かわいいモンゴル語図鑑 ~そしてたまに、いろんなこと~

かわいいモンゴル語図鑑 ~そしてたまに、いろんなこと~

偶然にモンゴル語に出会い、そのかわいさにきゅんとして、なんの目的もなく学び始めちゃったワタクシの、モンゴル語おべんきょ日記。そのほかの好きなことのことも、ときどき。

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今週の火曜は、4回目のモンゴル語レッスンでした。
代名詞の活用とか、動詞の語尾の変化とか、だんだん語学らしくなってきました。
レッスン中は…けっこう必死なものがありますが、
でも、まあ英語でも代名詞の変化くらいは覚えられたんだから、なんとかなるでしょう。

この前の朝、ふと本棚を見たら、あれ?今、私、なんだか不思議なものが見えた気が・・・。
そこには昔見た「チェブラーシカ」というロシアの人形アニメのパンフレット…というか絵本が。
背表紙には、ロシア語が書いてあったのですが、今まではまったく目に入ってなかったのに。
そこにあったのは… Чебурашка チェ・ブ・ラ・シュカ??ちぇぶらーしか?
今夜、フィギュアスケートを見てたときにも「Сочи」。
あ。ソチね。

そうか~キリル文字が読めるってことは、ロシア語も読めるんだ~。少し、感動しました。
まあ、ロシア語の意味はまったく分からないので、まったく現実的な役にはたたないけれど、
子供が字が読めだすときの感覚が、少し分かった(思い出した)気がします。

モンゴルの言葉で、「これ、そのままロシア語ですね」と教えていただいたのが、
トマト=помидор。

ぽみどーる??? んん?? ロシア語というより、
これ、スパゲティのポモドーロ。つまりイタリア語の、トマトまんまですよね。
トマト、ロシアを経て、モンゴルに至る…。
でも、その下に、もうひとつ何か書いてあるんですが。

「はい、もうひとつ、モンゴル語でулаан лоолъです」。
なんで2つあるんですか?

やはり、なんでもロシア語はよくない、ってことで、
モンゴル名を後からつけたんですね。
でも、普通はポミドールっていいますね。

なるほど~。わかるな~。日本でもたまに、あるよね。
なんでも外来語はよくない、って意見とか。
そんなことをボーっと思ってたら、「улаан」は「赤い」だとして、
「лоолъ」が何か、すっかり聞き忘れました。
こんど辞書を買ったら、引いてみましょう。



このトマトの仲間は、きゅうり。

ロシアから来た名前は「огурцы」
おぐるつぃーって読むらしい。
で、モンゴルでつけらたのは、「ウルグストゥ ヘフム」??
ん~これは、覚えにくいわ~。

夏になると、毎日毎日食べるきゅうりとトマト。
やっぱり短い名前がいいなぁ。

引き続き、野菜のお話です。

次々と、いろんな野菜の名前を習っていたとき。
キャベツの絵の下に書かれたキリル文字を、ヨタヨタと読む私。
「ば・い・つぁー??」

「そうです。キャベツはバイツァーです。…中国から来た名前で、白い菜ですね」
ん…もしかして「白菜…パイツァイ…バイツァイ…バイツァー!!」

そうか~と思いつつ、次の、ちょっと謎の野菜の絵の下の文字に移ります。

「サ・ラ・ト・ネ ばいつぁー??」
「サラダのバイツァーって意味です。これが日本の白菜ですね」



へ~。モンゴルでは白菜をサラダで食べるんですか?
「いえ、白菜はサラダでは食べませんねぇ。
 サラダでよく食べるのはキャベツです」

「??????」

これを、ナンデですか?と問い詰めても、語学とはどうしょうもないものです。
そうか~と思うしかありません。
ちなみに、私は新鮮な生の白菜とりんごのサラダとか、好きですけどね。
「サラダ白菜」って名前の野菜、日本の高級スーパーにありそうじゃないですか?

が、今、教材の絵を見てて、ふと思ったのですが・・・。
これ「サラダ菜」にも見えるな~。
ん~なんだかモヤモヤした課題の残る「白菜」問題です。
こんど、先生に聞いてみます。

で、実は教室では気がつかなかったんですが・・・
もうひとり、どうも中国系と思える方を発見…。

「чинжүү」…チ・ン・ジュー。「はい、ピーマンです」。
で、そのときは流していましたが、これ「チンジャオ=青椒」ですかね。チンジャオロースーの。

さらにモンゴル語の本を見ていたら、
唐辛子は「улаан чинжүү」、オラーンは赤だから…「赤い青椒!」



えーっと。赤いのか青いのか、はっきりしてほしい…と思うのは、
私が漢字の国の日本人だからで、モンゴルの人には特に問題ないですよね。

モンゴルは、ぐるっと周りを、ロシアと中国という2つの大国、
それも、かなりコワモテ系の大国に囲まれた国です。

隣国に対して、モンゴルの人たちは複雑な感情を持っているようですが、
(隣の国といろいろあるのは、日本も、世界中の他の国だって同じですね)、
2つの隣国の文化が、モンゴルという地点で交じり合っているのが…
ちょっとだけ野菜の名前をかじっただけでも、感じられました。

