たまらなく孤独で、熱い街 -95ページ目

『クォンタム・ファミリーズ』 東 浩紀

クォンタム・ファミリーズ (河出文庫)

クォンタム・ファミリーズ
著者:東 浩紀

解説:筒井 康隆

(河出文庫)

初版:2013年2月20日

(2009年12月に新潮社より刊行)

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「どうせ半分も理解できないから、書かれていることをそのままに受け入れよう」との思いで読み始める。

ものすごく壮大なスケールのものを想像していましたが、「家族」に収斂してしまった印象。

もともと家族小説にするつもりで書かれたのかもしれませんが。

作者の掌の上で脳がグシャグシャになりながら踊りたかったが、想定内の枠の中だけで飛び跳ねているみたいでした。



『殺す風』 マーガレット・ミラー

殺す風 (創元推理文庫)

殺す風
著者:マーガレット・ミラー

訳者:吉野 美恵子

(創元推理文庫)

初版:1995年6月16日

(1978年4月にハヤカワ・ミステリ文庫より刊行)

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1957年の作。

友人の待つ別荘へ向かったはずの男が現れず、友人や男の妻は彼を捜そうとする。

その過程で彼がある問題を抱えていたことを知る。

後半になってもサプライズはなく、このまま終わるのかと思いきや・・・。

タイトルは「滅びの風」でもあるのだろうが、無念さは消すことができない。



『天冥の標 Ⅶ 新世界ハーブC』 小川 一水

天冥の標VII 新世界ハーブC (ハヤカワ文庫JA)

天冥の標VII 新世界ハーブC
著者:小川 一水

年表・人物・用語集

(ハヤカワ文庫JA)

初版:2013年12月25日

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ⅥからⅠへ繋ぐブリッジみたい。

セレス・シティの地下に残された5万人の子供たち。

なんとか生き延びようとする、こここそが×××・×××・×××だったとは(ほとんどネタバレ)。

それにしても10巻ものシリーズを依頼した編集者も凄いが、その期待に見事に応えている小川さんも凄い。

Ⅷが出る前にはⅠを読み返すか(Ⅵの時も思ったが)。


『桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活』 奥泉 光

桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活 (文春文庫)

桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活
著者:奥泉 光

解説:辻村 深月

(文春文庫)

初版:2013年11月10日

(2011年5月に文藝春秋より刊行)

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「呪われた研究室」

「盗まれた手紙」

「森娘の秘密」

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かつて『グランド・ミステリー』を苦労しながら読み終えた覚えがあるのだが、こっちはこっちでライトながらもいささかシンドバッド・・・じゃなくてしんどかった。

関係ないけど「シンドバット」なのか「シンドバッド」なのか。

千葉の底辺大学へ勤めることになった底辺准教授の喜悲劇。

そこはかとないユーモア感をだそうとしたのか分からないが、准教授のモノローグばかりで辟易。

学生の会話文がド疲れ。

作者がこれを書いた狙いは見当もつかないが、かなり無理したんじゃないの?


『偶然の犯罪』 ジョン・ハットン

偶然の犯罪

著者:ジョン・ハットン

訳者:秋津 知子

解説:若島 正

(ハヤカワ・ミステリ文庫)

初版:1994年7月31日

(1985年4月に早川書房より刊行)

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1983年の作。

英国推理作家協会賞ゴールド・ダガー受賞。

この作者は初読ですが、底意地の悪さがこれでもかと炸裂します。

「謹厳実直な教師が、ふとした出来心でやらかした恥ずかしい行為。そして、それを覆い隠そうとした、ささやかな嘘」(解説より)が次第に真綿で首を締めるように教師を追いつめてゆく。

途中まではなんでも自己正当化しようとする教師にイライラしましたが、本人が気づかないところで徐々に転落していく様を読ませられると、あら不思議、全然共感できない教師だけど同情の念が湧いてしまう。

