たまらなく孤独で、熱い街 -91ページ目

『月に歪む夜』 ダイアン・ジェーンズ

月に歪む夜 (創元推理文庫)

月に歪む夜
著者:ダイアン・ジェーンズ

訳者・後書:横山 啓明

(創元推理文庫)

初版:2012年9月14日

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2010年の作。

数ページ読んだだけで、あまりの読みにくさに辟易。

語り手である女の「私はあんたたちとは違うのよ」「誰も私のことを分かってくれない」という意識か無意識が全面にでていて非常に読んでて疲れた。

35年前に彼氏と彼氏の友人と共に三人で気ままな夏休みを過ごしていたところへ、見知らぬ少女が加わったことにより歯車が狂い始める・・・。

語り手に感情移入できればもっと違った情景を脳内に描くことが出来たかもしれませんが、なにしろ完全に醒めた頭で読んでましたので残念といえば残念です。

キャット・スティーヴンスは、映画『早春』に使われた「今夜こそ僕は死ぬんだ」が印象に残る。

てか、それしか知らない。




『パインズ~美しい地獄~』 ブレイク・クラウチ

パインズ -美しい地獄- (ハヤカワ文庫NV)

パインズ -美しい地獄-
著者・後書:ブレイク・クラウチ

訳者・後書:東野 さやか

(ハヤカワ文庫NV)

初版:2014年3月15日

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2012年の作。

記憶喪失の男、怪しげな人々、抜け出せない町。

過去にこんなようなのを読んだ気もするなあ、と思いつつ読み進めると・・・。

ああ、そこまでは想像できなかった。

しかし、この町のホテルに客が来るのか?

面白かったから、まあいいか。




『脳男』 首藤 瓜於

脳男 (講談社文庫)

脳男
著者:首藤 瓜於

(講談社文庫)

初版:2003年9月15日

(2000年9月に講談社より刊行)

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心を持たない男。

サヴァンとは少し違うのだろうか。

脳男そのものよりも、真梨子や茶屋の行動が笑えた。

ラストは超人並みにパワーアップした脳男を描くのに手いっぱいで緑川はどうでもよくなったんだね。



『宙の地図』(上・下) フェリクス・J・パルマ

宙の地図 (上) (ハヤカワ文庫NV)

宙の地図 (上)
著者:フェリクス・J・パルマ

訳者:宮崎 真紀

(ハヤカワ文庫NV)

初版:2012年11月25日

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宙の地図 (下) (ハヤカワ文庫NV) 宙の地図 (下)
著者:フェリクス・J・パルマ

訳者・後書:宮崎 真紀

(ハヤカワ文庫NV)

初版:2012年11月25日

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2012年の作。

『時の地図』は前半は覚えているけど、肝心の後半がサッパリ思い出せない。

これもそうなるかしら。

ひとつひとつのエピソードはしっかりと書かれているのだが、もう少しテンポよく進めてくれてもいいんじゃないかと思わずにいられない。

ウェルズとサーヴィス登場の前振りから始まったが、座礁した南極探検船やら不時着したUFOやら恋の物語やら、ウェルズはどこ行ったんだと思ってたら上巻の終り頃に再登場。

色々あって、これはどう終わらすのかと不安になってきたら、なるほど。

とは言えやはり冗長。




『四年後の夏』 パトリシア・カーロン

四年後の夏 (扶桑社ミステリー)

四年後の夏
著者:パトリシア・カーロン

訳者:田中 一江

解説:吉野 仁

(扶桑社ミステリー)

初版:2000年12月30日

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1970年の作。

4年前の夏、二人の少女は夏休みの旅先で出会い、ヒッチハイクをしながら旅を続けていたが、些細な(と本人は思った)ことが大騒ぎとなり、ついにはどちらかが男性を殺してしまう。

だが、完璧な嘘を警察は暴けず。

4年後、殺された男性の妹が探偵に調査を依頼。

どちらが男性を殺したのか。

謎が謎のうちはミステリアスであったが、急転直下の結末にあ然とするばかり。

しかもこの探偵は親切なのか意地悪なのか、言わずもがなのことまで依頼人に話す・・・。


『華竜の宮』(上・下) 上田 早夕里

華竜の宮(上) (ハヤカワ文庫JA)