ということで。野菜シリーズの〆は「ロシア系の野菜」ですね~。
語学を習いはじめるときは、たいてい身の回りのものの「名詞」を読みながら、
文字の読み方を習うものだと思います。
私も同様でして、レッスン3回目のときには、野菜の名前を読みました!

これが、なかなか面白くて、このブログが3回くらいは書けちゃいそうでした。

そうそう。モンゴル旅行の前に、「モンゴルでは野菜を食べないらしいよ」という、
都市伝説的な話を聞きまして、野菜・肉・魚の中では、ダントツ野菜食いの私は戦々恐々。
スーツケースの中に、こっそり「青汁パウダー」を入れたのでした。

が、モンゴルに行ってみれば、日本より量も種類も少ないながら、野菜、食べてました。
食事とスーパーやお店から判断すれば、
じゃがいも、にんじん、キャベツ、玉ねぎ、にんにく…。
あと、ビートも料理に入ってた気がします。
ニンジンサラダ、ポテトサラダもおいしかったし、野菜スープもおいしかった。
あと、外食では「しゃぶしゃぶ」も人気らしく、そのときは白菜の姿も見ました。

たぶん、私が何かの縁でウランバートルに暮らすことになっても、
野菜については、なんとかなるんじゃないかな、と思います。

あ、野菜の名前でした。
日本と、というか、たぶん世界共通で、モンゴルでも「なるほどね~」なのは、
「野菜の名前」と「色の名前」は、つながっていること。

まず、野菜は「ногоо」(ノゴー)なわけですが、「ногоон」(ノゴーン)なら「緑色」ですって。
日本語でも野菜を「青物」と言ったりするし、英語でもグリーンサラダとかあるし。
野菜は緑、緑は野菜なんですね。

で、そこからが面白かった。
「にんじん」=「лууван」(ローワン)って書いてあったのですが、
先生、「ニンジンはшар лууванって言うことが多いです。шар(シャル)は黄色ですね」。

ん~ニンジンは赤ではなくて黄色ですか。

「もしУлаан лууван(オラーン ローワン)って言ったら、あのロシア料理に入れる・・・」
赤い・・・(たぶん)根っこ的な・・・ロシアの・・・あ~ビートですか!  「そうそう、そうです」

で、家に帰って教科書をパラパラ見ていたら。
発見! 「цагаан лууван(ツァガーン ローワン)」。
白い根っこ!!まさに、大根です。

で、ここからは想像・・・というか・・・創作ですが。
もしモンゴルに「ゴボウ」が輸出されて、大ヒットしたら。

やっぱり「хар лууван(ハル ローワン)」=黒い根っこ…かな?

私の大好きな「れんこん」は・・・「穴のあいた根っこ」?
すいません。穴のあいた・・・までは、私の語学力では創作できません。
穴は「нүх」(ヌフ)らしいのですが。



が、日本でも「料理がしにくい」と不人気のゴボウやレンコン。
モンゴルの人たちには、ちょっとハードル高いかなぁ。
美味しいんだけどなぁ。

あと…モンゴル名について語りたい(笑)野菜は、トマトとキャベツ&白菜!
どれだけ野菜好きなんだよ!!って感じですねぇ。

キリル文字の中でも、ロシア語にあってモンゴル語にない文字が2つあるそうです。
「Ү」と「Ѳ」です。両方とも「ウ」に近い母音ですが、ちょっと違って、
Ү」の方が、はっきり強い「う」という感じでしょうか。

「Ѳ」についても思い出あるのですが、まずは「Ү」について。

私が、たぶん初めて「読めた」と思った単語が、ミルク・乳をあらわす「
сүү」でした。



モンゴルに行く飛行機の中で、隣り合わせたモンゴル人女性。
日本に医学の勉強のため留学中で、夏休みで帰省するところでした。

彼女に、「モンゴルで美味しいものは何ですか?」と聞いたところ、
「テメニー・スーです」と。らくだのミルク、ということでした。

彼女の両親はウランバートルに住んでいるけど、
出身はゴビで、おばあちゃんは今もゴビにいる。
私もウランバートルについてたら、すぐにゴビに行くの。

そのときは。へー、と思っただけでしたが、旅をしてみて、
モンゴルの人が故郷の田舎に寄せる思いが少しだけ分かるようになり、
彼女の言葉を思い出すようになりました。

遊牧民というと、日本人は「故郷への思い」とかなくて、
自由に生きていると思うかもですが、
「故郷」について、ものすごく熱い気持ちを持っているのが、モンゴルの人だと思います。

