たまらなく孤独で、熱い街 -68ページ目

『青の炎』 貴志 祐介

青の炎 (角川文庫)

青の炎
著者:貴志 祐介

解説:佐野 洋

(角川文庫)

初版:2002年10月25日

(1999年10月に角川書店より刊行)

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母と妹との三人暮らしの高校生・秀一。

だが、10年前に別れたはずの義父が押しかけて同居するようになってから、すべてが狂ってしまった。

部屋に籠って酒を飲んでいるか、ギャンブルにでかける義父。

母のため妹のために自分がしなければならないことはただ一つ。

やるからにはと、完全犯罪を目論んだのだが・・・。

やらずに後悔するよりは、やって後悔した方がマシとよく言われるが、果たしてどうなんでしょう。

ラストは切なくて涙腺が緩んでしまいました。



『泥棒は几帳面であるべし』 マシュー・ディックス

泥棒は几帳面であるべし (創元推理文庫)

泥棒は几帳面であるべし
著者:マシュー・ディックス

訳者・後書:髙山 祥子

(創元推理文庫)

初版:2013年7月12日

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2009年の作。

いわゆる「空き巣」なのだが、家主に盗られたことを気づかせずにリピートするためには色々と下調べをしなければならない。

で、その説明が延々と続く序盤は読みにくくてまいった。

中盤で彼の人生を変えることとなる出来事が起きるのだが、「早く逃げろ、バカ」としか思えず。

そのあとも、まあ、ねえ。

『酔いどれ故郷にかえる』 ケン・ブルーウン

酔いどれ故郷にかえる (ハヤカワ・ミステリ文庫)

酔いどれ故郷にかえる
著者:ケン・ブルーウン

訳者:東野 さやか

解説:直井 明

(ハヤカワ・ミステリ文庫)

初版:2005年5月15日

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2002年の作。

出版社によって作者名の表記が違うのは困ったもので、ハヤカワがブルーウンで、新潮がブルーエンだったような。

いっそのことブルーウェンにしたらどうか。

ルヘインとレヘインという例もあったな。

シリーズは第一作から読みたいものだが、第二作とは気が付かなかった。

酔いどれが故郷へ帰ってきてひと悶着。

連続ジプシー殺しの犯人を見つけてくれと依頼した人が気前が良すぎて、てっきりこの人が犯人かと思ってしまった。

そのせいか酔いどれはお金の心配もなく、気ままに捜査らしきものをしている印象。

ラストはいきなりだが、読者はある程度分かっていたから衝撃はない。



『消滅した国の刑事』 ヴォルフラム・フライシュハウアー

消滅した国の刑事 (創元推理文庫)

消滅した国の刑事
著者:ヴォルフラム・フライシュハウアー

訳者・後書:北川 和代

(創元推理文庫)

初版:2013年6月21日

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2011年の作。

ベルリンで女性の凍った胴体(トルソ:原題)が見つかった。

東独出身のツォランガー警視正が捜査にあたるが・・・。

同じころ兄の自殺に疑念を持つ女性エーリンがツォランガーを訪ねてくる…。

邦題の消滅した国は東ドイツであるが、今なお東西格差は大きいのだろうか。

金融スキャンダルはなんだったのか。

消化しきれなかったかな。



『変わるしかなかった。』 野村 謙二郎

変わるしかなかった。

変わるしかなかった。
著者:野村 謙二郎

(KKベストセラーズ)

初版:2015年2月25日

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5年間カープの指揮を執り、昨年末で退任された野村前監督。

正直、最初の年は絶望しました。

その前のブラウン監督よりもさらに成績が落ち込んでしまうとは・・・。

しかし、その後は成績は上昇。

ドラフトの成果もあったでしょうが、野村監督が如何に大変な思いをしたことか。

もう一年監督をやって欲しかったが、これを読むととてもじゃないけど無理だったのでしょう。

緒方新監督も初っ端に7連敗という洗礼を受けましたが、さてどうなりますか。

『百年法』(上・下) 山田 宗樹

百年法 (上) (角川文庫)