華竜の宮(上)
著者:上田 早夕里

(ハヤカワ文庫JA)

初版:2012年11月15日

(2010年10月に早川書房より刊行)

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華竜の宮(下) (ハヤカワ文庫JA)

華竜の宮(下)
著者・後書:上田 早夕里

解説:渡邊 利道

(ハヤカワ文庫JA)

初版:2012年11月15日

(2010年10月に早川書房より刊行)

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プロローグの二人が主人公かと思っていたらドンドン進んで、ホットプルームによる海面上昇が260メートル。

これって、海底で風船を膨らませたような感じかな。

風船がしぼんだり破裂したりして元に戻るということはないのか。

陸地は何パーセント失われたのだろうね。

それから数百年後、かりそめの繁栄を謳歌する陸と海に分かれた人類に迫るさらなる危機。

まさに『日本沈没』の世界版。海上民に双子が生まれて云々がどうしても頭では納得できないが、政治的な駆け引きに終始しているようでも結構読ませる。

アシスタント知性体はひとつ欲しい気も。

人類を襲うさらなる危機とは何か。

人類に未来はあるのか。

ラストは圧倒的な迫力で読まされました。



『死のロングウォーク』 スティーヴン・キング

バックマン・ブックス〈4〉死のロングウォーク (扶桑社ミステリー)

死のロングウォーク
著者:スティーヴン・キング

訳者:沼尻 素子

解説:奥澤 成樹

(扶桑社ミステリー)

初版:1989年7月25日

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1979年の作。

『グリーン・マイル』での電気椅子のシーンがえげつなくて、今後キングを読むのはやめようと思ったものだし『11/22/63』のベタ褒めツイートがやたらと目に入っても読む気はサラサラなかった(今でもない)。

ところがなんとしたことか、ツイートで目にしたのを記憶していたのかブックオフでこれを見かけたときは運命と思い(嘘です)購入してしまった。

まあ、信念なんてそんなものですよ。

実際は1967年、彼が大学1年のときに書かれたというから恐れ入る。

軍国主義が色濃い、書かれた当時よりも近未来と思われるアメリカで毎年開催されるロングウォーク。

出場するのは14歳から16歳までの少年100名。

ひたすら歩き、99人が脱落(=死)して残った一人が勝者。

今後の国を背負うであろう若者をむざむざ殺していいのかという疑問が起こるが、それすらも心の隅においやるほど素晴らしい(全面的にとは言わんが)。

だからと言って他のキング本を読む気になるかというとそうでもない。


『量子怪盗』 ハンヌ・ライアニエミ

量子怪盗 (新★ハヤカワ・SF・シリーズ)

量子怪盗
著者:ハンヌ・ライアニエミ

訳者:酒井 昭伸

解説:堺 三保

(新・ハヤカワSFシリーズ)

初版:2012年10月15日

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2010年の作。

ライアニエミをライザ・ミネリと間違える人は・・・いないか。

目くるめくワイドスクリーン・バロックとでも言いたくなるような作品だが、目くらましのような気も。

これでもかとガジェットを放り込んでくれて手こずりつつも楽しいが、過剰な装飾を脱ぎ捨てると骨格は少し細いかも。

困ったときは現実から「逃げている」としか思えなくて、脱獄などは仮想現実などでなく現実でやってくれたらもっと楽しかっただろうに。

あとは、もっと怪盗対名探偵を全面に出してほしかった。

これは三部作の1作目らしいが・・・。




『リカーシブル』 米澤 穂信

リカーシブル

リカーシブル
著者:米澤 穂信

(新潮社)

初版:2013年1月20日

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1年以上寝かしちゃったけど(そんな本は他にもあるのだが・・・)、ようやく読む。

この作者のは2大シリーズものよりも『さよなら妖精』『犬はどこだ』『ボトルネック』『折れた竜骨』などの単発作の方が好きだな。

読み始めると既読感があるなと思ってたら『Story Seller 2』で読んだのね。

相変わらず主人公は鋭すぎて引いてしまうが、SF要素もあるのかと見せかけて実はという辺りがいささか苦しい。

まあ、面白く読めたしこの後も気になるということで。

【読書メーター】 2014年2月分

感想を少し手直ししたので再掲。

 

