皆さん、こんばんは。
俳優・涙ソムリエの佐伯恵太です。
今回は、
このブログでも度々紹介している『ろんぶ〜ん』の話題です
#1 NHK Eテレ『ろんぶ〜ん』が面白すぎるから全国民にまず一回観てほしい!!
#2 【M-1決勝漫才師の場合】『ろんぶ〜ん』で紹介された漫才のツッコミ技術「身体ノリ」を調べてみた
#3 ろんぶ〜んで紹介された『仕掛学』が面白い!僕が思う「キングオブ仕掛学」と、僕が考えた仕掛け。
是非過去記事もご覧ください
前回のテーマは『感動』でした
一つ目に紹介されたのは、遠く離れた場所に拍手を届けるために開発されたロボットと、そのロボットに関する研究でした
感動を伝える手段としての「拍手」
拍手の音の解析に始まり、どういった素材でどのような構造で作るとその音が再現できるのか、というところもしっかり研究されているようでした。
そしてさらにそのロボットを使って、例えばお笑いライブならその会場ではなく遠方から配信で観ている人が面白いと感じた程度に応じた強さでロボットが拍手を送る、という仕組みでした。
この論文もとっても面白かったのですが、僕が注目したのは次に紹介された論文です
「感動」喚起のメカニズムについて
というタイトルの、東洋大学、社会学部社会心理学科教授の戸梶亜紀彦先生の論文です。
感動のメカニズムについて、3千人の感動体験を分析して執筆された論文です。
3千人もの感動体験を集めたということも凄いですが、驚きなのは、先生が20年前に感動の研究を思いついた時に、先行研究が殆どなかったということ。
人類は長い歴史の中で「感動」し続けてきたというのに、それについて研究されてこなかったのです
心理学の世界では鬱や悲しみなど、ネガティブな心理や心の状態はよく研究されてきたものの、感動などポジティブなことについての研究がそもそも少なかったとのことです
先生が感動体験のアンケートを取られた結果、以下のように分類されました。
◎とても強い愛情・友情・思いやり
◎愛する人との死別・離別
◎苦難を乗り越えてつかんだ勝利
◎生き別れた者との再会
どれも「感動」することとしてしっくりきますよね。さらにここから、感動には様々な感情が含まれることがわかります。
喜・悲・尊敬・驚
この4つの感情に分類されました。
言われてみると、という感じですが、研究として大量のデータを集めてしっかり分析されていることに価値を感じます。
さらにそれらの感動がどういう時に起きるのかという解析に進み、
感動とは緊張の緩和
によって起きる、ということが導き出されます
受験勉強という緊張状態から、受験に合格することでの緩和。
愛する者の死という緊張状態から、それにより訪れた平和な世界という緩和。
こんな風に、緊張と緩和が重要だということを説明されていました
またさらに、緊張→緩和のステップに進むまでに登場人物にしっかり「感情移入」していることが大事で、そのためには「人物像」と「エピソード」から、その人物への関心が高まっている状態になっていることが大切、とのことです。
日常生活で考えれば、親友が受験に合格するから感動するのであって、知らない他校の生徒が合格しても感動しない。映画でも一緒で例えば「ビリギャル」だったら映画の主人公のさやかが合格するから感動するのであって、合格発表のシーンで見切れているその他大勢の生徒が合格しても特に感動しないわけです
人類は長年「感動」し続けているから感覚的には理解出来ていることだけど、こうして研究することで例えばロボット×感動、みたいにロボットが人を感動させるということに繋がるかもしれないと思います。
また、どういうことに感動するかというのは時代によっても変わっていくし、国による違いなどもあるので、そういったこと部分をしっかり検証していくというのも大事なことだと思います
また、僕たち俳優にとっても「感動」は一生向き合うべき課題なので、人一倍、感動というのはなんなのか。これからも考えていきたいと思います。
そして僕は「涙活」に携わっている立場でもあるので、感動や涙ということはまさに研究すべき内容。
実はこの論文を書かれた戸梶先生にも以前直接お話を伺い、色々と教えていただきました
涙と感動は密接に繋がっているし、涙について語る上で「感動」について知ることは絶対に切り離せないテーマだと思います
「ろんぶ〜ん」の放送を観て、涙や感動に関する研究を深めて論文を書きたいという気持ちが益々膨らみました
いつかこのブログで僕自身が書いた論文についても紹介できる日が来るように、研究者マインドで日々を過ごしていきたいと思います。
毎日「涙活」をしている中で感動の涙については日々研究していますので、どこかで発表したいと思います。
僕の今のところの結果だと、涙を流せば流すほど、涙もろくなるようです
共感しやすくなったり、泣くことに抵抗がなくなったり、要因は様々あると思いますが、そのあたり、検証していければ面白そうです。
ちなみに、僕の中で優秀な記録としては、『世界の中心で、愛をさけぶ』(日本テレビ系、2004年放送)TVオリジナル・サウンドトラックに収録された「1987年、夏」という5分25秒の曲を聞いた時の涙の最高記録が41粒です。
自分だけでやっているので凄いのか凄くないのかもはや、わからなくなってきましたが、過去の自分との比較の中では飛躍的に伸びています。
僕は僕なりの道で、感動や涙について探求していく中で、俳優としての自分に還元できたら最高です
今日のろんぶ〜んはこの後すぐ
「アイドル」というテーマでの再放送です
みんなで観て楽しみましょう