百年法 (上)
著者:山田 宗樹

(角川文庫)

初版:2015年3月25日

(2012年7月に角川書店より刊行)

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百年法 (下) (角川文庫)

百年法 (下)
著者:山田 宗樹

解説:北上 次郎

(角川文庫)

初版:2015年3月25日

(2012年7月に角川書店より刊行)

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第二次大戦では原爆6個を投下され敗戦国となったが、不老不死の技術をとりいれたもう一つの日本。

だが、たとえ肉体は二十歳のままでも百年後には法律により死ななくてはならない。

身体は若いままなのに「100年生きたからあんた死んでね」と言われても納得できないよな。

不老にはなったが不死身になったわけではないので、病死や事故死はあるが。

シミュレーション小説ではないので、作者のエンタメにのめり込んで久しぶりに読書がはかどりましたが、、ラストはどうなんだろなあ。


『夜歩く』 ジョン・ディクスン・カー

夜歩く【新訳版】 (創元推理文庫)

夜歩く【新訳版】
著者:ジョン・ディクスン・カー

訳者:和爾 桃子

解説:巽 昌章

(創元推理文庫)

初版:2013年11月29日

(1930年に天人社より、1954年に早川書房より刊行)

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カーの処女作になるのかな。

かなり力んでいる印象。

なんだか焦点が定まらないままに読み終えてしまった。

予審判事・バンコランのシリーズとは知らなかったので、どうみてもこの胡散臭い奴が怪しいと思ってた。

ラストの犯人の狂気が恐ろしい。


『火星の話』 小嶋 陽太郎

火星の話

火星の話
著者:小嶋 陽太郎

(角川書店)

初版:2015年4月25日

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SFかなと手に取ったら、奥付に著者は松本市出身と書いてあり「おお」と購入。

主人公の少年は現実にはいないけど、フィクションの世界では割とありがちで既視感さえ漂う(ような)。

存在感があるようなないような佐伯さん。

存在感ありまくりというか実はエスパーのような高見さん。

あの白日夢はなんだったのか。

具体的に指摘できる知能も文章力も持ってないけど、色々と物足りない気分にさせられた。




『バナナ剥きには最適の日々』 円城 塔

バナナ剥きには最適の日々 (ハヤカワ文庫JA)

バナナ剥きには最適の日々
著者:円城 塔

解説:香月 祥宏

(ハヤカワ文庫JA)

初版:2014年3月15日

(2012年4月に早川書房より刊行)

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「パラダイス行

「バナナ剥きには最適の日々」

「祖母の記録」

「AUTOMATICA」

「equal」

「捧ぐ緑」

「Jail Over」

「墓石に、と彼女は言う」

「エデン逆行」

「コルタサル・パス」

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円城塔は「わからないけどおもしろい」らしい。

たしかにそうなのだが、時間がかかって読む割にはどこかで拒絶する雰囲気もあったりして、すぐ忘れてしまう。

『屍者の帝国』のようなストレートな物語も読みたいものだ。

と言いつつも時間が経つと次のを読みたくなるんだけどね。



【読書メーター】 2015年5月分

5月は14勝12敗で貯金ができたらしい。

さあ、6月反攻だ(何の話だ?)

 

