宇賀部神社(うかべじんじゃ)


紀伊国名草郡
和歌山県海南市小野田917
(駐車場完備)

■祭神
宇賀部大神
[配祀] 荒八王子命 誉田別命


宇賀部大神は迦具突智神とされていますが、神社側からの指摘もあるように名草戸畔(ナグサトベ)の頭を祀っていると考えられています。
通称「おこべさん」と親しまれ、頭(こうべ)からきていると考えて間違いなさそうです。
◎紀の記述によると神武軍に誅された首長の名草戸畔。八つ裂きにされ、頭は当社に胴は杉尾神社に足は千種神社に葬られたと一般的にはされています。一説には死体をばらして葬ると、そこでは五穀豊穣となると古代人は考えていたとも。オオゲツ姫神話などにも出て来ています。
カグツチ神とされるのは、ここに姫の頭を葬ったことを隠さなければならなかったためか。他の二社も同様に別のご祭神があてられています。
◎元々は背後の高倉山をご神体とする山神(大山咋神)、もしくはカグツチ神が祀られる社だったのかもしれません。ここに名草戸畔が眠っている、つまり墓所とするのは当社家の口伝。現在の境内は高倉城跡のようです。
社家は名草戸畔の裔であろうとされます。またその小野田氏は1974年にフィリピンルパング島で発見された残留日本兵。
◎この辺りに来ると、悲劇の女王名草戸畔が現在に至っても篤く崇敬されていることがひしひしと伝わります。神社も非常に美しく整備され、参拝者に対して丁寧な案内等のおもてなしも。頭の神なので、姫神のご神徳は特に子供さんに及んでいるようで微笑ましい限り。