上町4447
(長弓寺駐車場利用)

■延喜式神名帳
伊邪奈岐神社の比定社

■旧社格
村社

■祭神
伊弉諾尊
素盞嗚尊
大國主命


長弓寺という仏教施設の境内、最奥に鎮座。
◎この施設の鎮守社とされますが、本来は神が鎮まる地を占領、寺が建てられたものと思われます。境内を総括する鳥居が最前に。中世の頃より僧侶が神官を務め、明治の神仏分離令においても、施設の排除は行われず悲しい歴史を歩んで来ています。
◎当社を式内社 登彌神社とする説があります。比定社の登彌神社とはまた別に。当社は往古、饒速日神を祀っていた神社であるとするのは、ほぼ周知の事実。饒速日神は「生駒山」(河内の哮ヶ峰)に降臨。そこで神祀りが行われていたのを麓に降ろしたものと思われますが、西は石切劔箭神社、東は当社であろうと。原初の神祀りの地を「上ノ社」(現在の上ノ社とは異なる「奥宮」)、東西に降ろした地をそれぞれ「下ノ社」。そして当社は延喜の頃には「伊邪奈岐神社」となっていたのであろうと思われます。
当地一帯の饒速日神を祀る神社が生き残りを図るため、軒並み祭神替えをしていますが、当社もその一つだろうとみられます。
◎ 当社の西1kmほどに饒速日命の墳墓とされる地があり、南400~500mに父神を祀る天忍穂耳神社、東300mほどに「宮山」があり饒速日神を「天羽羽弓」とともに鎮めたとされる「真弓塚」、南3kmほどに長髄彦の墳墓という伝承が残る添坐御縣神社(三碓)など、他にも伝承地が多くあります。

*写真は2018年9月頃と2022年8月撮影のものとが混在しています。


この少し手前に「長弓寺」と書かれた石碑があります。

当社は寺の境内の最奥に。

背後の丘陵には磐座があるのかもしれませんが、立ち入る術はありません。





当社境内の少し北側に。富士権現と刻まれているように思います。