皆さん、おはようございます。

佐伯恵太です。

 

 

今日はタイトルの通り

NHK Eテレ『ろんぶ〜ん』が面白すぎるから全国民にまず一回観てほしい!!

 

ということについて書きたいと思います。

 

 

 

というのも僕、俳優として活動を始める前は高校で理数系を選択してから10年間ずっと理系で、25歳まで大学院生で研究していたのです。京都大学大学院 理学研究科 で修士号を取得しました目

 

 

その修士論文のテーマがこちら下矢印下矢印

 

『暗闇環境におけるキイロショウジョウバエの適応行動』

 (Adaptive behaviors Drosophila in dark environment)

 

 

暗闇で飼育し続けたキイロショウジョウバエ、通称「暗黒ショウジョウバエ」を普通のハエと比較し、暗闇での生活でどのように変化、適応したのかを研究していました。で、この研究については長くなるのでこの辺に・・・

 

 

とにかくそんな僕なので、今でも論文は大好きだし、熱い研究者、面白い研究室、素敵な研究が世の中にたくさんあることも知っています!!

 

 

そんな研究や論文の世界に、少しでも多くの人が触れてほしい、触れて楽しんでほしい。と思っていたところ発見したのが『ろんぶ〜ん』だったというわけです。

 

 

 

 

というわけで、ここからは「ろんぶ〜ん」について。

 

 

 

 

■ろんぶ〜んとは

 

小難しくてとっつきにくいイメージがある『論文』。しかし丁寧に読み解いていくとそこには知的好奇心を刺激してくれる「知の結晶」が詰まっている。

 

この番組では、研究者が人生をかけて生み出した『論文』を“ロンブー”田村淳とともに読み解きながら知ることの面白さを味わう。(公式サイトより)

 

放送時間:Eテレ 毎週木曜 午後11時

 

 

 

■何が面白いの?

 

研究者の先生の熱いトーク、抜群のお笑いセンスだけでなく知性に溢れ、勉強熱心な田村淳さんによる、面白くわかりやすい進行。

多くの人にとって遠い存在である論文や研究者という存在を凄く身近に感じることができますビックリマーク

そして秀逸なのが、論文のチョイスビックリマーク

 

過去放送では「恋愛」に関する論文や「ラーメン」に関する論文など、多くの人が興味のあるテーマで、数々の特徴的な論文が取り上げられてきました。

 

 

 

■前回放送のテーマ『ギャンブルと運』

 

前回11月29日の放送で選ばれた論文のテーマは『ギャンブルと運』でした。

 

『ギャンブルと運』なんていうテーマで論文があるんだビックリマークってびっくりしていたのですが

「臨床心理学」「社会心理学」「行動経済学」などいろんな分野で研究されているようです目

 

 

番組で紹介された論文は2つ。

 

 

1つ目の論文は東北大学 名誉教授 飯島敏夫先生の論文です。

 

『島皮質前部の不活性化によるリスク選択行動の減少』

 

タイトルだけ読んでも1ミリもわからないですよね・・・

 

 

では皆さん、

 

例えばこんな二択があったら、皆さんはどっちを選びますか?

 

①毎月確実に20万円もらえる仕事

 

②2分の1の確率で月に40万円もらえる仕事

 

※お金に困っている状況

 

僕は①を選ぶと思います。浮き沈みの激しい芸能活動をしているのに、根はギャンブラーではないようです。

しかしどうやら、②を選ぶ人が多数派のようです。

 

 

これと似たようなことをラットで実験したのがこの論文。

 

片方のレバーを引くと100%の確率で水が2適飲める。

 

もう片方のレバーを引くと50%の確率で水が4適飲める。

 

 

つまりこういうこと下矢印下矢印

 

 

 

ラットは記憶、学習能力があるので、このことを把握した上でどちらかを選ぶのです。

すると、より多く選ばれたのは50%の確率で4適飲めるレバーでした。

 

僕よりラットの方がギャンブラーなのか・・・

 

 

ところで、脳にはギャンブル的なことに対して「アクセル」と「ブレーキ」それぞれの役割を果たす部分が存在します。

 