2014年2月の読書メーター
読んだ本の数:15冊
読んだページ数:5827ページ



11の物語 (ハヤカワ・ミステリ文庫) 11の物語 (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
「かたつむり観察者」や「クレイヴァリング教授の新発見」も勿論いいし、壊れたような人物のありさまがジワジワと胸にしみる。 90年代に爆発的なブームがあったということは、そのほとんどを入手できないこともないと思うが、続けて読むとこちらが参ってしまいそう。 手持ちのもう一冊を読んでから考えるか。 343ページ
読了日:2月2日 著者:パトリシア・ハイスミス
スロー・バード (ハヤカワ文庫SF) スロー・バード (ハヤカワ文庫SF)感想
日本で独自に編んだ短編集。 読み終えて目次を見返すと色々と思い出すこともあるが、読んでいる間はなにしろ『11の物語』の残像がチラついて物足りなさが残ってしまった。 そうは言ってもなかなかのセレクトではある。 430ページ
読了日:2月4日 著者:イアン・ワトスン
ふたり狂い (ハヤカワ文庫JA) ふたり狂い (ハヤカワ文庫JA)感想
読んでても「ああ、そうですか」ばかりで、「ん?」と引っかかるところがないんだよね。 自意識過剰な登場人物たちがドタバタしているだけのような・・・。 373ページ
読了日:2月5日 著者:真梨幸子
スタープレックス (ハヤカワ文庫SF) スタープレックス (ハヤカワ文庫SF)感想
壮大なスケールやネタをぶち込んでくれたが、どこかモヤモヤ感が残る。 こちらが消化しきれないのかも。 結局は主人公(頭が薄くなったおっさんだが)の成長物語みたいだ。 469ページ
読了日:2月8日 著者:ロバート・J・ソウヤー
ウサギ料理は殺しの味 (創元推理文庫) ウサギ料理は殺しの味 (創元推理文庫)感想
何のとりえもないフランスの田舎町で最近は毎週木曜日に殺人が。 ネタは有名な言い伝えの通りなので、驚きや意外性はないが無理なく(?)まとめてある。 犯人が分かった後も素直に終わらないところや艶っぽいのが多いのがフランスミステリ? 384ページ
読了日:2月10日 著者:ピエール・シニアック
WORLD WAR Z 上 (文春文庫) WORLD WAR Z 上 (文春文庫)感想
作者がメル・ブルックスのご子息とは驚いた。 インタビュー形式なのでリアリティというか臨場感がないのではないかと危惧したが、そんなことはなく面白く(おぞましく)読みました。 少し前なら想像すらしなかった狂牛病やら鳥インフルが現れたんだから、ゾンビウィルスが登場しても不思議じゃない・・・いや、勘弁してくれ。 レデカーの考えは大局的に立てば正しいが故に、そして私はその他大勢のおとり側になるだけに嫌悪感が先に立つ。 313ページ
読了日:2月12日 著者:マックス・ブルックス
WORLD WAR Z 下 (文春文庫) WORLD WAR Z 下 (文春文庫)感想
後半はさらにスケールアップしたようだが、次第に作りモノめいた話が多くなって少しシラケる。 日本の座頭市とオタクもなあ。 ともあれゾンビ戦争は一応の決着がついたのか、終わりなき戦いが続くのか。 334ページ
読了日:2月13日 著者:マックス・ブルックス
太陽系無宿/お祖母ちゃんと宇宙海賊 (スペース・オペラ名作選) (創元SF文庫) 太陽系無宿/お祖母ちゃんと宇宙海賊 (スペース・オペラ名作選) (創元SF文庫)感想
昔から苦手なもののひとつに「宇宙活劇」ものがありまして、たまに読む分には楽しいかなと思いましたが、ほとんどが勧善懲悪もので途中から読むのがしんどくなった。 まとめて読むのではなく、月に1編とか週に1編読んでいれば結構楽しめたかも。 576ページ
読了日:2月16日 著者:野田昌宏(編)
ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF) ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF)感想
