杉尾神社


紀伊国名草郡
和歌山県海南市阪井1858
(P有るが狭くて急な坂なので、社前のお家に一声かけて道路脇に停めるのがベターか)

■祭神
誉田別命
[配祀] 表中底筒神 宇賀魂神 大己貴命 猿田彦神 大年神 奇稲田姫命 事代主命 市杵島姫命


ご祭神は神社側からの指摘もあるように名草戸畔の胴を祀っていると考えられています。通称「おはらさん」。
神武軍に誅されたと記される女首長の名草戸畔。八つ裂きにされ、頭は宇賀部神社に胴は当社に足は千種神社に葬られたとされます。一説には死体をばらして葬ると、そこでは五穀豊穣となると古代人は考えていたとも。オオゲツ姫神話などにも出て来ています。
地元の伝承を丹念に調べ上げまとめた、なかひらまい氏によると、神武軍は名草軍に敗れ追い返されたとし、名草戸畔はその際に亡くなった、あるいは後に亡くなったとしています。おそらくこれが真相であろうと思われます。
大山祇神とされるのは、ここに姫の胴を葬ったことを隠さなければならなかったためか。他の二社も同様に別のご祭神があてられています。
元々は背後の高倉山をご神体とする山神(大山祇神)が祀られる社だったのかもしれません。宇賀部神社の伝承では、この高倉山の上方に名草戸畔の墓所があるとのこと。
この辺りに来ると、悲劇の女王名草戸畔が現在に至っても篤く崇敬されていることがひしひしと伝わります。






左上に少しだけ見えるしゃもじ。お腹の神とされるため奉納されているようです。