2015年5月の読書メーター
読んだ本の数:14冊
読んだページ数:5727ページ



粘膜兄弟 (角川ホラー文庫) 粘膜兄弟 (角川ホラー文庫)感想
粘膜シリーズ3作目。 双子の兄弟が一人の女性を巡っての恋愛バトル。 戦時下なので双子が戦地へ赴く場面もあるし、あれやこれやと色々と盛りだくさんのような気もするが、なんか読みやすくなったけどインパクトが薄れてきたような気がする。 もっとグチョグチョでいいんだがな。 476ページ
読了日:5月2日 著者:飴村行
私が愛したリボルバー (扶桑社ミステリー) 私が愛したリボルバー (扶桑社ミステリー)感想
失業中の主人公・ステファニーは、ふとしたことでバウンティ・ハンター(賞金稼ぎ)になってしまう。 賞金稼ぎと言っても、こちらのイメージとは違っているが。 ステファニーが最初に追う相手は、殺人容疑がかかっていて過去に彼女とも因縁がある知り合いの元警察官・モレリ。 相手を見つけたにしても簡単には捕まえられないだろうし、この女は度胸がいいと言うよりはバカじゃないかと思い、よほど読むのをやめようと思ったものだが、なんとか読み通した。 後半はさほど悪くはなかったが、次のを読みたくなるほどではない。 362ページ
読了日:5月4日 著者:ジャネット・イヴァノヴィッチ
夢を売る男 (幻冬舎文庫) 夢を売る男 (幻冬舎文庫)感想
この作者の本は書店に山と積まれているがために逆に手を出しにくかったが、これは面白そうかなと。自費出版をれっきとした商売にしている、とある出版社。相手に応じて変幻自在に対応を替えてゆくところは笑った。オレオレ詐欺は不安を煽るが、こちらは顕示欲を煽る。顕示欲は誰にもあるかもね。私だって読書メーターのつたない感想文ではあっても、自分のはたまに読み返しちゃうからなあ。後半は作者の「思い」の一端を垣間見られたような、そうでもないような。いろいろ裏を読まずとも、エンタメとして十分に楽しめます。 315ページ
読了日:5月6日 著者:百田尚樹
世界受容 (ハヤカワ文庫NV) 世界受容 (ハヤカワ文庫NV)感想
やっとた読み終えた3作目。 本格ミステリじゃないから、かっちりと「エリアX」の謎が解けるとは思ってなかったけど案の定だった。 こうですよと明かされたら逆に安っぽく思えちゃうが。 そうは言ってもおぼろげには見えた気がするし(少し安っぽい)、「エリアX」を触媒とした人間関係は一応収束できたかな。 それにしても茫洋として、とらえどころのない読書体験だった。 円城塔が長編を書けばこうなるのか?(多分なりません) 524ページ
読了日:5月8日 著者:ジェフ・ヴァンダミア
監視ごっこ (ハヤカワ・ミステリ文庫) 監視ごっこ (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
電車で珍しい携帯電話を拾ったところから「ゲーム」が始まる。 「ゲーム」に参加する意思をすると課題を伝えられ、それをクリアするごとに報酬と賞賛が与えられる。 これも顕示欲を煽る手立てですね。 最初のうちに与えられた課題も犯罪だが、自分の中ではギリギリ許容範囲内ではあったのだが・・・。 後半、スケールが大きくなっていく(現実離れしていく)ところは読みごたえがあります。 こんなことは「あり得る」のか「あり得ない」のか。 あなたも、どこかで誰かに監視されているかもしれない・・・。 476ページ
読了日:5月10日 著者:アンデシュ・デ・ラ・モッツ
この闇と光 (角川文庫) この闇と光 (角川文庫)感想
読んでると序盤から拒絶反応が。 例え可愛げのない子供であっても、大人の都合のいいような扱いをされると読むのがツライ。 この手(どの手?)のは受け付けられない。 302ページ
読了日:5月12日 著者:服部まゆみ
つぎはぎプラネット (新潮文庫) つぎはぎプラネット (新潮文庫)感想
単行本未収録作を集めた落穂拾い的な一冊。 50年代末から60年代に少年誌に書かれたものが多いかな。 その頃は高度成長期真っ盛りだったのか、はっきり言って能天気な作品がほとんどだし、単行本に入れなかったのも仕方ない。 星新一はかなり読んだつもりだが、それでも読み通すのはツラかったもの。 ましてやこの本を最初に読んだ人にとっては不幸な出会いになっちゃうかも。 442ページ
