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ZEL's:写真とジオラマとプラネタリウム

趣味は写真、プラネタリウム巡り、科学施設巡り、ジオラマ初心者、フィギュアスケート観戦、かつてはゲーム音楽の作曲も。
2021/8月にこのブログを開設。

大洗港(茨城県東茨城郡大洗町)。

大洗~苫小牧航路(深夜便)を就航していた「さんふらわあ だいせつ」が引退するということで、見に行きました(1/20)。

苫小牧からの最終便として、大洗港に到着していました。

別れを惜しむかのように、雨が降っていました。

 

 

 

 

「さんふらわあ だいせつ」は、もともとは九越フェリーの「ニューれいんぼうらぶ」として建造され、就航していた船。2007年から「さんふらわあ だいせつ」に。

2015年には航行中に積荷のトラックから火災が発生。二等航海士の方が亡くなりました。ニュースでもご覧になった方が多いかと思います。

その後、修復して復帰。壮絶な経歴を持つ船ですね。

 

「さんふらわあ だいせつ」の後を継ぐのは、新造船「さんふらわあ かむい」。

その船が同じ日、同じ時間に大洗港にいました。

 

 

 

こちらは重油ではなく、LNG燃料で推進するフェリー。

船首が流線形になっているのが特徴的。そしてこのブルーのデザインが斬新です。

 

引退する船と、その後を継ぐ船。

同時に同じ港で見られるという印象的な光景でした。

 

私は「おがさわら丸」や松山・小倉フェリーには乗ったことがあるのですが、残念ながら「さんふらわあ」に一度も乗ったことがありません。

子供の頃に住んでいた名古屋港でも、見たことがあります(今はもう就航していませんが)。太陽のマークがカッコよく、憧れでした。

ぜひ一度、機会を作って乗ってみたいと思います。

 

<訪問日:2025年1月>

東海原子力館 別館(茨城県那珂郡東海村)。

 

 

前回紹介した原子力科学館は「茨城原子力協議会」の運営でしたが、こちらは原発を持っている原電(日本原子力発電)の運営施設です。まさに宣伝のための施設。

 

もともとは東海原子力館(東海テラパーク)が東海第二原発の敷地内にあり、自由に見学できました。しかし昨今の原発のセキュリティ強化の影響か、そちらは事前予約制に変わってしまいました。

その代わりに、予約不要で自由に見学できる施設として、この「別館」が作られたようです。東海村の街中にあり、見た目は普通の店舗。

 

 

中身もこんな感じで、ちょっとしたパネル展示と、ビデオのみ。

主に、今実施している東海第二の安全対策を紹介していました。

 

 

私はすでに東海第二の見学ツアーでだいたい理解していたので、ここで特に目新しい情報はありませんでしたが、どんなことをやっているのかを知りたい方にはよいかもしれません。

 

東海テラパークのほうは世界の原子炉の種類や仕組みなどをガッツリ展示している施設なので、それと比べると全く物足りないというか、別物の施設です。

まあ原子力科学館と同様、もう原子力を前面に宣伝する施設というのは受け入れられないのが現在の状況とも言えます。

 

店舗の裏側の駐車場にも、展示がありました。

東海第二の防潮堤に使われている鋼管杭の実物。

本物は見学ツアーに参加しないと見られませんが、ここで見ることができます。

大きさがよくわかります。

 

 

東海テラパークの事前予約に申し込みたい気もしますが、もう撮影などは禁止かもしれません。そう思うとちょっと躊躇します。

 

<訪問日:2024年10月>

原子力科学館(茨城県那珂郡東海村)。

 

 

 

原子力科学館という名の通り、簡単に言えば原子力の宣伝のための施設です。

入場無料。

「茨城原子力協議会」というところが運営しています。

 

以前にも来たことがあるのですが、記録のために再度訪れました。

が、かなり以前とは変わった施設になっていました。

どうやらコロナ後に、大きなリニューアルがあったようです。

 

 

 

 

以前は、原子炉の仕組み、原子力発電所の構造などを説明する展示物が前面に押し出されていたと思います。

ところがそのようなものはほぼ無くなり、「原子力」はトーンダウン。

これはやはり福島第一原発の事故の影響でしょうか。

 

世界最大級の霧箱。

確かに巨大でした。が、機器の不調のためか、一部の領域しか稼働していませんでした。残念。

 

 

 

 

ウラン鉱石の実物が置いてあるのはよかったです。

やはり実物の説得力は大きい。

 

 

ジオラマ(模型)コーナー。

これらは昔からあるものかと思います。この昭和の展示物のほうが、やはり魅力を感じます。

 

 

大洗にある高速実験炉「常陽」の模型。

 

 

これは原子力科学館の目の前にある JAEAの研究用原子炉 JRR-3。

 

 

こちらは日本初の原子炉 JRR-1。

昭和っぽさを感じる模型です。

 

 

J-PARCのジオラマもありました。

 

 

2階に上る階段から見たところ。

 

 

2階にもスペースがあり、原子力関係の書籍コーナーなどもありました。

興味がある人はそちらの書籍のほうが勉強になるかも。

 

 

原子力科学館には「別館」があります。

こちらは何かというと・・・

 

 

 

こちらです。JCOの臨界事故の展示。

当時の状況を再現し、ビデオで詳しい説明が流れます。

 

 

JCOの事故当時、私はここに住んでいて状況をよく覚えています。

会社で勤務中に、誰かがネットニュースで知ったのか、「東海村で何かあったらしい」と噂が流れ始めました。

臨界事故が起きて、周辺の放射線量が上がっていると。

今日はみんな早く帰れ、という社内アナウンスが流れました。

帰り道は大渋滞。

そして、もう臨界事故は収束したかと思っていましたが、実は継続中だったと後で知りました。

何も知らずに JCOの近くの国道をのんびり走っていました。(あとで青ざめました)

 

その夜のニュースで、NHKでは水野倫之氏が臨界事故について精力的に解説。

翌日は会社も臨時休業になり、街はコンビニも閉まり、ゴーストタウンに。

常磐道も閉鎖されました。

その後の風評被害などは、皆さんご存じのとおりです。

周辺住民は、私も含めて放射線の測定検査を受けました。

 

話を戻します。

その忘れてはならない臨界事故を再現する展示。

以前は展示機械がちゃんと稼働していたのですが、今はビデオが流れるだけになっていました。

それでも、この悲惨な事故を二度と起こさないよう、この展示はずっと残していただきたいと思います。

 

<訪問日:2024年10月>