今ごろ読んどいてなんだが、もう30年以上も前に書かれた小説なんだねえ。 当時はSFマガジンも毎月購入していたが、次第にサイバーパンクにあらずんばSFにあらずという雰囲気になってきたので買うのをやめちまったが。 サイバーパンクは電脳世界云々以前に、読みにくいという固定観念があって手を出すのをためらっていたが、細かいところをすっ飛ばせば訳文のせいもあるでしょうが実に読みやすい。 全貌は一読では理解できないにしても。 451ページ(実際は523ページ)
読了日:2月18日 著者:ウィリアム・ギブスン
卵をめぐる祖父の戦争 (ハヤカワ文庫NV) 卵をめぐる祖父の戦争 (ハヤカワ文庫NV)感想
レニングラードに住んでいた作者の祖父の物語(という体裁)。 “それは、1942年の1週間、その年の最初の週---祖母に出会い、親友ができ、ドイツ人をふたり殺した週---に関するものだった” ひょんなことから自国の大佐から「1週間以内に卵を1ダース持ち帰ること。できなければ、あるいは逃げたら死」という命令が下される。 ドイツ軍の包囲により食料もなにもかもが不足している中での卵探し。 果たして卵を見つけることができるのか。 陰鬱な内容ではあるが相棒の明るいキャラにずいぶん救われている。 469ページ
読了日:2月20日 著者:デイヴィッド・ベニオフ
白い死神 (アルファポリス文庫) 白い死神 (アルファポリス文庫)感想
ソ連の冬つながりでこれを読む。 ソ連が不可侵条約を破棄して1939年11月末にフィンランドへ侵攻。 戦力で圧倒的に劣るフィンランドだったが、少数精鋭で耐えに耐える。 その中に伝説の狙撃者/シモ・ヘイヘがいた。 確認戦果だけでも542人(!)のソ連兵を屠っている。 極力事実に基づいてという作者の方針なので派手さはないが、中に挟まれている写真を見るとヘイヘは本当に平凡な感じ。 ゴルゴ13とは全然違う。 射撃や肉体や精神の強さはどこから来ていたのだろう。 281ページ
読了日:2月22日 著者:ペトリ・サルヤネン
占星師アフサンの遠見鏡 (ハヤカワ文庫SF) 占星師アフサンの遠見鏡 (ハヤカワ文庫SF)感想
『ゴールデン・フリース』に続く、ソウヤーの第2長編。 ちなみに三部作らしいが、あとの2作は訳されていません。 恐竜ものというと、先に『さよならダイノサウルス』を読んでたので似たようなシチュエーションかと思いきや今回は地球とは全く無関係の、恐竜族が知性を持って支配しているどことも知れない星が舞台。 占星師見習いアフサンの冒険と発見とラストに酔いしれよ。 392ページ
読了日:2月24日 著者:ロバート・J・ソウヤー
マシン・オブ・デス (アルファポリス文庫) マシン・オブ・デス (アルファポリス文庫)感想
その人の死の原因を100%の確率で予言する「死の機械」をテーマにしたアンソロジー。 テーマはシンプルながら、アプローチが様々で楽しめました。 ほとんどのタイトルが死の原因となっているようで、書く人によって具体的だったり簡素だったり。 ただ、訳者が同じ人なのでなんとなくトーンが似てきてしまって、そこが残念。 429ページ
読了日:2月26日 著者:ライアン・ノース、マシュー・ベナルド、デーヴィッド・マルキ!(編)
惨劇アルバム (光文社文庫) 惨劇アルバム (光文社文庫)感想
タイトルや表紙はなんとも言えませんが、各章の見出しは読み終えると笑っちゃいます。とても前向きなイメージがあるので。いっそのこと本のタイトルや表紙も含めて統一感があるものにすれば良かったのに。この本も会話が多い。最近気が付いたのだが、この作者の本は以前から会話が多かったかな。幸福なはずがいつの間にか反転してしまった家族の悲劇(喜劇?)。 「清浄な心象」と「公平な情景」がこの作者らしくて実に良かった。 297ページ
読了日:2月27日 著者:小林泰三
奇談蒐集家 (創元推理文庫) 奇談蒐集家 (創元推理文庫)感想
実際に体験した奇談を収集する男。報酬目当てやちゃんと聞いて欲しくて話に来る人。だが奇談と思われた話をすべて現実的な話に落とし込んでしまう男の付き人。黒後家蜘蛛の会かよ。全部このパターンかといい加減に飽きてきたところがラストの章でひっくり返るのだが、それまでのワンパターンの退屈さが帳消しになるほどではなかった。 286ページ
読了日:2月28日 著者:太田忠司

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