彼女にとって、心のふるさとはゴビ。たぶん、らくだのミルクは、ふるさとの味。
それを「一番おいしいもの」と教えてくれた彼女の気持ち。
今回の旅行では、機会がなくてラクダのミルクは飲めませんでしたが、
いつか飲んでみたいと思っています。

が、モンゴルに着いた翌日でかけたスーパーで売っている牛乳は、
日本と違ってビニール袋のパッケージ。
えっ!と思ったけれど、そこにсүү」。
あ!牛乳だよね。と、それが始めて「読めた」モンゴル語でした。
彼女のおかげ、です。

モンゴルの国民的飲み物(のように思った)は、
塩入りミルクティーは、スーテーツァイ「сүүтзй цай」。

お土産に買ったチョコレートのパッケージを呼んでみると、
сүүтзй шоколад」(スーテイショコラド?)、ミルクチョコレート。

モンゴルの人にとって
сүү」って、日本人の米とか醤油とかみたいなものかな、
と思っています。

私にとって
「Ү」は、сүү」の「う」です。





見慣れないキリル文字なのに、わりと早く読めるようになった「Ц」の文字。
箱というかカップのような形の右下にちょん。
ツェー、英語のアルファベットに移せば「TS」ですね。

なぜ、早めに読めるようになったかといえば、
これが、「雪」と「花」の頭文字だったから。


この秋、下手の横好きで習っているクラシックバレエで、
ちょうど踊っていたのが「くるみ割り人形」の中の「雪のワルツ」。
その次に踊る予定だったのが「花のワルツ」です。

どこの国でも、キレイなものにはキレイな響きの言葉がつくのだなと、
モンゴル語の教科書を見てしみじみ。
きれいだな~と、何度か口に出したり書いたりしていたら、
すーっと覚えてしまいました。

言葉を覚えるとき、「よく使う言葉から覚える」のがセオリーだとは思いますが、
私のように趣味で習う大人なら、きれいだと思う言葉、好きな言葉を
コレクションするみたいに覚えていくのも、楽しいかなと思いました。

雪国育ちの人なら同意してくれると思うのですが、
雪には、雪のにおいがあるし、音がありますよね。
初雪のにおい、大雪の後に晴れたときのにおい、夜の雪のにおい、雪がとけるにおい。
音はほぼ無音ではありますが、降り方によって「無音」の加減が違うと思います。
無音以外にも、吹雪の音、屋根や木から雪が落ちる音、雪を踏む音、雪かきの音。
東京で暮らすようになってもうだいぶたちましたが、今でも分かると思います。

雪国に生まれ育った人は、雪というものが染み付いているなぁと思います。
モンゴル人のバレエの先生が、「雪」の踊りを教えるときに、
手のひらをヒラヒラと動かすしぐさをして、
「雪はこうじゃないよね。こう降るよね」とお手本を見せたときに、
「ああ、この人も雪国の人なんだな」と思いました。
日本よりずっと北で、ずっとずっと冬が厳しいモンゴルの雪は、どんな「цас」なのかな。

そして「花」。
モンゴルに旅行したときには、とてもたくさんの花を見ました。
その中でも、忘れられないのが、「マンジュシュリ・ヒード」という、お寺の廃墟(&博物館)の、
元・境内のような山の中で見た、エーデルワイスとナデシコです。

モンゴルといえば、草原か砂漠かというイメージしかなかったのですが、
その古寺に行く道は、白樺やトウヒのような樹林が続き、日本の高原のようでした。
8月なのにだいぶ寒くて、小雨が降っていました。
お寺には、社会主義の時代に失われたふるいラマ教の僧侶の生活がわずかに残り、
お寺の後ろの崖には、僧侶が長い時間をかけて刻んだ仏様の像が残っています。

岩の多い道を登っていくのですが、その途中の草原には、いろんな花が咲いていました。
その中に「ここ、スイスだっけ?」と思うような、真っ白で凛としたエーデルワイスの花と、
「やまと」とつけたくなるような、ピンク色もかわいいナデシコが、並んで咲いています。

近くに大きな大きな銅の「器」のようなものがあり、
それは、巡礼の人の食事を作るための鍋だったのだそうです。

なんだか、今思い出しても、不思議な夢を見ているみたいな所でした。

「цэцэг」 の、ちょっとささやくみたいな響きには、
花屋さんのバラとかガーベラとかより、
あの古いお寺の、昔の境内に咲いてた花たちが、似合うなぁと思います。