ああ、これはブラックユーモアに近いコメディなんだな。

作者はニコリともしないで最後まで教師をいたぶります。

その快感さにもっと早く気が付いていれば・・・。







『変数人間』 フィリップ・K・ディック

変数人間 変数人間
著者:フィリップ・K・ディック

編者・後書:大森 望

(ハヤカワ文庫SF)

初版:2013年11月15日

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「パーキー・パットの日々」(1963) 浅倉久志・訳

「CM地獄」(1954) 浅倉久志・訳

「不屈の蛙」(1953) 浅倉久志・訳

「あんな目はごめんだ」(1953) 浅倉久志・訳

「猫と宇宙船」(1981・「異星人マインド」) 大森望・訳

「スパイはだれだ」(1954) 浅倉久志・訳

「不適応者」(1957) 浅倉久志・訳

「超能力世界」(1954) 浅倉久志・訳

「ペイチェック」(1953) 浅倉久志・訳

「変数人間」(1953) 浅倉久志・訳

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残念なことに全部既読。

こういう機会でもないと読み返すこともないので感謝すべきか、未訳作をひとつくらい入れんかいと怒るべきか。

ディックを読んでも気持ちが温かくなるわけではありませんが、なんだかホッとしますね。


『強救戦艦メデューシン』(上・下) 小川 一水

強救戦艦メデューシン〈上〉
著者:小川 一水

(ソノラマ文庫)

初版:2002年12月30日

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強救戦艦メデューシン〈下〉 (ソノラマ文庫) 強救戦艦メデューシン〈下〉
著者:小川 一水

(ソノラマ文庫)

初版:2003年4月30日

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作者がよく書いていたプロフェッショナルもの。

大型の医療航空機で戦場を駆け巡る看護婦たち。

当然ながらそこはハードで、淡いロマンなどはない。

10年前の作品だから死と直面する状況であってもなんだかライト。

陰々滅々に陥らないのは救いだが。

プロローグで書かれた「熱死」の理由やら、負け戦と知りつつも戦線を広げようとするフレナーダの狙いなどはやや首を捻ってしまうが、この本も含めた初期作の延長上に今の作品があると思えば、ある種の感慨深さを感じます。


『小説家の作り方』 野﨑 まど

小説家の作り方 (メディアワークス文庫)

小説家の作り方
著者・後書:野崎 まど

(メディアワークス文庫)

初版:2011年3月25日

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野﨑まどは面白いねえ。

Aかと思った人物が実はBだった。

場面の切り替えがさりげないというかスムーズというか。

結局これも「天才」と「脳」の物語なのだろうか。

変質されてしまうなら、「この世で一番面白い小説」は読みたくないなあ。


『地獄の門』 法条 遥

地獄の門 (角川ホラー文庫)

地獄の門
著者:法条 遥

(角川ホラー文庫)

初版:2012年3月25日

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天国に昇るか地獄に堕ちるかの選択に人間の倫理は無関係というのが面白い。

直線的に話が進むので分かりやすいが、ラストは読者も地獄へ引きずりこんで欲しかったな。

ん?目の前の深く暗い闇色の門はなんだ?



『謎解きはディナーのあとで 2』 東川 篤哉

謎解きはディナーのあとで 2 (小学館文庫)

謎解きはディナーのあとで 2
著者:東川 篤哉

解説:大森 望

(小学館文庫)

初版:2013年11月11日

(2011年11月に小学館より刊行)

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「アリバイをご所望でございますか」

「殺しの際は帽子をお忘れなく」

「殺意のパーティにようこそ」

「聖なる夜に密室はいかが」

「髪は殺人犯の命でございます」

「完全な密室などございません」

「忠犬バトラーの推理?」

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面白さは相変わらずですが、少しパワーダウンしてきたような。

それでテコ入れを、とは考えすぎか。

今後はラブ要素もチョコチョコ入れるのかな。

いやだな。