 

論文のタイトルにもなっている「島皮質」はアクセルの方アップ

 

 

ラットの脳に薬を投与して島皮質の働きを調べた結果、島皮質の働きを抑えてやると、確実に水が飲めるレバーの方を多く選ぶようになった、ということです。

 

 

では何故、ギャンブルをする脳の機能があるのかというと、過酷な環境、新たな環境に挑戦し冒険した種が繁栄してきた名残なのかもしれない。という先生の考察もとっても面白かったです。

 

 

ちなみに、ラットはヒトのように言葉が通じないので「レバーを引くと水が飲める」というのを教え込む訓練が大変だったそうです。

 

 

僕は冒頭で触れたハエの研究で、ハエに音を聴かせてハエの行動を観察していたのですがやはり同じように、ハエにも言葉が通じないので「音を聴いたら動くようにする」という状況を作るまでの段階がかなり大変でした。。

 

 

動物の行動を使って研究している人にとってはこれってかなり「わかる〜」ってなるところで、実験のデザインがうまくできた時、環境が整った時は本当に嬉しいものですキラキラ

 

 

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そして、ろんぶ〜んで取り上げられた2つ目の研究は、

駿河台大学 心理カウンセリングセンター助教 土井孝典先生によるこちらの論文。

 

『「運」という物語と主体との関係』

 

これまたタイトルから研究の内容は想像つかないですよね目

 

 

なんとこの論文、大人気漫画でアニメ化、実写映画化もされた『カイジ』を題材に、

人間の「運」との向き合い方を考えたという論文。

 

 

研究論文に『カイジ』を使うとかありだったんだ・・・という風に思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、論文って研究、実験の方法さえしっかり確立できていれば、割と何でもありなのですビックリマーク

 

 

「運」というものを人がどのように捉えているのか、土井先生はこのように分類されました。

 

 

 

こう見ると、自分はどのタイプだとか、当てはまるものがありませんかはてなマーク

 

 

初期のカイジはC型

 

その後、カイジは成功したり失敗したり、騙されたり大逆転したりといろいろな経験をしていく中で、

A・B・C・D型をサイクルしながら成長していたということを見出されました。

 

 

そしてそれはカイジだけでなく、我々にも言えることなのだそうです。

 

 

この「運」の捉え方というのは今後の人間にとってもとても重要だと考えられます。

 

 

例えば自分が病気になった時、1%でも後遺症が残るリスクがある手術を、確率が低いからといって簡単に選べないと思います。

また、実際に後遺症が残ってしまった時に、その確率で起きたことだから仕方ないと割り切れるのか。

 

 

人が人である以上「確率」という数字で全てを受け入れて生きていけるわけではなくて「運」というものを自分の人生の時々で、その時必要な捉え方をしていくことで、人は逞しく生きていけるのかもしれません。

 

 

そんなことを考えさせられる論文でしたひらめき電球

 

 

■今後の「ろんぶ〜ん」ラインナップ

 

今後の放送予定はこちらです下矢印下矢印

※アンコールは再放送の意

 

12月6日 アンコール#1「漫才」
12月13日 #9「仕掛学」
12月20日 #10「感動」
12月27日 アンコール#3「アイドル」

 

 

明後日(6日)は「漫才」に関する論文です。

M-1グランプリ2018で日本中が漫才で盛り上がった直後、なんともタイムリーなテーマですよねビックリマーク

 

次に僕が注目しているのは、12月20日の「感動」です。

僕はお芝居をやっていて感動や涙については物凄く興味のある分野なので、絶対に見逃せないテーマです目

 

 

 

僕もいつか「ろんぶ〜ん」や、こんな風に論文や研究者の面白さを伝える番組に出演したいです!!

 

 

是非皆さんも「ろんぶ〜ん」まずは一度、観てみてくださいひらめき電球

 

これだけちゃんと論文を紹介していて、わかりやすくて、面白いのは「ろんぶ〜ん」ならではだと思います合格

 

 

今まで論文に興味がなくても、研究者に興味を持ったことがなくても、

まず一度観てみると、きっと心を掴まれますよウインク

 

 

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