読了日:5月14日 著者:星新一
私が見たと蝿は言う (クラシック・セレクション) (ハヤカワ・ミステリ文庫) 私が見たと蝿は言う (クラシック・セレクション) (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
初読みですが、ずっと「フェローズ」さんかと思っていました。 軽さの中にも戦争の重苦しさが影響を及ぼしている感じ。 主人公には少々イラついたが、深読みするほどではないのかな。 さまざまな推理が披露されて、それもまた楽しい。 342ページ
読了日:5月16日 著者:エリザベス・フェラーズ
小さな黒い箱 (ディック短篇傑作選) 小さな黒い箱 (ディック短篇傑作選)感想
今巻は「政治/未来社会/宗教」がテーマらしい。 未来社会はともかく、政治や宗教はどちらかというと守備範囲外だからなあ。 それを差し引いても、ひとつひとつは「それなり」だけど続けて読むと疲れる。 そうは言ってもディックの短編は面白いし、この中では「傍観者」のラストにあ然としたものだ。 512ページ
読了日:5月18日 著者:フィリップ・K・ディック
人間以前 (ディック短篇傑作選) 人間以前 (ディック短篇傑作選)感想
続けて読むと疲れると言いながら、続けて読んでしまうのだが。 この巻ではディックの短編で一番好きな「フォスター、お前はもう死んでるぞ」が新訳で読めてうれしい。 東西冷戦にモータリーゼーションを絡めて車をシェルターに置き換えただけという気もするが、なんて言うかいいだよなあ(何も言ってないに等しいが)。 ほとんどが既読ばかりとは言え、これで当分ディックの短篇集がでなくなるであろうことは悲しい。 『ヴァリス』三部作を始めとする未読の長編を読めばいいのだが。 528ページ
読了日:5月20日 著者:フィリップ・K・ディック
幸運は誰に?〈上〉 (扶桑社ミステリー) 幸運は誰に?〈上〉 (扶桑社ミステリー)感想
今ごろ初ハイアセンで、どうもスイアセン。 読書意欲が減退中なのでドタバタをと選んだのだが。 ロト6のような宝くじの当選者が簡単に分かってしまっては、当たった人は生きた心地がしないよねと、そこばかり気になってしまった。 もしかしてハイアセンは私には合わないかも。 412ページ
読了日:5月23日 著者:カール・ハイアセン
幸運は誰に?〈下〉 (扶桑社ミステリー) 幸運は誰に?〈下〉 (扶桑社ミステリー)感想
下巻でも色々とありましたが、着地点が見えているだけにこの長さはつらい。 せめてキャラクターに萌えられればもっと面白く読めたかも。 416ページ
読了日:5月26日 著者:カール・ハイアセン
花の下にて春死なむ (講談社文庫) 花の下にて春死なむ (講談社文庫)感想
巻頭の表題作で、彼女が何故そこまで亡くなった人にのめり込むのかが分からない。 バーのマスターが安楽椅子探偵役というのは、そんなに読んではないけど新鮮味がないという印象(あまり出しゃばらないのはいいが)。 どれもピンとこなかったが、しいて挙げれば「七皿は多すぎる」が解説者も書いているように奇妙な味を感じられて良かった。 解説者が終わりに「このおいしさを知らない人と、私はともにミステリーを語ろうとは思わない」と結んでいるが、分からなかった私も同様だろう。 288ページ
読了日:5月28日 著者:北森鴻
みずは無間 (ハヤカワSFシリーズ―Jコレクション) みずは無間 (ハヤカワSFシリーズ―Jコレクション)感想
私の感覚からすれば、想像以上にハードなSFでした。 ここまで話を広げてくれると、少々の読みにくさも気になりません。 もしかして『タウ・ゼロ』(ポール・アンダースン)を越えた? それに、AIなのに元の人間が関わった「みずは」という拒食症の女性からいつまでも逃れられないのは笑うところか戦慄するところか。 332ページ
読了日:5月30日 著者:六冬和生

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