たまらなく孤独で、熱い街 -69ページ目

『みずは無間』 六冬 和生

みずは無間 (ハヤカワSFシリーズ―Jコレクション)

みずは無間
著者:六冬 和生

付:第1回ハヤカワSFコンテスト選評

(ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

初版:2013年11月25日

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私の感覚からすれば、想像以上にハードなSFでした。

ここまで話を広げてくれると、少々の読みにくさも気になりません。

もしかして『タウ・ゼロ』(ポール・アンダースン)を越えた?

それに、AIなのに元の人間が関わった「みずは」という拒食症の女性からいつまでも逃れられないのは笑うところか戦慄するところか。


『花の下にて春死なむ』 北森 鴻

花の下にて春死なむ (講談社文庫)

花の下にて春死なむ
著者:北森 鴻

解説:郷原 宏

(講談社文庫)

初版:2001年12月15日

(1998年11月に講談社より刊行)

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「花の下にて春死なむ」

「家族写真」

「終の棲み家」

「殺人者の赤い手」

「七皿は多すぎる」

「魚の交わり」

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まず巻頭の表題作で、彼女が何故そこまで亡くなった人にのめり込むのかが分からない。

バーのマスターが安楽椅子探偵役というのは、そんなに読んではないけど新鮮味がないという印象(あまり出しゃばらないのはいいが)。

どれもピンとこなかったが、しいて挙げれば「七皿は多すぎる」が解説者も書いているように奇妙な味を感じられて良かった。

解説者が終わりに「このおいしさを知らない人と、私はともにミステリーを語ろうとは思わない」と結んでいるが、分からない人も知らない人と同義だろう。

はい、私は分かりませんでした。

ですから、あなたとはミステリの話をしません(もっとも、誰ともしたことないが)。

『幸運は誰に?』(上・下) カール・ハイアセン

幸運は誰に?〈上〉 (扶桑社ミステリー)

幸運は誰に?〈上〉
著者:カール・ハイアセン

訳者:田口 俊樹

(扶桑社ミステリー)

初版:2005年12月30日

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幸運は誰に?〈下〉 (扶桑社ミステリー) 幸運は誰に?〈下〉
著者:カール・ハイアセン

訳者:田口 俊樹

解説:川出 正樹

(扶桑社ミステリー)

初版:2005年12月30日

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1997年の作。

今ごろ初ハイアセンで、どうもスイアセン。

読書意欲が減退中なのでドタバタをと選んだのだが。 ロト6のような宝くじの当選者が簡単に分かってしまっては、当たった人は生きた心地がしないよねと、そこばかり気になってしまった。

色々とありましたが、結局は着地点が見えているだけに、この長さはつらい。

もしかしてハイアセンは私には合わないかも。

『人間以前~ディック短篇傑作選~』 フィリップ・K・ディック

人間以前 (ディック短篇傑作選)

人間以前 (ディック短篇傑作選)
著者:フィリップ・K・ディック

編者・後書:大森 望

(ハヤカワ文庫SF)

初版:2014年11月15日

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「地図にない町」(1953) 大森望・訳

「妖精の王」(1953) 浅倉久志・訳

「この卑しい地上に」(1954) 浅倉久志・訳

「欠陥ビーバー」(1971) 浅倉久志・訳

「不法侵入者」(1953) 大森望・訳

「宇宙の死者」(1964) 浅倉久志・訳

「父さんもどき」(1954) 大森望・訳

「新世代」(1954) 浅倉久志・訳

「ナニー」(1955) 浅倉久志・訳

「フォスター、お前はもう死んでるぞ」(1955) 若島正・訳

「人間以前」(1974) 若島正・訳

「シビュラの目」(1974) 浅倉久志・訳

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続けて読むと疲れると言いながら、続けて読んでしまうのだが。

この巻ではディックの短編で一番好きな「フォスター、お前はもう死んでるぞ」が新訳で読めてうれしい。

東西冷戦にモータリーゼーションを絡めて車をシェルターに置き換えただけという気もするが、なんて言うかいいだよなあ(何も言ってないに等しいが)。

これで当分ディックの短篇集がでないであろうことは悲しい。

『小さな黒い箱~ディック短編傑作選~』 フィリップ・K・ディック

小さな黒い箱 (ディック短篇傑作選)

小さな黒い箱 (ディック短篇傑作選)
著者:フィリップ・K・ディック

編者・後書:大森望

(ハヤカワ文庫SF)

