ミルクの<Ү> | かわいいモンゴル語図鑑 ~そしてたまに、いろんなこと~

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偶然にモンゴル語に出会い、そのかわいさにきゅんとして、なんの目的もなく学び始めちゃったワタクシの、モンゴル語おべんきょ日記。そのほかの好きなことのことも、ときどき。

キリル文字の中でも、ロシア語にあってモンゴル語にない文字が2つあるそうです。
「Ү」と「Ѳ」です。両方とも「ウ」に近い母音ですが、ちょっと違って、
Ү」の方が、はっきり強い「う」という感じでしょうか。

「Ѳ」についても思い出あるのですが、まずは「Ү」について。

私が、たぶん初めて「読めた」と思った単語が、ミルク・乳をあらわす「
сүү」でした。



モンゴルに行く飛行機の中で、隣り合わせたモンゴル人女性。
日本に医学の勉強のため留学中で、夏休みで帰省するところでした。

彼女に、「モンゴルで美味しいものは何ですか?」と聞いたところ、
「テメニー・スーです」と。らくだのミルク、ということでした。

彼女の両親はウランバートルに住んでいるけど、
出身はゴビで、おばあちゃんは今もゴビにいる。
私もウランバートルについてたら、すぐにゴビに行くの。

そのときは。へー、と思っただけでしたが、旅をしてみて、
モンゴルの人が故郷の田舎に寄せる思いが少しだけ分かるようになり、
彼女の言葉を思い出すようになりました。

遊牧民というと、日本人は「故郷への思い」とかなくて、
自由に生きていると思うかもですが、
「故郷」について、ものすごく熱い気持ちを持っているのが、モンゴルの人だと思います。

彼女にとって、心のふるさとはゴビ。たぶん、らくだのミルクは、ふるさとの味。
それを「一番おいしいもの」と教えてくれた彼女の気持ち。
今回の旅行では、機会がなくてラクダのミルクは飲めませんでしたが、
いつか飲んでみたいと思っています。

が、モンゴルに着いた翌日でかけたスーパーで売っている牛乳は、
日本と違ってビニール袋のパッケージ。
えっ!と思ったけれど、そこにсүү」。
あ!牛乳だよね。と、それが始めて「読めた」モンゴル語でした。
彼女のおかげ、です。

モンゴルの国民的飲み物(のように思った)は、
塩入りミルクティーは、スーテーツァイ「сүүтзй цай」。

お土産に買ったチョコレートのパッケージを呼んでみると、
сүүтзй шоколад」(スーテイショコラド?)、ミルクチョコレート。

モンゴルの人にとって
сүү」って、日本人の米とか醤油とかみたいなものかな、
と思っています。

私にとって
「Ү」は、сүү」の「う」です。