初版:2014年7月15日

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「小さな黒い箱」(1964) 浅倉久志・訳

「輪廻の車」(1954) 浅倉久志・訳

「ラウタヴァーラ事件」(1980) 大森望・訳

「待機員」(1963) 大森望・訳

「ラグランド・パークをどうする?」(1963) 大森望・訳

「聖なる争い」(1966) 浅倉久志・訳

「運のないゲーム」(1964) 浅倉久志・訳

「傍観者」(1955) 浅倉久志・訳

「ジェイムズ・P・クロウ」(1954) 浅倉久志・訳

「水蜘蛛計画」(1964) 浅倉久志・訳

「時間飛行士へのささやかな贈物」(1973) 浅倉久志・訳

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今回は「政治/未来社会/宗教」がテーマらしい。

未来社会はともかく、政治や宗教はどちらかというと守備範囲外だからなあ。

それを差し引いても、ひとつひとつは「それなり」だけど続けて読むと疲れる。

そうは言ってもディックの短編は面白いし、この中では「傍観者」のラストにあ然としたものだ。


『私が見たと蠅は言う』 エリザベス・フェラーズ

私が見たと蝿は言う (クラシック・セレクション) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

私が見たと蝿は言う
著者:エリザベス・フェラーズ

訳者:長野 きよみ

解説:三橋 暁

(ハヤカワ・ミステリ文庫)

初版:2004年4月30日

(1955年9月に早川書房より刊行)

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1945年の作。

初読みですが、ずっと「フェローズ」さんかと思っていました。

軽さの中にも戦争の重苦しさが影響を及ぼしている感じ。

主人公には少々イラついたが、深読みするほどではないのかな。

さまざまな推理が披露されて、それもまた楽しい。


『つぎはぎプラネット』 星 新一

つぎはぎプラネット (新潮文庫)

つぎはぎプラネット
著者:星 新一

解説:高井 信

(新潮文庫)

初版:2013年9月1日

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単行本未収録作を集めた落穂拾い的な一冊。

50年代末から60年代に少年誌に書かれたものが多いかな。

その頃は高度成長期真っ盛りだったのか、はっきり言って能天気な作品がほとんど。

星新一はかなり読んだつもりだが、それでも読み通すのはツラかった。

ましてやこの本を最初に読んだ人にとっては不幸な出会いになっちゃうかも。

『この闇と光』 服部 まゆみ

この闇と光 (角川文庫)

この闇と光
著者:服部 まゆみ

解説:皆川 博子

(角川文庫)

初版:2001年8月25日

(1998年11月に角川書店より刊行)

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読んでると序盤から拒絶反応が。

例え可愛げのない子供であっても、大人の都合のいいような扱いをされると読むのがツライ。

この手(どの手?)のは受け付けられない。


『監視ごっこ』 アンデシュ・デ・ラ・モッツ

監視ごっこ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

監視ごっこ
著者:アンデシュ・デ・ラ・モッツ

訳者・後書:真崎 義博

(ハヤカワ・ミステリ文庫)

初版:2014年7月15日

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2010年の作。

電車で珍しい携帯電話を拾ったところから「ゲーム」が始まる。

「ゲーム」に参加する意思をすると課題を伝えられ、それをクリアするごとに報酬と賞賛が与えられる。

これも顕示欲を煽る手立てですね。

最初のうちに与えられた課題も犯罪だが、自分の中ではギリギリ許容範囲内ではあったのだが・・・。

後半、スケールが大きくなっていく(現実離れしていく)ところは読みごたえがあります。

こんなことは「あり得る」のか「あり得ない」のか。

あなたも、どこかで誰かに監視されているかもしれない・・・。



『世界受容〈サザーン・リーチ〉3』 ジェフ・ヴァンダミア

世界受容 (ハヤカワ文庫NV)

世界受容
著者:ジェフ・ヴァンダミア

訳者:酒井 昭伸

解説:牧 眞司

(ハヤカワ文庫NV)

初版:2015年1月25日

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2014年の作。

やっとた読み終えた3作目。

本格ミステリみたいに、かっちりと「エリアX」の謎が解けるとは思ってなかったけど案の定だった。

こうですよと明かされたら逆に安っぽく思えちゃうが。

そうは言ってもおぼろげには見えた気がするし、「エリアX」を触媒とした人間関係は一応収束できたかな。

それにしても茫洋として、とらえどころのない読書体験だった。

円城塔が長編を書けばこうなるのか?(多分なりません)